「がんばらないことをがんばる」
……正直、そんなこと無理じゃない?
人が人を慰めるときに使う、綺麗で美しくてやわらかくて……。でも、どちらかと言えばそれだけにしかならない言葉じゃないかと、タイトルを見たときには思っていた。
でも、毎度のごとく私は「この人なら」と思って彼女の本をカートに入れた。
彼女_考えるOLさんは、いつだって消費されるのではなく、日々の生活でお守りになる行動指針になる言葉をくれるから。
今日も明日も、私はこの記録指針に守られている。
読んでみて、
📍「無理しないでね」と言われても……と毎回途方に暮れてしまう人
📍つい限界を超えるまで頑張り続けがちな人
このどれかに一つでも当てはまる人は、気になる見出しの部分だけでもいいので読んでみてほしい。
26のヒントのうち、何個かを取り出しながら、私が本を読んで思うこと・感じることを経験を交えつつ書いてみたい。
では早速!
目次
意図しなかった未来にも幸せはちゃんとあるよ
「大学受験は、それまでの人生の総決算」
高校3年生のとき、割と本気でそう思っていた。
第一志望の大学に行けなかったら、生きている意味なんてないとすら私は口にしていた。
結果はあっさり落ちていて、受かった数校から女子大を選んで進学することに。
「第一志望の大学で演劇をやりたかった」とこぼした私に、父親はこれまたあっさり「あぁ、じゃあその大学のインカレサークルに入ればいいじゃん」と。
……もしかして私のやりたかったことって、やり方次第でいくらでも叶えられる?
そう思った瞬間、動かずにはいられなくてすぐにSNSでサークルを探し始めた。そうだ、私は演劇がやりたいんだ。それが叶うなら、場所は究極どこでもいいんじゃないか?と何かが弾けたようだった。
その結果、そこからも紆余曲折はあったけれど、私は憧れの大学で役者として舞台に立つ夢を叶えることができた。
公演が終わって、打ち上げに出かける前に食べた大好きなラーメン。普段は付けないコーラを、「今日は特別だ」と思って一緒に注文した。
舞台から見た景色も、この日のラーメンとコーラの味も、私は絶対に忘れることは無いと思う。
そして、進学先の女子大の演劇サークルでの出会いもこの上なく大切なものになった。
合宿先で先輩や同期や後輩が笑っているのを見て、「あぁ、この人たちに出会えなかった人生はちょっと耐えられないな」と思った。大袈裟だと笑われてしまうかもしれないけれど、私が生きている意味を、すごく実感した瞬間だった。
教育学も、演劇も、広報関連の活動も全部できている今は、過去の私の踏ん張りから出来上がっている。
その過去の踏ん張りを、もう二度と他人の言葉で傷付けられないように。
目の前の学問に本気で打ち込んで、出会った人間をとことん大切にして、好きなことややりたいことを守り抜きたい。
ネガティブは小さな好きでごまかせばいい
大学の勉強はそりゃ興味があるし好きだし楽しいけれど。
土砂降り・満員電車・一限・発表……「行きたくない」を膨らませる要因はたくさん転がっている。
通信制の高校に通っていたころの私は「午後から行きま~す✋」と友達にLINEを送って余裕ぶっこいて寝ていたに違いない。
でも、大学生はそうも休んではいられない。(本当にどうしようもなくしんどいときは遠慮なく休もうね)
だから、私は通学や授業に小さな好きを添えたり、ちょっとしたネガティブ事案に対してもとびきりのご褒美を用意するようにした。
土砂降りで駅から大学まで歩くのがあまりにも億劫なときはバスに課金するし、一限がある日は甘い飲み物をお供にする。
こういうときに使うお金は私にとっては必要経費だ。「もったいない」なんて、思う必要ない。
模擬授業や発表があった日の私のご飯はウルトラスペシャル豪華だ。大戸屋で、定食に「きみだま」をトッピングするときの多幸感に敵うものを今のところ見つけられていない。
五限まで踏ん張って、突発的にラーメンが食べたくなったときはしっかり欲に従うし、大きい書店で活字に浸りたいと思ったら定期圏外でも余裕で向かう。
そんな風に過ごしていると、「嫌なことが山積みな日」が帰ってきてみれば「自分の好きを補充した日」になっているのだ。
学校に行けば大好きな友達に会えるし、満員電車で押しつぶされてもイヤホンから流れる音楽は途切れない。
不安や「ダルい」といった気持ちは、「消さなきゃ!」と思うほど大きくなっていく。どうせ消せないなら、相対的に小さく思えるほどのハッピーで心を満たしたい。
神頼みじゃなく、自分頼みで人生切り拓こうな
「誰かに幸せにしてもらおう」と呑気に構えるのも、「バチが当たれ」と誰かを恨むのも、どちらもものすごく簡単だ。
でも、去年の夏ごろにその考えがガラリと変わった。
「……やばい。このままだと、大学4年間あっという間に消費してしまう」という危機感が頭をよぎったときのこと。
他人の行動に期待して、がっかりしてを繰り返す時間は、もっと別のことに使えるんじゃないか?
