インカレ/サークル/学生団体

全ての人のための”safe space” / ICU PRISM【インカレ学生団体】

皆さんは”差別”と聞いて何を思い浮かべますか?

先日アメリカで起こった黒人男性に向けた差別による悲惨な殺害事件のことを思い浮かべる方が多いかな、と勝手ながら考えます。

悲しいことに、今日社会には様々な種の差別が蔓延っています。肌の色、セクシュアリティ、出身地など… これらの差別は意識的であれ無意識的であれ、多くの人々を深く傷つけているという事実があります。

今回は、ジェンダー・セクシュアリティに主な焦点を起き、人々の”平等”のために日々活動しているICU PRISMさんに取材をしました。

ICUとついていますが、PRISMさんはインカレの団体で、ICU以外の大学の方もメンバーとして活動してらっしゃるので、是非この記事を読んで頂けたらと思います。

-ICU PRISM が掲げている目標・モットーは何でしょう?

私達はまず、”ICUを全ての生徒にとってのsafe spaceにする”という目標を掲げ日々活動に従事しています。具体的には、教員によるハラスメントや誰かを傷つけてしまうような発言やノリを無くすことを考えています。モットーとして、”知ること”を大切にすることを掲げています。メンバー間で知識を深め合うことは勿論、身の回りの人にもジェンダー問題について知ってもらうために、情報発信することや、ジェンダーのことを話しやすくする環境作りを意識しています。

-ICU PRISM はどのようにして設立された団体なのですか?

現在ICUの2年生のメンバーの1人を中心に、新入生オリエンテーションで、ドラッグやお酒に関する強制参加の講義はあるのに、性的同意、性暴力、セクハラについての講義は一切無かったことに違和感を覚えたのをきっかけとして興った団体です。

-今まででの活動の中で一番刺激的だった活動は?

日比谷元学長に対して、SOGI(性自認、性的同意)の多様性に関する学長共同宣言に参加したことは、一団体としてとても大きな経験となりました。それから、先日行ったオンラインでのディスカッション会には、ICUの生徒は勿論、他大学の方もたくさん参加してくださって、とても印象に残っています。暖かい雰囲気でジェンダー問題について話ができ、ICU PRISMがインカレの団体となり、他大学の生徒もPRISMに加入してくれた1つのきっかけとなっていることと思います。またディスカッション会を通して、あることに対して知らない人がいるかもしれない、という可能性を無視してしまっていた、ということに気づくことができました。例えば横文字を解説無しに多用してしまうと、会話についていけなくなる人もでてきてしまうということです。

-ICU PRISM として色々な活動に従事することにどのような価値を感じていますか?

私達は、例えばフェミニズムとセクシュアリティ、といったように各メンバーが色々な分野から”差別”に目を向け、活動を行っていますが、それでも”1つの団体”として活動しているということに意味を感じています。色々な視点を団体として持つことで、巻き込むことのできる外部の人達の幅も広がりますし、本当の意味で全ての人々のプラットホームになれるのではないかと考えています。

-ICU PRISMとして考える、学生としてできる差別問題へのアプローチの仕方を教えて頂けますか?

self-educate、常に自ら学んでいくことを意識することが大切だと考えます。SNSや授業で貰う文献など、身近なツールを利用して情報を得ることができます。self-educateを続けるモチベーションとして私達は、どんな人であっても自分が加害者になる可能性があるということを意識するように心がけています。また、あくまで”学び続けていく存在”としての情報の発信の仕方についても考えています。

-もし今の日本または世界の学生に声が届くなら、何を一番に伝えたいと思いますか?

人種差別にしても、ジェンダーやセクシュアリティにおける差別にしても、権力関係の中に生きている限りどの人にとっても自分自身と切り離せないモノです。当事者であることの意識を持ち、あらゆる社会問題、また、それらに関する発信に関心を持ってほしいです。

-ICU PRISM として考える、”差別”という視点から見た今日の日本はどのようなものですか?

アライ(権利を支持し、すべての人の平等を推進する人のこと)が少ないのではないのかと考えました。私達の発信を通して、少しでもアライの人が増え、社会に根付く差別問題に対して声をあげやすい環境が整えばいいなと思います。

-記事を読んでくださっている方に、ICU PRISM の魅力を言葉一つで紹介するとしたらその言葉は何でしょう?

safe space” です。私達は、PRISMをメンバーにとっても、外部の人々にとってもホッと安心できるような場所にしたいと考えています。一緒に学んで、一緒に間違えて、そこからまた一緒に勉強して… 知らないことが沢山あっても大丈夫、皆で一緒に頑張れる、そんな団体です。

本日はありがとうございました!

編集後記

元々ジェンダーについて勉強したいと考えICUに入学することを決めた自分にとって、ICU PRISM さんは直ぐに目にとまる学生団体でした。イベントに参加することを通して感じた暖かい雰囲気の他に、インタビューを通して、”平等”という一つの目標に向かう団体の強い絆を感じました。こうして今日、記事でそんな素敵な団体を紹介することができてとても嬉しく思います。何か学生団体に入ろうか迷っている方、ジェンダーに興味がある方、また何か一つの目標に向かって頑張ってみたいと思う方、是非 PRISM さんを覗いてみてはいかがでしょうか。ICUと名前に付いていますが、ICU以外の大学からの方も数名いらっしゃるそうです。とても暖かく迎えてくれることと思います。

ICU PRISMは、ICUをすべての人にとってのセーフティスペースにするという目標のもと、ICUのID23(二年生)5人によって設立された大学公認学生団体です。PRISMという名前は、一本の光がプリズムを通して多様な虹色の光になるように、私たちの活動を通して、ジェンダー・セクシュアリティにおける一つのあり方から、多様なあり方が表象される社会になることを願ってつけました。また、虹色はLGBTQコミュニティのシンボルカラーであることから、マイノリティへの連帯も示しています。現在は、プロジェクトベースでSNSでの情報発信、ポッドキャスト配信、性暴力・セクハラの実態調査などを並行して行っています。

 

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