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早稲田発サステイナブルファッションを考え行動するインカレ学生団体/Rethink Fashion Waseda/ReF

こんにちは、ヒナです。今回は早稲田大学発のインカレ学生団体、Rethink Fashion Wasedaさんのインタビュー記事です。サステイナブルファッションに関する情報をインスタグラムを通して発信されています。ファストファッションの問題点や私たちにできることをお話していただきました。

Rethink Fashion Waseda(ReF)
「サステナブルファッションをライフスタイルに」をモットーにファッションを通じて持続可能性を推進する学生団体。活動内容はSNSにおける情報発信とコミュニティ作り。
Rethink Fashion Wasedaインスタグラム

 

今回取材を受けてくださった、山口さくらさん(左)と五十嵐文桜さん(右)

 

五十嵐文桜
早稲田大学国際教養学部4年生、国際開発学専攻。ReF代表。ファッション業界の裏にある厳しい現実を知り、サステナブルファッションを広めることを目標にアメリカUCLAに留学し、現地でのクラブ活動や環境NPO団体における署名活動などの草の根活動を経験。帰国後にReFの立ち上げ及び運営に努める。

 

山口さくら
早稲田大学国際教養学部4年生、経営学専攻。ReF副代表。十歳まで北米で育ち、環境や人権問題について知る。ファストファッション店員を経験。アメリカ留学を経て改めて社会問題への意識の差を身に染みて感じ、友人らとReFの立ち上げと運営に携わっている。現在は、サステナブルファッションブランドAllbirdsのretail ambassadorを勤めている。

 

ReFってどんな団体なの?

ーReFとはどんな団体ですか?

さくら:「サステナブルファッションをライフスタイルに」をモットーに、ソーシャルメディアを通して明日から始められるファッションをベースにしたサステナブルなライフスタイルを提案する学生団体です。それに加えてファッション業界の抱える社会問題などのトピックも扱っています。発信以外には、コミュニティとしてみんなで意識を行動に移し、さらなる仲間を増やしていこうとしています。


ー活動を始めるきっかけは何ですか?

ふみ:日本社会において、サステナビリティに対する意識を広めていきたいという想いで友人を集めて始まりました。まずは学生にアプローチしたいと考えたので、同じ大学の友人と一緒に早稲田発の学生団体として立ち上がりました。現在はコミュニティを拡大し、サステナブルファッションに興味のある仲間であればどの大学からも参加できる学生団体になっています。

 

ーインスタグラムでの発信が主な活動内容だと仰っていましたが、発信するネタやそのソースなどはどのようにして選んでいるのですか?

さくら:投稿する企画は「コミュニティとして」ということを大切にしているので、一ヶ月前に投稿したいことやしたい企画を提案し、それを全員で話し合いながら決めています。メンバーそれぞれが興味のあることを調べたり、それにファッションに絡めたりしながら投稿を考えます。また、他団体の方とのコラボ、アースデーや国際女性デーなど国際デーに関連した投稿を作るなど、各メンバーがさまざまなことにアンテナを張りながら活動しています。

ふみ:リサーチ方法は人によって違いますが、私の場合は、主に海外の信頼できる情報機関から情報を集めていました。最近になって、環境省でファッション業界について調査するタスクフォースが結成されて日本のファンション業界における環境問題などの現状がデータとしてわかるようにはなっていますが、日本のソースだけでは断片的である場合もあるからです。

 

ーSNSで情報を発信する際に、意識していることや大切にしていることを教えてください。

さくら:私の場合は見易さを大切にしています。インスタグラムでの情報発信が活動のメインなので、ReFの投稿を見たときに興味を持てたり、敷居を低く感じることができたりするように意識しています。「投稿が可愛い」とか「この服が可愛かった」など些細なことをきっかけに興味を持ってもらえるような見易さと情報の厚みを心がけています。もう一つReFで大切にしていることが十人十色、メンバーがそれぞれのやり方でサステイナブルファッションを楽しむということです。例えば、投稿のキャプションは何かを否定するものではなく、選択肢を提案するようなものにするなどです。

 

 
 
 
 
 
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ふみ:また、投稿が分かりやすくても見る人に興味を持ってもらえないと問題の解決に繋がりません。そのために、親やすさが大切だと考えており、私たちが学生団体であることがその親みやすさに繋がっていると考えています。実際に大学生が取り組むことで「私もやってみようかな」と思えるきっかけになると思っています。