縁が無かった存在に対してモニャモニャした気持ちを抱えるのは5秒で足りる。
自分磨きに限らない。私が本当にやりたいこと、会いたい人に対して時間もエネルギーも使いたい。
そう思うと依存も執着も手放したくなって、その頃ごちゃごちゃになっていた人間関係を一旦全部清算した。
誰かの動向で、自分のメンタルをコントロールされてたまるか!
誰かが不幸になったとしても、私の抱える問題がなくなったり、突然ものすごい幸運に見舞われたりするわけでもない。
自分の人生ですら予想できない方向に転がることがあるのに、他人の行き先を自分が予想したり、ましてやコントロールなんてできるわけなくて。
でも実は、今日のお昼ご飯とか夜ごはんとか、おやつを何にしようかな~と悩むことはできる。
どんなに小さいことでも、「自分で選ぶ」「自分で決める」ことは自己肯定感に直結するはず。
世の中の乗りこなし方はわからずとも、自分の機嫌の波にどう乗るかは20年弱でなんとなくわかってきた。
自分を大切にしてくれない人とはどんどん離れようね
自分を大切にしてくれない人と一緒にいると、何故か自分で自分のことを大切にできなくなってしまう。そして、何かを手放すことは別の何かと出会うきっかけになるということをここ数年強く実感している。
性別年齢関係性問わず、自分のことを消費してまで付き合いを続けるべき相手なんて一人も存在しないんだ。
ある夏の日、付き合いの深い友達が酷く心配そうな顔を向けてきたとき。
「あぁ、この人たちにこんな顔をさせてしまうほど、今の私は辛そうなんだな」と頭が冴えていった記憶がある。
「相手と一緒にいるときの自分を好きになれるか、自分の大切な人間に誇れるかで人間関係を決める」
20年弱生きてきた私の、現時点での人間関係のマイル―ル。こうしようと決めてから、かなり生きやすくなった気がする。
心がしょぼしょぼしていると思うときには、ぜひ身の周りのメンテナンスに心を配ってみてほしい。
【まとめ】「やりようはある」という微・ポジティブマインド
「生きるのが上手い人っているよね」とこの間高校のときの友人と話した。
体力があって、人間関係の身のこなしが軽やかで、器用で。課題を課題と思わず乗りこなしていけてしまう、そんな生き方。
そんな在り方を羨ましいなぁと思いつつ、ぶきっちょな自分には到底できないことも知っている。
でも、進路選択で失敗したときも、毎日のちょっとした憂鬱も、「やりようはある!」と一旦俯瞰しつつも進んできた自分のことも知っていて。
こうやって毎日を少しずつ生きていけば、10年後振り返ったときに「不器用だけど不器用なりにやってきたと思うよ」と私は笑ってくれるはずだ。
その時も、スマホには「考えるOL」さんの投稿が一緒にいてくれるに違いない。
社会という荒波を少し先に乗りこなしにいっている彼女の言葉や本は、今だけじゃなくこの先も間違いなくとびきりのお守りになるから。
書籍情報
タイトル:がんばらないことをがんばるって決めた。
著者:考えるOL 考えるOL(@thinkingoodol)さん / X 考えるOL|note
発売日:2021年11月12日
出版社:KADOKAWA
【KADOKAWA公式ショップ】がんばらないことをがんばるって決めた。: 本|カドカワストア|オリジナル特典,本,関連グッズ,Blu-Ray/DVD/CD
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