好きを見つけよう

地域の魅力に触れてみる/地域おこし協力学生団体 Your Local Club

皆さんの出身地はどこでしょうか?今日、日本の自治体の多くは人口減少の問題を抱えています。今回は、「地域をもっと活気を与えたい!」「魅力を知ってほしい!」と活動している学生団体『地域おこし協力学生団体 Your Local Club(以下、YLC)』を取材致しました。本日は前部長で現在親団体Japan Glocal Alliance副代表の西川さん(写真右)と団体創設者の武藤さん(写真左)にお話を伺いました。

 

YLCとは

YLCは、「Japan Glocal Alliance」という東京大学の届出学生団体に所属しています。その内部団体には、YLCの他に、「東京大学 国際協力学生団体 GREEN HEARTS」「東京大学 お天気愛好会」という団体も所属しています。YLCのメンバーは約40名で、メンバーの3割が東大生です。設立当初から、「食」と「観光」をテーマに、新潟県の越後妻有地域の地域おこしをメインに活動しています。現在は加えて、「農村(=越後妻有)」「地方都市(=宇都宮市)」「都会(=本郷地区)」の3つを対象とすることで、地域おこしの手法の違いを実践的に学ぶことを目的としています。

 

 

 

 

 

 

西川さん

出身地は静岡市で、昨年共立女子短期大学2年生の時に、弊団体の部長をしていました。そして学校を卒業し社会人となった現在も団体に関わっています。ずっと静岡市で育ち、海も山もそばにある環境が当たり前だと思っていました。しかし、進学を機に上京すると、都会ではわざわざその場へ行かないと接する機会がないため、地元の素晴らしさを再認識し、地域を盛り上げる活動に興味を持つようになりました。YLCに入ってから初めて越後妻有の存在を知りました。そのため思い入れも初めはあまりありませんでしたが、活動で何度も視察に訪れ、現地の人々と交流することで、越後妻有を好きになりもっとたくさんの人に魅力を伝えたいと考えるようになりました。

 

 

どうして、越後妻有にスポットを当てて活動しているのでしょうか?

武藤さん:東京大学公共政策大学院で自治体行政について主に学んでいたので、学習したことを何か実践しようと思っていました。大学院の同期の桑原悠さんが彼女の出身地である新潟県の津南町を盛り上げるために、有限責任事業組合をたちあげようと誘われて、自分も何か手伝えたらいいなと思い、一緒に活動していました。しかし、人数が少ないと、出来ることにも限りがあると感じ、二人だけでなく学生を巻き込んだほうがもっと範囲の広い活動できるのではないかと考え、YLCをたちあげました。現在は、東京大学で職員として勤務しながらこの団体の運営を行っています。なお、桑原さんは現在津南町の町長をしています。日本で最年少の町長だそうです。

 

 

 

 

 

具体的な活動内容について教えて頂けますか?

・越後妻有活動

  • 野菜市

5月から10月の間、毎月第三土曜日に埼玉県所沢市にある特別養護老人ホーム「ケアカレッジ」の玄関前の一角で、津南町直送の野菜や山菜、果物、お菓子などを販売しています。「ケアカレッジ」の施設を運営する社会福祉法人苗場福祉会と桑原さんの繋がりが縁で野菜市を開催しています。広報は、主にメンバーが、ツイッターで告知を行っていますが、評判はとても良いく、常連のお客さんが口コミで広めてくれていることもとても大きいです。珍しい野菜や山菜も多いので、当日は野菜を販売の他に、野菜ごとの調理法も伝えています。

 

  • 大学祭

「食」と「観光」をテーマに五月祭と駒場祭の両方で、「越後妻有の魅力を伝える展示やYLCの活動紹介展示、越後妻有の食の販売をカフェ形式で開催しています。津南町で地元の食材を使ったお菓子を販売されている「ママのおやつ」さんのシフォンラスク・メレンゲ・津南の天然水を使ったゼリーなどや、十日町市の「スノーデイズファーム」さんの干し芋や魚沼産コシヒカリの新米などを主に販売しています。今年度からは越後妻有をイメージしたメンバー手作りの「ゆきぐにアクセサリー」も登場。お客さんに展示をゆっくり見てもらうことで、越後妻有やYLCの活動に興味を持って頂けたら嬉しいなと思い企画しています。過去には越後妻有の方言の意味を当ててもらう展示をしたこともあり、大盛況でした。野外テントでの販売も考えたことがありますが、活動の説明をするには屋外より教室のほうがお客さんに沢山の資料をゆっくり見てもらいやすく魅力が伝わりやすいこともあり、屋内出店しています。他の地域おこし団体は、その地域で農業体験をしたり、自分達で作った野菜を販売したりすることが多いですが、YLCは、「食」と「観光」をテーマに越後妻有の地元品を販売したり、観光地を紹介したりすることで地域の魅力を発信しています。