 

ReFとファストファッションについて話そう

ーファストファッションは環境問題だけでなく、開発途上国での労働力の搾取など倫理の観点からも問題視されていますね。

ふみ:より多くの人に知られるべき大きな課題の一つに企業のコスト削減を第一にした生産方法があります。例えば、ファストファッションブランドのシャツを買った時に、そのうちのいくらがTシャツを生産している労働者に支払われているのか、どのように工場で保管されているのか、なぜ安いのか、崩れやすい素材が使用されているのではないか、というようなファストファッションの現状です。このような課題を一人ひとりが細かく分析し、自分ごととして捉える必要があると思います。

さくら:ファストファッションの需要があるから供給として成り立っているのも観点の一つとしてあります。消費者の行動があるから企業が成り立っていて、ファストファッションを考える上で、消費者の行動を見直すきっかけを与えることをReFが担えたらいいなと考えています。

 

ーさくらさんはファストファッションメーカーで勤務の経験があるそうですね。

さくら:私が働いたファストファッションメーカーは、色やサイズののバラエティをいかに多く作るかを重要視することでトレンドに追いつかない色などの分析しきれないまま全部一律で生産し、コストは削減できるものの、余る服が多くなってしまうという問題を抱えていると聞いたことがあります。このように企業側からの供給として見直すべき点もあると考えています。

さくら:実際に働いてみることで、倫理的な問題や環境負荷を課題として捉えるようになりました。これまでファストファッションが存在し続けてきたということは、これからも共存する必要があると思っています。そこで、私がアルバイトをしていた企業のサステイナブル推進部の人とお話しする機会がありました。ニュースや文献を読むだけでなく、実際にファストファッションの業界で働いている人にお話を聞くことで、その企業がサプライチェーンを見直そうとしているなど問題意識を持ってそれに対して解決策を考えていることを知り、一概に否定できないと思いました。ファストファッションと共存しながら、ファッションを選択肢の一つとしてファストファッションを捉えることが大切だと思います。

 

服は安い方が良い??

ーファッションに限ったことではありませんが「安い=良い」という考え方に違和感があります。

ふみ: 「安い=良い」と人々が考える主な理由として二つあると思います。一つは、価格帯が安くないと買えないという経済的な理由で、これは低価格のものを選ぶことは正当だと思います。もう一つは、限りがあるお金でより多くの服を買いたいという考え方が浸透しているからだと考えます。特に大学生の場合、バイトをしてそのお金でより多くの服を買って周りの人に良く見せないといけないと考えている人が多いのではないでしょうか。私もそのように考えていました。私のその考え方が変わった一番大きなきっかけは、実際にファッションの裏側にある、環境汚染や人権問題などを知ったことです。また、ファストファッションを愛用していましたが、洗うときに水が真っ黒になったり、数回着ると形が崩れたりしたことを経験し、違和感を体感したことも考え方の変化に繋がりました。

ふみ:このような課題をニュースを通して見た時と、ReFを通して見た時だと受け取り方が違うのではないしょうか。ニュースを通して見たときに「わあ大変そうだなあ」と思うのに対し、身近な大学生が「こんな課題があるよ」と話したときに「気になる」と感じる人が多いのかなと思っています。自分の周りの人や同じ立場の人がこういった課題に取り組んでいたり、お互い話しあったりなど、実際に経験することで周りの人も変わるきっかけになればと考えています。

 

 
 
 
 
 
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ふみ:「安い=良い」という考え方は多く買いたい欲望に繋がっていると思います。トレンドがあるからそれに追いつきたい、その毎シーズン変わるトレンドについていくためにはたくさん買わなければいけない、そうなると安く買わなければいけなくなります。ファッションの意味合い自体がトレンドだから、そのような流れができてしまうのは当然なので、一人一人のトレンドとの付き合い方も重要になってくると思います。

さくら:自分が本当にしたいファッション、自分が好きなファッションを貫くことは簡単じゃないかもしれないですが、これもファッションを心地よく楽しむための向き合い方の一つかもしれませんね。

