この記事で分かること
☆伝わりにくいレポートの特徴 ☆誰でも簡単に実践できるパラグラフライティングとは〜基礎から使い方まで〜 |
こんにちは〜ガクセイ基地のりこです!
レポートに、リアぺに、就活に、、
理系・文系に限らず、大学生っていろいろなところで文章を書かなければいけませんよね。
ガクセイ基地では学生記者として執筆をしている筆者ですが、実は…
☑︎文章を書くと長すぎて結論が見えなくなる。
☑︎句読点を入れるのが下手。読みにくい。
☑︎いいこと書いてそうで実は事実の羅列にしかなってない。
これ全部、人に言われたことです(大泣)
「じゃああんたが書いてみろ!!」と負けず嫌いな私は思ってしまいますが、、笑
他人からいざ言われてみると確かにわかりずらい→どう直せばいいのかもわからない→今日の夜ご飯が気になる→スマホをみる流れでインスタを見始める
と最悪のルーティーンをたどっているのは私だけではないと(信じたい)
今回は、こんな私でも教授から褒められるようになったレポートの書き方をご紹介します。
☆伝わりにくいレポートの特徴
☆誰でも簡単に実践できるパラグラフライティングとは〜基礎から使い方まで〜
の2点に絞ってご紹介します。
参考文献:倉島保美『論理が伝わる「書く技術」』
目次
①なぜ自分の文章は伝わらないのか?どうしたら伝わるのか?
早速ですが次の2つの文章ではどちらの方が読みやすく感じますか?
設定:ガクセイ基地の学生記者として取材依頼メールを書くとき
Aパターン
お世話になっております。ガクセイ基地の田中と申します。
貴団体のHPを拝見させていただき、大変感動しました。私はジェンダーについてとても興味があり、大学でジェンダーの授業をたくさん取っています。そこで教授が言っていた「日本はLGBTQへの理解が法律レベルで遅れている」という言葉に感化され、私自身も学生として何か活動できないかと思いました。
そこで、一つお願いがあるのですが、ぜひ取材をさせていただけませんでしょうか。詳細と致しましては…(続く)
Bパターン
お世話になっております。学生基地の田中と申します。
突然なのですが、取材のご依頼をさせていただきたく、メールを送らせていただきました。
取材の依頼に至ったきっかけは、個人的な日本の法律への問題意識です。大学で取っているジェンダー関連の授業を通し、日本社会のLGBTQへの理解を法律レベルで変えていきたいと考えるようになりました。そんな中で貴団体のHPを拝見させていただいたところ、私のやりたいことに近い活動をされているのでお話をお聞きしたいと考えました。
詳細と致しましては…(続く)
さて、皆さんどちらの方が内容が頭に入ってきましたか?
わかりやすいのはBです。では、Aの作者はなぜわかりにくい文章を作ってしまったのでしょうか?
まず、わかりやすい文章の特徴として、参考文献である『論理が伝わる「書く技術」』の著者、倉島保美氏は
・大事なポイントが30秒で伝わる
・詳細がごく短い時間で読める
・内容が論理的で説得力を持つ
と述べています。一つずつ確認していきましょう。
・大事なポイントが30秒で伝わる
この取材メールで一番重要な文章はどこですか?もちろん、「あなたに取材がしたい」という旨ですよね。ですから、それを一目でわかる文章でないと、わかりやすい文章とは言えません。「取材したい」ということをいち早く伝えているBの方が、読み手はわかりやすいですね。
・詳細がごく短い時間で読める
元々例文が文章の一部分なので短い時間で読めますが、ここでいう詳細は何かと聞かれたら、取材理由でしょうか。
取材理由を短い時間で読むためには、簡潔に、自分の意見だけを並べることです。Aのように「教授が〜」などと行っていると事実と意見が混在し、分かりにくいです。
事実と意見の違いは重要です。簡単に言えば他の人が言ったことなのか、自分が言ったことなのかです。事実だけを並べてもみんなが知っていることなので信憑性や独創性に欠けますが、反対に意見だけを並べても証拠がないので信憑性が薄くなります。つまり、自分で事実と意見の量を調整しなくてはいけないということですね。
・内容が論理的で説得力を持つ
「論理的」って何?と思う人もいると思います。大丈夫です。私も論理的ってなんなんだ!!とたくさん投げ出したくなった過去があります。
論理的とは端的にいうと「説得力があるのか?」という意味だと私は捉えています。説得力を出すために技が2つあります。演繹法と帰納法です。
わー!難しい単語が出てきた!と思っている皆さん。大丈夫です。違いは超簡単。
演繹法→塩顔イケメンがタイプなので坂口健太郎と山崎賢人と福士蒼汰が好き
帰納法→坂口健太郎と山崎賢人と福士蒼汰が好きなので塩顔イケメンがタイプ
つまり演繹法は結果にあった例を調べる。帰納法は例にあった結果を導く。そんなイメージです。
今回の例文の場合、
(理由1)大学でジェンダーを学んでいる+(理由2)学生団体の活動が自分のしたいことと似ている=(結果)取材をしたい
というように帰納法で表せるのでこのステップをおって説明しなければいけません。
パターンAのように理由と結果の関係が分かりにくいと読み手は混乱してしまいます。
ここで皆さん、文章を書くときに以下をやっていないかチェックしてみましょう!
