その他の業界

【世間の価値観を壊せ!】最強にカッコいい女性用スーツブランド、ai STANDALONEのデザイナーにインタビュー

こんにちは。真梨子です。先日、大学生になって初めてフォーマルな服を着ました。

「法要に参列する時、高校生までは制服を着て行けば良かったけれど、大学生は何を着て行けばいいんだろう?」

そう考えていた時、両親から手渡されたのは黒いワンピースタイプの礼服でした。しかし私はそのデザインが全く気に入らず、黒いパンツスタイルのスーツで参列することに。会場では私以外の女性はみんな当然のようにスカートを履いていました。

どうして女性はこんなにもスカートが常識とされているのか。

私のスーツにしても、どうしてこんなに体のラインが強調されているのか。

私は違和感を覚えるのでした。

そんなある日、Instagramで見つけたのがai STANDALONEというスーツブランドでした。今まで見てきた女性用のスーツにはないかっこよさに一目惚れし、ブランドを立ち上げた並木愛さんに洋服やファッションに対する思いをお聞きしました。

 
ai STANDALONE(アイスタンドアローン)
「かっこいい服がない。だから作る。」という想いから生まれた、スーツをメインとしたレディースアパレルブランドai STANDALONEのHP:https://aistandalone.com
 
 
並木 愛(なみき あい)さん
株式会社タイニーバード 代表取締役。ai STANDALONEデザイナー。圧倒的に、この世にないもの、やる意味があるものを作りたいという思いから、(生物学的な)女性のためのスーツ専門ブランド、ai STANDALONE を立ち上げる。

 

−ai STANDALONEを立ち上げたきっかけは何ですか?

私は小学生の時からずっとファッションの仕事に就きたいと思っていました。しかしファッション業界に就職することができませんでした。しばらくはファッションとは別の仕事をしていたのですが、ある時その仕事を辞めて、新たなステージにチャレンジしたいと思うようになりました。辞めるのであればもう一度洋服に関する道を目指したいと考え、自分のブランドを立ち上げました。

−なぜスーツのブランドを立ち上げようと思ったんですか?

卒業式や成人式、結婚式に呼ばれた時の女性の服装というのはワンピースやドレスが一般的ですが、私は昔からスカートやワンピースを着ることが好きではありませんでした。着るならかっこよくておしゃれなパンツスーツを、と思うのですが、フォーマルな場面で着用できる女性のパンツスタイルの服はなかなかなく、あったとしても自分の気に入るものがありませんでした。私がブランドを立ち上げる時、世の中にまだないものを作りたいという思いがあり、辿り着いた答えが女性のかっこいいパンツスーツでした。

 

−ai STANDALONEのコンセプトを教えてください。

作る洋服はもちろん、このブランドのあり方や考え方、アイデンティティの全てにおいて最高に「かっこいい」を追求することです。

−ai STANDALONEはどんな方に着て欲しいスーツブランドですか?

人生の荒波を、自分の足で強く立って生きていきたいと思っている人に着てほしいですね。ai STANDALONEというブランドの名前は「自分の足で立つ」という意味なんです。あとは私のブランドのスーツを見て「うわ、かっこいい!」と思ってくれた人に着てほしいです。かっこいいと思ったということは、洋服から何かを感じてくれているはずだから。

 

 

−この世に今までなかった女性のためのスーツを完成させる上でこだわったところや大変だったことは何ですか?

既製服でありながらたった1着から作る、という仕組みの構築にこだわりました。従来のファッション業界の多くは売れるか分からない服を予め作っていますが、それだと必ずロスが出てしまいますよね。私は一着でもロスを出すべきではないと思っていて、そういった既存の仕組みから脱却しなければならないと考えました。そして、生産に関わってくださる生地屋さん、縫製工場さん、お客様、我々スタッフみんながwin-winになれる商品提供の仕組み作りを考え、結果的に受注生産がベストだというところにたどり着きました。

−スーツのデザインを考えるときにどんなことを心掛けていらっしゃいますか?

私の思う最高にかっこいいことを表現できているか、形にできているかが全てですね。お客様のニーズには迎合しません。もちろん、お客様がどうしたら喜んでくれるのかを考えることは大切だと考えていますが、だからと言ってお客様が望むその通りのものを作っていては何も響かないし、感動しない。お客様がお金を出したいと考えるのは、自分が想像していなかったものを目の前で体験できたり、手に取ったりして心が動いたりした時です。だから私は、心から自分の作りたいと思うものを高いクオリティで作り続けています。幅広い層に受け入れられようとも思っていません。狭くても深く心に届いてくれることを信じて服を作っています。

 