さくら:消費者が変わる必要があるのと同時に、企業も変わる必要があると私は考えています。そのため、「安い=良い」という考え方を供給している企業側からの視点でお話します。「安い=良い」という風潮が生まれたの原因の一つにファストファッション業界では大幅な値下げが頻繁に習慣的に行われていることがあると思います。それがが消費者の行動として自分の利益になるから「安い=良い」とか「安い時に買おう」となると思います。社会の風潮や人々の考え方を変えるためには双方からの歩み寄りが必要で、この問題の場合は消費者から、そして企業側からも歩み寄らないと同じゴールに到達しないと思っています。その供給側の変われる部分として、安さだけを服の価値とするのではなく、現在付加価値とされている部分、例えば素材や原産国の良さ、作り手と使い手の繋がりなどを商品のコアな価値とする素、ことで、企業と消費者の考え方・行動がマッチして「安い=良い」が社会風潮として変わり、服を買う動機も変わっていく秘訣になるのかなと思っています。

 

どうやったらうまく伝わるの?

ー友達とショッピングに行った時にファストファッションのネガティブな面を伝えてみたのですが「何を言ってるのかわからない」と言われた経験があります。どのように話せば伝えることができたのかなって考えるのですがよく分かりません。

ふみ:人に何かを伝えたり、心を動かしたりすることは難しいですよね…。私も伝えたときに「どうでもいい」と言われた経験があります。

 さくら:ファッションの環境問題や人権問題は「他の国で起こっていること」という意識が強く「自分ごと」として捉えにくい問題なんだと思います。日本という恵まれた環境で育ち、環境問題が生活に影響する地域で生活していないと、環境問題を提示されてもそれが自分にどう影響を与えているのか分からない場合が多いのだと考えています。それでも、話そうと思ったことが大きな一歩だと思います。例えば、おすすめの化粧品を友達に進められると買いたくなることってありますよね。知らない人に何かを説明されるより、友達と話すなかで知る方が親近感が湧き「自分ごと」として捉えやすいと私は考えています。そのため、うまくいかなかったとしても話題に挙げてみたことは素敵なことだと思います。

ふみ:いきなり環境問題の話をしても、興味がなかったり共感しなかったりすることがあります。でも、たとえば車が好きな人に「エコな車ってかっこいいよね」というように、その人の興味分野を切り口にしてそこから攻めていくことで、少しずつその人の考え方を変化させることができるのかもしれないですね。

 

私たち大学生にできることって?

ー大学生が社会問題に対してできることを教えてください。

さくら:私たちはこれまでよりすごく声を上げやすい時代に生まれていると思っています。一個人の声が尊重されたり、考え方が伝えやすかったりするその強みを活かして大学生ができることは、自分のしていることを発信したり、他の人に伝えていくこと。まず自分が知って、自分が行動に移して、それから自分が周りに共有することを進めていくのができるのが大学生の強みだと思います。そのきっかけがReFになったらいいなって思っているし、今大学生の人たちが社会人になったら上のジェネレーションの人たちに影響を与えることもできるしいい循環を作ることができるのかなと考えています。

ふみ:デジタルな時代だから、自分の興味あることや好きなことだけをフォローして見られるようになっています。しかし、自分が興味あることしか目に入らなくなり、社会の全体が見えなくなるという課題もあります。そのため、少しでもいいので自分がこれまで知らなかったことに踏み出してみることが大事だと思います。私もまだまだなので、色んな人のお話を聞いていきたいと思います。

ReFメンバー

ー大学生へのメッセージをお願いします。

さくら:サステイナビリティを考える上で一番大切なのは自分のメンタルヘルスやウェルネスを保ちながらファッションを楽しむことだと考えています。色々な現状を知り、自分が自分らしく楽しめるファッションの方法やサステナブルライフスタイルを模索するきっかけにReFがなれていたらいいなと思っています。環境と社会と自分という3つの軸があり、環境などについて学んでいると自分軸から離れてしまうこともあるかもしれませんが、その軸を両立・相互作用させながらすることが大切だと思います。

ふみ :環境問題や人権問題などの社会問題は一見理解できないように見えたり、難しく捉えてしまったりするかもしれません。私もそうでした。しかし、自分が興味を持っていることと結びつけて考えることで、自分も楽しみながらその課題について知ることができるのではないでしょうか。

 

ーReFのお二人へのインタビューはここまでです。ありがとうございました。

 

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gakuseikichi

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