 

  • 視察旅

年に2回程度、メンバーが現地を訪れます。現地の人々との懇談を主に、観光地やグルメを楽しみ、その内容を主にツイッターやfacebookに載せたり、意見書・提案書を津南町の桑原町長に提出していたりします。現在は、現地の行政とつながった活動はないですが、今年の3月の視察旅では桑原町長と懇談し、津南町の人々と何かを一緒に行いたいという話をしました。YLCの実働メンバーがまだまだ少ないので、現地の方と協力した方がより幅広い活動ができると感じています。東京での越後妻有の認知度は低いため、今後東京でもイベントを開催したいと考えています。

 

・BUNKYO MACHITABI

東大本郷キャンパスがある文京区には、江戸時代や明治時代からの歴史を感じさせる町並みが残っており、これらは貴重な観光資源です。こうした文京区の魅力を学生目線で「発見」「発信」していこうというユニットです。まずは実際にまち歩きをして、写真を交えた記事をネットにアップして情報発信していきます。その後は気になったお店などにインタビューをさせていただき、それも記事にしてアップするほか、手作り観光マップを作成して学祭などで配布する予定です。また、将来は文京区役所とも連携した活動ができればと思っています。

・宇都宮市協働プロジェクト

宇都宮市役所の観光交流課から直接メールで、「宇都宮に若者をもっと誘致したいので学生目線から宇都宮の魅力をとらえなおしてくれないか」と連絡をいただいたのがきっかけでスタートしました。行政とのつながりや関わりを実際に持つことで、越後妻有の活動でも何か活かせたら良いではないかという声がメンバー内から挙がり、引き受けさせていただきました。テーマが「観光」ということで、越後妻有の活動とリンクしたという理由もあります。

西川さん:私の地元の静岡市も宇都宮市も駅に新幹線が止まり利便性もありますが、一方で目的地への通過点にもなりやすいという共通点があります。県庁所在地で知名度もそこそこあり、実際には有名な食や魅力的な観光場所も存在しますが、近隣の観光地に比べ、まだまだ魅力発信が弱いからなのではないかと感じています。新幹線が通れば、その地域も栄えると思いがちですが、利便性があるがゆえに日帰りでも充分に楽しめるため、駅周辺のホテルの宿泊客は観光客というよりビジネスマンが多いのが現状です。だからこそ、PRを工夫してより多くの観光客に来ていただき、地域活性に繋げていければいいなと思っています。

 

 

・わたしのふるさと

月に1回のペースで、メンバーの地元や親戚の住んでいる所など、ゆかりのある地域をnoteというSNSに写真付き文書で紹介していく活動も行っております。

 

活動を通して大変なことは何でしょうか?

様々な大学の学生や社会人が在籍しているので、なかなか皆で集まって活動出来ません。いつ活動するかをみんなの予定をすり合わせて調整していますが、毎回難しいです。頻度としては月2~3回程度活動しており、平日の夜にミーティングを行うことが多いです。

また、情報共有の難しさも感じており、YLCの団体カラーに合ったやり方を日々試行錯誤しています。

 

 

 

 

 

大学生に向けた一言をお願いします。

西川さん:とにかく積極的に行動することが大切です。自分は2回生で、就活と卒論と部長として非常に忙しく活動しました。人数も増え大変忙しかったですが普通の人にはできない貴重な経験をすることができ、今もとても楽しいです。また、インカレに対してあまりいいイメージを持っていない方もいると思いますが、一歩踏み出して探してみてください。きっとあなたにあった学生団体が見つかり、そこで様々な体験をしながら、多様な価値観に触れることで、視野も広がるはずです。

 

 

編集後記
地方では都会ほどいろいろなものがないため若者の人口流出や人が集まりにくいという問題を抱える地域や自治体が多いです。しかしYLCの皆さんのように若者が地域に目を向け情報を発信し、盛り上げている団体があることはとても頼りがいがあるなと思いました。

 

 

 

 

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