−やりがいを感じるのはどんな時ですか。

お客様の反応を直接見られることにやりがいを感じますね。従来の洋服屋さんでは、作り手がお客様に直接商品を販売をすることがほとんどありません。しかしai STANDALONEではデザイナーである私自身が接客をさせて頂いてます。お客様がご来店され、スーツを試着して喜んでくださるのが嬉しいですし、一番のモチベーションになっています。だから、私自身が直接アテンドさせていただくという体制にしてすごく良かったなと思っています。自分が作った服をお客様が目の前で着ているところを見るわけですから、「こういう体型の人だとこうした方がいいのかな」「このテイストの人だとこういう色柄が似合うな」といったことが自分のデータベースとして蓄積されていくんですよね。だから、さらにその後にいらっしゃるお客様に対してもっと良いご提案ができますし、私自身も日々成長、勉強させて頂いてます。

 

−アトリエに来店されたお客様に気づかされたことやお客様との印象的なエピソードがありましたら教えてください。

お客様に気づかされたことは、洋服を作ったプロがきちんとお客様に提案することの大切さと、それをリアルの場でしか体験できないということです。お客様の多くはスーツが欲しいと思ってご来店されるものの、どういうものが自分に似合って、どういうものを自分が着たいのか具体的に分からないんです。お客様が一番かっこよくなれるようお手伝いをすることが私の使命です。そのためには商品を全て網羅し、細部まで情報を頭に入れておかなければなりません。スーツに関して作り手である私が一番詳しいわけですから、きめの細かい提案ができるし、それがすごく大事なことだと思います。接客されるのが苦手な人が多いと聞きます。それは接客されること自体を嫌がっているわけじゃなくて「サイズあります」とか「試着できます」といった、見ればわかる、言わなくてもわかるようなことしか言わない接客なら必要ないと思ってるからなんじゃないかな。例えば、家電が欲しいと思って買いに行った時、どの機種が自分のライフスタイルに合っているのかなんて自分では分からないじゃない。だから家電に詳しい人にどの商品が一番私に合っているのかを教えて欲しい。洋服もそれと一緒だと考えていて。実際、お客様が自分のスーツを決める時、予め着たいと思っていたデザインとは別のスーツを選ばれる方が多いです。プロによる客観的な提案があると、自分が想定していなかった自分に出会えるんですよね。自分の想像していなかったものが体験できるから余計に感動するし、楽しいし、「あそこに行けばまた新しい自分に出会えるんじゃないか」って思ってくれるそれがモノを提供する上で大事なことだと思っています。

 

−小学生の頃からファッションの仕事に就きたいと考えていたそうですが、そう思うようになった理由やファッションに興味を持ち始めたきっかけは何だったのでしょうか。

小学生の時に「ご近所物語」という漫画を読みました。それがデザイナーを目指す高校生の物語で、私が洋服に携わる職業を目指すきっかけになりました。洋服に対してのこだわりは物心ついた時から強くて、親が選ぶのではなく自分で選んだ服を着たかったし、どういうものを着たらかっこいいのか、可愛いのかをずっと考えていました。あと、子どもの頃から仕事にするなら自分の好きなことをしたいと思っていて。だって、人生の半分くらいはこの社会で仕事をして生きていかないといけないじゃない。それほど時間を費やすものなのに、もし苦痛なことをやってたら人生の半分が苦痛になってしまう。それが絶対に嫌だったので、好きなことを仕事にしたかった。自分にとってそれが何かを考えたとき、やっぱりファッションでした。

 

−大学生時代にやっておけば良かったことはありますか?

さまざまな年代の人と関わっておけば良かったと感じています。学生時代、私は同世代の友達とばかり付き合っていたので、自分より大人の人や社会に出ている人と関わることがほとんどありませんでした。違う年代や、違う環境で生きている人と関わるといろいろな価値観や哲学を知ることができます。そうすることにより自分が成長できるし、「そういう生き方もあるのか」ということも知ることができるので、将来の選択肢も増やすことができるのだと思います。

−今の大学生に伝えたいことを教えてください。

私は小さい頃からファッション業界で仕事したいと考えていたので、高校も大学もファッションの学校に行きました。だけど、どこのアパレル会社にも就職できませんでした。むしろ本当に社会で活躍できる人間になりたいなら、少しでも早く社会に出た方が良かったと今では思います。私は実践こそが何よりの勉強だと思っているのですが、学校の授業でそれはできません。だから、何かのスキルを身につけたいと思ったら、早く実践に移すべきです。やりたいことが見つからない大学生って多いと思うけど、そういう人ほどもっと遊ぶべきじゃないかな。楽しいと思えることとか、自分これ得意かもって思うことにまだ出会えてないからやりたいことが見つからないのかもしれないね。

−取材は以上です。並木さん、ありがとうございました!

次回は、並木愛さんとの対談記事です。

☆ファッション関連の記事はこちら

意外と知らない!ファッション業界の裏側とは?!

 

 

About the author

gakuseikichi

Add Comment

Click here to post a comment

新NASA留学2024

ワーキングホリデーin Canada

医療機器業界特集

グッドデザイン特集‼

アルバイトサイト一覧

就職サイト一覧

就職サイト一覧

Contact Us