みなさんは学生団体が行うボランティアと聞いて、どんな活動をイメージしますか?
環境保全のためのゴミ拾い、貧しい国の子供たちの教育支援あたりでしょうか。
今回はスポーツを通じたボランティアを行なっている学生団体SPWに取材をしました。
大学2年生の後藤なゆみさんにお話を伺いました。
−学生団体SPWはどういった団体なのでしょうか?
私たちは2013年に発足した団体です。ラオスの体育の現状をネットで知ったのが設立のきっかけです。「Share Sport around World 世界の子ども達とスポーツの楽しさを共有する」という理念のもと、私たちは活動しています。
−主な活動内容を教えてください。
私たちは国内と海外の両方で活動を行なっています。
まず国内ではスポーツができる環境が整っているので、「運動を楽しむ」「スポーツを好きになる」「これからも継続してスポーツをしてもらう」ということを意識してスポーツイベントを行っています。そこで国内では基本的にアルティメットというスポーツをしています。このスポーツには走る・飛ぶ・投げるといったあらゆる要素が入っていたり、男女差やスタートラインが同じであるので採用しています。具体的な活動内容としては、国内の小学校で授業を一コマ借りて教えたり、夏休み中の学童で教えたりしています。
一方、私たちは今までミャンマー、ラオス、フィリピンで活動をしてきました。
海外では主に体を動かすことの楽しさを伝えられるようなスポーツイベントを行っています。国内と違って何か一種のスポーツをするのではなく、綱引きやボールを使った遊びなど体を動かして楽しむことを大事にしています。また運動着や運動用具の寄付を行なっています。
−海外に送る寄付品はどうやって集めているのですか?
メンバーそれぞれが呼びかけて、国内の小学校や大学の部活やサークルの方々から頂いたり、スポーツ庁が推進しているSFTという事業に参加して、そこで募集を行なっています。
−海外での活動で大変だったことは何ですか?
海外での活動では3週間ほど滞在するのですが、食事や気候など生活面で慣れるのには苦労します。また事前にイベントの準備をしていたとしても、グラウンドにある傾斜やゴツゴツなどによってイベント内容をその場で変えなくてはならなかったことです。
−スポーツに対して苦手意識のある子どもに対しては、どういったアプローチをしてスポーツを楽しんでもらうのでしょうか?
まず私たちは3つの約束を大事にしています。1つ目は笑顔、2つ目は全力で楽しむこと、3つ目は仲間を大切にすることです。これは基本的なことですが、スポーツだけでなく日常でも大切なことですし、これを忘れてしまってスポーツの楽しさを忘れている子もいるのでこの3つを大切にしています。またメニューを組むときになるべく差が出ないようにしています。
−イベントでスポーツをする前と後で、子どもたちに変化はありましたか?
私たちはイベント毎にアンケートを取っています。するとスポーツを好きになったと答えた子供が多くいます。実際、スポーツをやるにつれて笑顔が増えてイベントが終わる頃には一体感が生まれています。
−後藤さんが思う団体の魅力を教えてください。
メンバーそれぞれが様々な理由を持ってこの団体に入っています。単純にスポーツが好きな人、子供が好きな人、海外に行ってみたい人など様々です。だからこそ、色々な視点の意見を言い合えるのはいいところだと思います。もし、スポーツが好きな人だけが集まっていたら、スポーツが苦手な子の気持ちがあまりわからないはずです。でもそこに色々な視点からの意見が出ることで偏らないことはいいことです。
また私たちの団体には代表という役職がありません。だからこそメンバーそれぞれが人任せになることなく責任を持って活動できていることです。
―最後に大学生に向けて何かメッセージをお願いします。
時間がある大学生のうちに、自分がやりたいことをたくさんやるべきだと思います。私自身、スポーツや子供が好きだからこそSPWに入っています。そして活動をする中で、楽しいこともあれば、大変なことや面倒だなと思うこともあります。けれど、自分がやりたいと思ってやっている活動の中でのそういった苦労は決して無駄な時間ではなく、どういった形であれ今後につながるはずです。
―ありがとうございました!
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