☑︎文章を書くまえにメモをしていない ☑︎論理的の意味がよくわからない ☑︎演繹法と帰納法とはなんぞやで書いてる ☑︎自分の書く文章が長すぎる ☑︎ごちゃごちゃ前書きを書きがちである ☑︎読み手がどんな道筋を予想するのか考えて文章を書いていない |
チェックが多くても大丈夫!以上のことはもう皆さんここまでで知ることができました。では、実際に文章を書く際に役立つ、パラグラフライティングというものを紹介します。
②パラグラフライティングとは
「パラグラフライティング」という言葉の意味はなんでしょう?
パラグラフ→日本語で「意味段落」に近い。要約文+要約文の説明からなる一つの意味段落です。
そのパラグラフという単位を使って書くのが、パラグラフライティング。
理解するためには例をみるのが一番なので、確認してみましょう!
体調を崩しやすい時期は納豆を食べるべきです。なぜなら納豆にはたくさんの栄養素が入っているからです。例えば、「ナットウキナーゼ」という納豆に入っている菌は体を内から整え、栄養素の巡りをよくする働きがあります。したがって、風邪などが流行りやすい冬は納豆を食べて体をうちから守ることが重要なのです。 |
上の塊がまさにパラグラフです。パラグラフの特徴としては、
一つのパラグラフにつき主張が一つ
これが最も重要です。先ほどパラグラフ=要約文+説明文と説明しましたが、言いたいことは一つでその他の部分はそれの補足文なのです。したがって、パラグラフライティングを使って書かれた文章は、その要約文だけを読むことで理解できます。要約文はそのパラグラフの最初か最後に多く書かれています。
ちなみにパラグラフとして悪い例を載っけておきます
体調を崩しやすい時期は納豆を食べるべきです。なぜなら納豆にはたくさんの栄養素が入っているからです。例えば、「ナットウキナーゼ」という納豆に入っている菌は体を内から整え、栄養素の巡りをよくする働きがあります。納豆は体の免疫を整えるのに非常に大事なのです |
一見関連したことを述べているようですが、「体調を崩しやすい時期は納豆を食べるべきだ」という主張と、「納豆は体の免疫を整えるのに非常に大事である」という2つの主張ができてしまっています。
これではパラグラフとしては成り立ちません。パラグラフ1個につき、言いたいことは1個。もしこの二つの主張をつなげたいのなら、パラグラフを二つに分けて読者に伝えればいいのです
体調を崩しやすい時期は納豆を食べるべきです。なぜなら納豆にはたくさんの栄養素が入っているからです。例えば、「ナットウキナーゼ」という納豆に入っている菌は体を内から整え、栄養素の巡りをよくする働きがあります。したがって、風邪などが流行りやすい冬は納豆を食べて体をうちから守ることが重要なのです。 また、納豆は体の免疫を整えるのに非常に有効です。2023年東京大学医学センターの研究によると…(以下省略) |
なのです。国語の授業で、誰でもわかるような接続詞穴埋め問題をやった経験はありますか?「だから」とか「なぜなら」とかを文章に入れる問題で、生意気な小学生だった私は「こんなの日本人だったら誰でもできんじゃん」とバカにしていました。。
でも今考えると、接続詞とは文章を書く上で最も重要です。「例えば」「さらに」「したがって」などなど、次に繋げる接続詞を知らないと、文章はかけませんよね…
③実際にパラグラフライティングを使ってみよう
では実際に、パラグラフライティングを使って文章を書いてみましょう!今回は大学のレポートという設定で書いてみます!
その前に参考文献の著者である倉島氏が提唱している書き方を紹介します。
※第一パラグラフは導入部分なので、論点が一個に絞られていないことは例外です
第1パラグラフ:目的のパラグラフ
現状・背景 文章を書くきっかけとなった事実
問題点・または必要性 解決しようとしている問題
目的 この文章で報告しようとしてること
第2パラグラフ:要約のパラグラフ
結論の文 最も伝えたいことを表した文
重要な情報1 総論を導き出した情報1
重要な情報2 総論を導き出した情報2
重要な情報3 総論を導き出した情報3
重要な情報4 そのと重要な情報
こちらの書き方で、「日本の難民支援における課題」というテーマで試しに簡単な論文を書いてみようと思います。
2023年6月に、日本にいる難民に関する入管法が改正された。改正に伴い、難民申請を3回しても受理されなかった者は、実質祖国に無条件に送還されることとなった。(背景)本来祖国に帰した際に命の危険や生活の安定が保証されない場合には、強制的に難民を返してはいけないという法律が国際的に決まっている。日本もその条約に批准しているが、実際の活動で示してはいない。(問題点)本レポートではそのような現状を少しでも改善するため、日本の入管法の問題点を分析した。(目的) 日本の入管法の改悪には3点の問題がある。 1. 入管施設の環境(重要な情報1) (以下省略) 2. 仮放免の束縛性(重要な情報2) (以下省略) 3.難民申請の必要書類(重要な情報3) (以下省略) |
パラグラフの具体的な内容は省略してしまいましたが、このような構成でレポートを書くと非常にみやすくなったように感じます。
何も型がない状態で書くよりも論点が分かりやすく、読んでいる方も読みやすいですね。
実践編は少し難しい内容になってしまったかもしれませんが、少しずつでもいいので型を意識して文章を描けるようになれば、必ず上達するはずです。
皆さんも一緒に文章の上達に向けて頑張りましょう!
④まとめ
ガクセイ基地では「レポート」に焦点を当てて書いた記事がたくさんあります。そちらもぜひ合わせてご覧ください↓
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