発展途上国を支援する学生団体は数多くあります。
その中でも、与えるだけの一方方向支援だけに留まらない学生団体があります。
その名もInter University Youth Leagueです!
今回はInter University Youth League 代表の馬場さんのインタビューさせていただきました!
ー本日はよろしくおねがいします!まずは団体の紹介をお願いします!
簡単に説明すると、ミクロ単位での一つの地域、学校に焦点を当てた小さな規模での支援をする団体です。
具体的な取り組みとして、カンボジアにあるKFKO学院という孤児院図書館の建設をしています。
現在、建設中で、6月末には完成する予定です。現地での建設までは日本でのチャリティイベント、資金集め、そして本集めと翻訳が主な活動でした。
ー発展途上国を支援する団体を作ろうと思ったきっかけはなんですか?
高校の尊敬している英語の先生です。
「偶然に、多かれ少なかれ裕福な家庭に生まれてきた君たちは、たまたまなんの罪もないのに貧しい家庭に生まれてきた人々のことを常に意識しなければいけないよ。」
という言葉や授業をきっかけに貧困に関心を持ち、卒業後は私たちも貧困の問題解決のための歯車になりたいと感じたからです。
ーなぜ貧困の問題解決で図書館建設をしようと思ったんですか?
実は最初から「図書館建てよう!」と言ったわけではないんです。
「この子たちの力になれれば」という思い一心で、日本で普及されているビデオ授業を提供してあげようとしたんです。
でも、それは「一方的な与えるだけの支援」になってしまいました。
それでは子ども達にはあまり影響を与えることができず、先生方も「こういうことをして欲しかったわけではないんだよなあ」って顔でした。
その時やっと、「双方向的な支援」の大切さに気づいたのです。まずは、現地の人と話し合って、そこでの本当のニーズを最優先に支援していこうという指針が決まりました。
その指針というのは、「カンボジアの子どもたちにインプットとアウトプットの機会を与えるかんきょうをつくること」です。
なぜなら、彼らは読み書きは勉強しても、アウトプットする環境がなかった。
日本で育ってきた私たちには、図書館があって、常に読める本があって、知識を広めることができる。
このKFKO孤児院の生徒たちが、自らの可能性を広めていくことのできる環境づくりに貢献しようと図書館建設が始まりました。
ー押し付けるのではなく、あくまでも選択肢を増やしてあげるという形の支援に改善されたんですね。先進国のような環境が整っていない場所は数多くあると思いますが、なぜカンボジアのKFKO孤児院を選んだのですか?
これは孤児院の先生との出会いで決まりました。知識も人脈も何もなかった私たちは2016年の夏にベトナムでのスタディツアーに参加し、その後カンボジアとタイにも訪れました。この時、カンボジアにあるKFKO学院の先生と親しくなり、話を聞いてみると
「KFKO学院は英語を教える学校と併設されて、たった二人の先生に対し約60人の生徒たちがいる。
先生たちに十分な給料がないため、トゥクトゥクドライバーとして働きながらの孤児院運営や一日4コマの授業と、負担がとても大きくなってしまっている。
そして図書館がなく、数冊ある本も活用されていない。
孤児院運営資金が足りず、食料が十分に確保できていない。」
と現在の教育や労働環境に問題があるとのことでした。
これを聞いて、「ここの子どもたちの力になりたい」と率直に思いました。
ーなるほど。これまでの活動をしてきて学んだことはありますか?
発展途上国の教育面の現状を知ることができたことですね。
実はカンボジアでは教育の場でも賄賂が主流で、お金があればいい成績を買えることが多々あります。この現状を目の当たりにした子供たちは、いかに勉強を頑張ったとしてもいい成績が取れないということで教育に希望をなくしてしまいます。
生徒と向き合うときは、「君たちにはこんな大きな問題だって変えることのできる力があるんだよ!」という姿勢が大切なのだと学びを得ました。
ー記憶に残るエピソードがあれば教えてください!
とても印象に残ったのが、出会いの連続によって訪れたチャンスについてですね。
KFKO学院の近くにあるパナストラ大学で教鞭に立っている日本人の先生と仲良くなる機会があり、その先生からサッカー試合のチケットをいただいたんです。子どもたちと観戦後、ファンサービスタイムで日本人の関係者にKFKO学院の中で将来サッカー選手になりたい生徒たちを紹介し、近いうちにできるユースチームへ誘っていただけたのです。
普段デコボコの校庭でサッカーをしていた彼らにとって、最高の環境で練習をさせてもらえることが決まるかもしれないのです。
それまで夢を追いかけることをためらっていたサッカー少年たちの目が輝いていたのが印象的でした。
ーより多くのKFKO学院の子供たちに希望を与えるために、今後のIUYLのビジョン、目標などありますか?
ビジョンとしては、およそ10、20年といった長期間でKFKO学院の支援を続けて、いずれは私たちの助けがなくても現地の人だけで運営できるようにしたいです。
目の前の目標としては、IUYLのメンバー人数を増やすことです。団体は計9人、今年3年目で比較的若い団体です。今後長期間で活動するためにもより多くの新入生が必要になります。
あとは、図書館が近いうちに完成するので、それを使ってIUYLのメンバーたちとKFKO学院の子供たちがお互いに刺激しあうような関係、ある意味「ギブアンドテイク」ができるような関係にしていきたいですね。
具体的には私たちが集めて翻訳した本を積極的に読んでもらい、その知識を「ビブリオバトル」などのイベントでアウトプットするチャンスを作ります。生徒たちと日本に帰った後も交流を続けるために、Rocketbook社のeverlastノートで手書きのレターをバーコードで一瞬でスキャンし送る機能を使い、金銭面や距離面での問題を乗り越え、より温かみのある現代的な文通も考えています。
ーIUYLが支援、KFKO学院の子供達がアウトプット、それをみてまた支援、またアウトプットといった好循環を作ろうとしているのですね!このような目標に向かって突っ走っている馬場さんから、ほかの大学生へのアドバイス、メッセージなどお願いします!
歴史を振り返ってみても、最初に動き出して、革命の引き金になるのは、学生、若者だと思います。
私自身このような活動をして「学生には継続性がない」「自己満足的な支援」と頭から決めつけてくる大人の方々にもたくさん会いましたが、
本当に自分たちは「そんなことない!」って自信があるならば、その言葉に負けて活動を萎縮させないで、どんどんやっていることを続けていってほしいです。
ーありがとうございました!
Inter University youth League ホームページ: https://iuyl.localinfo.jp
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