2020年、東京オリンピックが開催されますね。
一人でも多くの人を巻き込みたい!まっすぐ社会に目を向けたい!と活動している、学生団体おりがみの活動を、みなさんご存知ですか?
団体の魅力や立ち上げ当初の苦労、これからの目標について、聞いてみました!
取材に対応してくださった、代表の都築則彦さん(上段左から6番目)と、学生団体おりがみのメンバー
「オリンピック」 自分の“ワクワク”に反応!
都築さんは、現在大学で宇宙物理の研究室に所属していますが、一見関係のなさそうな「オリンピック」に関わっています。
—なぜ、「オリンピック」に注目したのですか?
宇宙のように、スケールの大きいものに魅力を感じます。
世界中から注目が集まるオリンピックは、その一つでした。
—団体を立ち上げたきっかけを教えてください。
勉強以外の面で他の学生に勝ちたいと感じていたこともあり、オリンピックの招致に学生が関わっていたことは知っていたので、自分はオリンピックを成功に導く活動に関わりたいなと思いました。
自分の興味の有る「宇宙」と、「オリンピック」を掛け合わせたイベントがあったのですが、学生だからこそできることがあると感じ、この団体を立ち上げました。
—「おりがみ」の由来とは?
『“おり”ンピック・パラリンピックを、“が”くせい、“み”んなで盛り上げよう』です。
おりがみは、日本文化の象徴であり、「平和」を表しています。
—普段はどんな活動をしているのですか?
主に2つあります。
まずは、オリンピックについて学ぶ事です。オリンピック・パラリンピック関連のボランティアへの参加や、有識者へのヒアリングを行っています。
次に、イベントの企画・運営です。オリンピックについての知識を活かしています。以下の6つの属性の中から、1つ以上を組み合わせたイベントを企画・運営しています。
Ⅰスポーツ Ⅱ文化 Ⅲ環境 Ⅳ国際交流 Ⅴユニバーサルデザイン Ⅵ教育
例
・スポーツ+ユニバーサルデザイン
オリンピック・パラリンピックを疑似体験できるようなスポーツ大会
・文化+ユニバーサルデザイン
健常者と障害者が一緒に楽しむファッション&ダンスショー
—団体の魅力を教えてください。
団体メンバーは現在110人。約34大学から集まっています。1年生から院生までいますよ。
アットホームで楽しい雰囲気です。
しかしその反面、抱えているものや内面は非常に濃いものとなっています。オリンピックということで、たくさんの人が協力してくれるし、スケールが大きいです。
そのギャップが魅力ですね。
—今まで苦労したことを教えてください。
立ち上げ当初は、批判が多かったです。学生がやるなんて不毛、という反対意見がありました。最初は辛かったです。人が集まらず、やりたいことができなかったので、ゴミ拾いから始めました。
確かに、オリンピックに対する僕らの活動はほんのちっぽけなものだと思われるかもしれません。しかし、将来の日本史のテキストを思い浮かべてみてください。
問題が山積みとなった、「負」のオリンピックとして載るか
「市民」が立ち上がった、胸を張れるオリンピックとして載るか
私は後者がいいと思っています。ですから、自分たちの行動がオリンピックの成功価値を決めると周りの人に言い続けています。
人を巻き込み続ける事は大変ですが、ビジョンは崩さず活動しています。
—これからの目標を教えてください。
私たちの願いは、「オリンピックに一人でも多くの人を巻き込む」ことです。
オリンピックは、「競技大会」という意味があるだけではなく、「オリンピズム」の考え方を広めるオリンピックムーブメントとしても大きな意味を持っています。
オリンピックをみんなで作り上げる文化祭にしたいと思っています。
だから一人でも多くの人を巻き込みたい。
これからは、日本中にこの活動を広げ、ポジティブなムーブメントを興したいです。規模を広げて、人と人とを繋ぎ、未来の日本をもっとよくしたいと考えています。
東京オリンピックが終わった後も、この団体の終わりは考えていません。「持続的な活動」が必要だと思います。
—読者へメッセージをお願いします。
僕たち学生は、なんだか社会から隔絶されているような気がするんです。
社会人と学生に不連続な何かがある。
でも、頭を使って動けば、その環境を変えることができると思っています。社会全体で一つの物事、問題に取り組むためにも、変えなければいけないのです。
オリンピックは学生が関わることができないとよく言われていましたが、行動を起こせば意外と変わりました。
あとは、僕自身教育実習などに行って感じたのですが、自信を失っている人が多いと思います。好きだけど続けられないとか、言いたいけど言えないとか。
そういう人たちに向けて、「今」やりたいこと、興味があることに対して行動してほしい、と伝えたいです。
僕らにとってはそれが、オリンピックでした。
今までもいろいろな問題が出てきましたが、社会の空気が、オリンピックの取り決めに対して「冷笑」し、まるで自分たちに関係ないような雰囲気になっているように感じたのです。僕らの国、環境なのに、主体的にならなくてどうするのか、と思いました。そこで、行動を始めたのです。
まっすぐに社会に目を向け、悪い環境は変えようとする行動が、大切だと思っています。
ありがとうございました!