こんにちは、ヒナです。久しぶりに学生団体に取材をしてきました。
今日の記事で紹介するのは「日韓学生フォーラム」という、日本と韓国に支部がある学生団体です。
代表の国際基督教大学2年の玄基正(ひょんきじょん)くんにインタビューしました。
自分のルーツが韓国にあって韓国の社会や文化、歴史に興味がありました。また、今の日韓関係は友好であるとは言えず、色々な問題を抱えています。その中で、同世代の韓国の大学生がなにを考えて、なにを日本に対して求めているか、共有できる機会がほしいと思ったのがきっかけです。
ーーなるほど。どんな活動をされているのですか?
日韓学生フォーラムでは8月に2週間程度の「メインフォーラム」を開催します。そこでは、日本と韓国の大学生が寝食を共にしながら、ディスカッションやフィールドワークを行ったり、様々な有識者の方を招いて招いて話を聞いたりして一緒に日韓のことを学びます。それ以外の時は、日本側、韓国側とでそれぞれ活動をしています。
メインフォーラム
国内の活動では、月に2~3回集まって、本を読んだり、専門家を招いてお話を聞いたりして、次のメインフォーラムに向けて学んでいます。また、日韓に関する団体もたくさんあるので、そういうところとも連携するなど、外部の団体との活動もあります。
普段の勉強会の様子
ーーメインフォーラムはどこで開催しているのですか?
メインフォーラムでは一年ごとに韓国と日本で交代しながら開催しています。10月が活動のスタートで、8月のメインフォーラムで一期が終わるという流れです。
ーーメインフォーラムで行うフィールドワークではどこへ行くのですか?
一昨年の韓国開催時は、北緯38度線という韓国と北朝鮮との国境や、植民地時代の博物館に韓国の学生と一緒に行きました。日韓の政治問題は歴史と強く絡んでいるため、歴史的な場所に訪れることが多いですが、それだけでなく、市場や観光地にも行きました。
ーー今年はコロナウィルスの影響がありましたが、メインフォーラムはどうなったのですか?
今年は韓国開催だったのですが、渡韓できませんでした。今まで勉強してきたことを何もせずに終わらせるのはもったいないので、オンラインメインフォーラムという形で開催しました。それぞれが社会、文化、歴史などテーマに分かれてプレゼンテーションをし、そしてディスカッションを通して日韓の学生の意見を共有し合いました。また、問題に関する専門家を呼び、話を聞くなど、できることをやりました。実際のメインフォーラムでは寝食を共にしますが、それはできないのでオンラインで話し合ったり、ゲームをするなどして親交を深めました。最初は今年のメインフォーラムの開催は不可能だと思っていましたが、上手くいってよかったです。
ーー活動を通して感じたことを教えてください。
メインフォーラムのディスカッションで僕は歴史のグループで参加しました。韓国側は「日本に侵略された」という意識があるため、そのようなテーマでの活動の時は日韓の間で若干のズレが生じていると感じることがあります。みんながそうというわけではありませんが、韓国の学生の方が感情的になってしまうことがあります。教育が違うので歴史観も違います。そういう時は冷静になってディスカッションをして、客観的に物事を捉えなければいけません。しかしそれは時に難しいことであり、それを乗り越えることが私たちの活動のテーマでもあります。
ーーそうなんですね。日韓の交友関係を築くことはこれまでも長い年月がかかってきたし、これからも解決に向けてとても長い年月がかかると思います。日韓の交友関係のために日韓学生フォーラムとしてなにができると思いますか
日本と韓国では根本的な教育が違います。例えば韓国では、日本の植民地時代のことを高校の時に何日もかけて集中的に習います。しかし、日本ではそこを同じように集中的に習うわけではなく、歴史の一部として簡単にならうだけです。そのため、だから意識の違いは必ず出てきてしまいます。韓国の学生は潜在的な被害者意識や日本に対する敵対心が生まれてしまうこともあります。
解決することはすごく難しいし、外交的にも政治的にもあまり友好とは言える状態ではありません。しかし、日韓学生フォーラムで、私たち学生など若者が互いにコミュニケーションを取り、お互いの考えをシェアしたことで、お互いの良いところに気づけます。私たちの活動を通して発信していき、次の世代にも興味を持ってもらい、日韓の互いの良いところも伝えていけるよな活動をしたいと思っています。
ーーそうなんですね。では、活動を通して学んだことを教えてください。
日韓関係の問題を勉強できるっていうのはもちろん、他国の同世代の人々と話ことで学ぶことはたくさんあります。韓国に関わらず、他国の同世代の人々と国境を越えて英語でコミュニケーションを取る機会はあまりありません。日韓学生フォーラムは、日本で生きているだけでは得ることのできないような経験や考え方を知る機会になります。また、日本で生活してきた中でできてしまった偏見や認識に、ちょっとしたコミュニケーションから気づくことができます。それは本当に楽しいことだし、日本で生きてきて、そのような経験をすることは多くないので、他国の人々と話せるということは視野が広がっていると実感しています。
ーーまた、活動始める前と今では心境にどのように変化しましたか?
日韓関係が悪いので、最初、韓国の学生は日本に対して悪いイメージを持っているんだろうなと心配していました。しかし、オンラインメインフォーラムを通して話すと仲良くなれ、今でもコミュニケーションを取っています。
ーーそうなんですね。では、日韓学生フォーラムの活動をより多くの人に知ってもらうためにしていることはありますか?
認知をあげるために、SNSでネットワークを広げていき、自分たちの活動を広め、一緒にやりませんか?と発信しています。新聞や動画配信ツールなどのメディアに呼んで頂くこともあります。また、日韓学生フォーラムに所属しているメンバーがいない大学の教授にお願いして生徒の人たちに宣伝をしていただくなどしています。
ーー日韓フォーラムでは、どんな学生が参加しているのですか?
基本的にはもともと韓国に興味がある子などが多いのですが、どこの国でもいいから違う国の人と話してみたい。とか、大学に入ったけど何か一つのことに一生懸命取り組めていないから。韓国のK-popが好きでそこからもっと勉強したいと思たから。など、本当に様々です。日韓学生フォーラムは、何か専門的な知識があって入ったわけではなく、楽しそうだからという理由で入れるような場所です。
ーーちなみに、韓国側ではどのような人が日韓学生フォーラムで活動しているのですか?
韓国の学生は日本語を話せる人が多く、日本に興味がある人が多い印象です。今日本のアニメやドラマが韓国ですごく流行っていて、それがきっかけで日本に興味を持ち、日本について勉強してみたと思っている人や、大学で専門的に日本について学んでいる人がいます。
ーー最後に、日韓学生フォーラムに興味のある人々に向けてメッセージをお願いします。
日韓学生フォーラムでは韓国の文化や歴史について学びたい人が多く、活動もそれに関連することをしています。一番のメインは国境を超えた相互理解です。そのため、韓国の歴史や文化に興味のある人、まだ何かに思いっきり取り組めていない人、国境を越えて同世代の大学生と深い議論をしてみたい人、自分の考えを発信してみたいなと思っている人はぜひ日韓学生フォーラムで共に活動しましょう。お待ちしています。
ーーありがとうございました。
現在日韓学生フォーラムはメンバーを募集しています。興味のある方は、是非下記のリンクをチェックしてみてください。
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