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大学生で拒食症を経験した私が語る、摂食障害の友達への接し方・声のかけ方

ある大学カウンセラーは「何人か摂食障害の大学生を診ている」と言っていました。
大学生の摂食障害(拒食・過食)は、珍しくないようです。

「友達が摂食障害かもしれない」
「摂食障害の友達の力になりたい」

今回は、大学生になり拒食症を経験した私が、当時の自分にしてあげたいことを中心に、摂食障害の人への接し方と声のかけ方をまとめました

まず、2種類の摂食障害を簡単に定義しておきます。

① 拒食:食べないこと
② 過食:過剰に食べて、嘔吐すること

拒食と過食を繰り返す人、拒食や過食どちらかに陥ってしまった人など、摂食障害は一言で表せないくらい多様です。

以下の体験談は私個人の見解ですが、参考になれば嬉しいです。

 私が拒食症になった理由

BMI数値を見た医者に「これ以上体重が減ると、命に危険がある」と言われるまでに悪化した拒食ですが、きっかけはごく単純なことでした。

それは、大学の時間割にお昼を食べるタイミングがなかったから。

不潔症的なところもある私は、コロナ禍が原因で、人前でご飯を食べることに抵抗を感じていて「お昼時に家に帰れない=食べられない」というロジックがありました。

新学期が始まって1週間もすると「他の人と違って、昼飯を我慢できている」ことが自己肯定感に結びつきます。
食費を節約して、体重も減って、良い気分になっていました。

今振り返ると、一種の依存症に近かったのかもしれません。
拒食をして良い気持ちになって、止められなくなる、悪循環ができました。

 摂食障害の友達にやってはいけないこと

上記の「拒食症になった理由」が非論理的だということは、当時もわかっていました。
でも「理解されない」気持ちに苦しめられました。

最も辛かったのは「理解していないのに、わかったフリをされること」です。

健康診断の結果が問題になって、大学の校医や教授に呼び出されて、私の拒食を説明しなくてはならないことがありました。

こちらが涙を流しながら説明したあと「あなたの気持ちは理解できます。でも、なんで食べられないんでしょうね」と先生に聞かれたときの辛さは、忘れられません。

摂食障害は、一種の精神病です。
理解できなくて当然なので「ちゃんとわかってあげられないけれど」というマインドセットで接することが大切だと痛感しました。

 摂食障害の友達への接し方

摂食障害に悩まされていたときの私は、食べ物と体重のことで頭がいっぱいでした。

比較するために他の人の食生活を気にして、買い物に行ったときには食費に一喜一憂して、考え方だけではなくて、行動も異常でした。

今の私が、当時の私にしてあげたいことを、3つ紹介します。
摂食障害の友達への接し方の参考にしてもらえたら、嬉しいです。

① 食べ物に関係のない、夢中になれることを提供する

授業の課題や課外活動が、気を紛らわせてくれていました

一緒に新しいことに挑戦したり、恋バナに夢中になったり、食べ物以外の話題を提供できると、気持ちが軽くなると思います。

② 軽食を奢って、わたす

拒食をしていても、もったいない精神は健全でした。

食べ物をもらったら賞味期限以内にちゃんと消費していましたし、実家で出されたご飯はしっかり食べていました。

軽食ならば「もったいない」と自分に言い訳をして食べることができていました。
でも、私だけかもしれないので、実践するときには注意が必要だと思います。

③ 拒食の話題に触れない

私は「食べた方が良い」と承知の上で、それをしないで過ごせる自分に肯定感がありました。

よく聞かれる「ちゃんと食べている?」という質問は「心配されるくらい成功している」と捉えてしまうのです。

心配の言葉が褒め言葉に聞こえるなんて、論理的ではないですよね。
だからこそ、食の話題には気をつけるべきだと感じます。

 摂食障害の友達への声のかけ方

「食の話題には気を付けてほしい」と言われても、具体的にどのように声をかけて良いのか困ってしまうと思います。

摂食障害の人に対しては「声をかける」のではなくて「聞く耳を持つ」ことの方が大切だと、私は感じます。

例えば、親の前では「よくできる子」でいたかったので、心配をかけないためにも、拒食症のことは話していませんでしたが、唐突な連絡にも疑問を持たずに受け止めてくれた親に感謝しています。

特に回復し始めた頃、食べたものを親に報告していたことが、必ず食べる習慣付けの一助となっていました。

声をかけるとしたら、何気ない会話の中で「何かあったら、何もなくても、いつでも連絡してね」だと思います。

そして、証拠に、その日にあったくだらないことを連絡してあげてください。
「この人ならば気軽に、何でも話せる」という信頼関係が、回復を助けると思います。

 友達の摂食障害と関わるのならば、覚悟が必要

友達が摂食障害になっても、障害を無視して、友達とだけ関わる選択肢もあります。

摂食障害は精神病なので、障害と積極的に関わるというのは、責任のある選択だと知っていてほしいです。

最後に、私が、摂食障害と自分を理解し、回復の道を歩み始めるときに参考にした本を紹介します。

 

オススメ書籍
ジェニー・シェーファー著
『​​私はこうして摂食障害(拒食・過食)から回復した ー 摂食障害エドと別れる日』
Amazonで購入:amazon.co.jp

 

もし覚悟があるのならば、たくさんの体験談を知って、摂食障害の多様性に触れると勉強になる思います。

そして、友達を「救う」なんて考えずに寄り添ってあげてください

 

 

 

「学生相談室行って意味ある?」カウンセリングの体験談から、メリットとデメリットを教えます

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