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「見えぬ資産」日本がデータ化世界で生き残るには

〈ニュース解説記事〉

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目次

・忙しい人はここだけ!

・世界の現状

・日本の問題点

・ポイント①日本に見える兆し

・ポイント②日本の主張(ダボス会議)

・解決策

 

 

忙しい人はここだけ!
データ化する世界で「出遅れている」と危機感を持つ日本。アメリカや中国は着々とデータ化に対応し、独自の強みを伸ばしている。そんな中、日本はEUから「十分制認定」(※)を受け、ダボス会議(※)に参加するなどして、データ化社会に対応しようとしている。
 
※十分制認定…EUにあるデータ持ち出し禁止のルールを例外的に「守らなくていい」と認めるもの。
※ダボス会議…世界経済フォーラム年次総会。世界経済や環境問題など幅広いテーマで討議する。世界各国が注目し強い影響力がある。毎年1月に開かれており、日本は5年ぶりに参加した。

 

 

 

世界の現状「アメリカに支配されていく世界」

 

アメリカは世界の企業業績をけん引しており、その4割を稼ぐ見込みだ。

アメリカの成長を一番に支えているのは、製造業や小売りなど現物を扱うものではなく、無形の資産である。無形の資産とは、ソフトウェアやAIなどの「目に見えない資産」のこと。技術力を示す特許や、ブランド力を示す商標権もこれに含まれる。

 

今、アメリカの企業は次々とデジタル事業へ移行している

デジタル事業の伸びが好調であるポイントとして、原材料が抑えられることが挙げられる。つまり、製造業などが「販売量に応じて増えるコスト」を抱える一方で、デジタル事業はそれが抑えられるため、利益増につながりやすい

 

 

日本の問題点「データ化の遅れ」

 

一方、日本は「見えぬ資産」で世界に後れを取っている。

まずは、企業の売上高を見てみよう。

日本はまだまだアメリカに及ばない。日本企業も自己資本利益率をみると成長しているものの、世界の主要国の中では下に位置する。

※自己資本利益率…総資産に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す指標。

 

次に、無形資産がどのくらいあるかを比べてみる。

上図からもわかるように、アメリカと比べて日本はまだまだ無形資産を活用できていないのが現状だ。無形資産を日本でも活用できれば、この現状はもっと改善できるかもしれない。

 

ポイントで読む!

ポイント①日本の立場「日本に見える兆し」

EU(欧州連合)は、2019年1月23日、日本の個人情報保護の水準が「EU並み」と認める「十分制認定」を正式決定した。

 

十分制認定とは、簡単に言えば「君だけ特別にデータを持ち出していいよ!」と認めるということ。

EUは2018年5月に個人情報のルールを厳格化し、EU域外へのデータ持ち出しを原則禁止(GDPR)しているのだ。その中で、例外的にデータの持ち出しを認められたのが、日本を含める10か国・地域。

 

十分制認定前:欧州のデータを日本に持ち出すには、データ持ち主に改めて同意を取り直すか、EUが定める契約を結ぶなど、コストや手間がかかった。

十分制認定後:自由にデータの移行が可能。

つまり、手間やコストが省けて日本企業はより動きやすくなるのだ。

 

しかしここには注意点がある。

十分制認定を受けた後も、企業が個人情報を集めるには、「ユーザーに情報の使用用途を分かりやすく説明し、明確な同意を得なければならない」のだ。違反すれば、巨額の制裁金を科される可能性がある。

データ管理に関して安易に考えているといけないということで、1月23日日本経済新聞で報じられた「グーグルの違反に対する制裁」が、ルールを守ることへの重要度を表している。グーグルは約62憶円の制裁金を命じられた。

 

ポイント②日本がダボス会議で主張「データ越境自由に」

日本が5年ぶりにダボス会議に出席した。安倍晋三首相は、膨大なデータについて「自由に国境をまたげるようにしないといけない」と述べた。そして、WTOルール(WTOルールについて詳しくはこちら!)にのっとったデータ流通圏を提唱している。

 

その背景は以下の2つ。

⑴出遅れの解消

日本は、AIによる国際競争に出遅れたという危機感が強いため、世界とつながることで安心したいのだ。

日本は工場などの産業データの蓄積に強みがある一方で、アメリカはIT大手による膨大な個人情報を所持していることが強みだ。また、EUには世界の企業が守るべき、個人情報に関する規則を設けている。

日本、アメリカ、ヨーロッパが国境を越えてデータを集めれば、様々な産業に活用できるデータ流通網が出来上がると、日本政府はみている。

⑵中国をけん制

13億という膨大な人口を抱え、ビッグデータを自国内だけで集めることが出来る中国は驚異の存在になりつつある。AIの開発で優位に立つことなどがその理由だ。

 

 

まとめ

 

以上より、日本はうまく「十分制認定」にのって、アメリカやヨーロッパと協力していくことが重要となってくる。WTOの改革でもアメリカやヨーロッパと連携していきたいとしており、データ化する社会への遅れを早く取り戻そうとしている。

 

〈参考文献〉

日本経済新聞(2019年1月23日、24日)

SMBC日興証券「ダボス会議」

 

 

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gakuseikichi

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