月夜のからくりハウス
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「平成の見世物小屋」が神田明神にて復活上映!/イベントレポート

2017年に一般社団法人Get in touchが開催した「月夜のからくりハウス~平成まぜこぜ一座~」の記録上映&パフォーマンスが2019年11月30日、12月1日に神田明神文化交流会館 地下一階 EDOCCO STUDIOにて行われている。今回は書きたてほやほやの当日レポートをお届けします!

 

一般社団法人Get in touch
誰も排除しない「まぜこぜの社会」実現を目指している。アートや音楽・舞台・映像などのエンタメを通じて、すでに多様性社会であることを表現し、マイノリティのPRをするプロボノ集団。

 

今週末は神田明神が熱い!

からっとした秋空に冬の冷たい空気をまとった神田明神では夜一が開催されている。射的の屋台に提灯飾り、七五三の着物を着た子供…とっても華やかな雰囲気だ。屋台を抜けた先にある神田明神文化交流会館の地下一階EDOCCO STUDIOにて、「月夜のからくりハウス」記録映画上映会が始まった。
会場前から続々と人が地下へと移動する。集まってくる人たちの目当ては一流のパフォーマーたちによるエンターテインメント 「平成の見世物小屋」。

 

見世物小屋。海外ではフリークショーとも。そう、映画『グレイテストショーマン』に出てくるあのショーだ。身体に特異な性質がある人達が、禍々しさや猥雑さを売りにして、各々が芸を磨き、お客に笑いと感動を与えるエンターテインメント。客は一目見てその特異さが分かるものを好む傾向があったので、全身にタトゥーを入れている人や、巨人や小人など身体的な特徴を持つひとが舞台に上がっていた。あれは映画の中だけの話ではなく実際に日本にも存在している。ひと昔前にはTVで小人プロレスが放送されていた。しかし、

 

「障害者を見世物にするのか!」

 

この批判を受けることが多くなり日本のTV業界は、障害者の出演を自粛するようになった。だが、彼らは身体を見世物にしているわけではない。磨きをかけた芸を披露することで身体を「魅せて」いるのだ。出演するパーフォマーは自分の芸に誇りを持ち、客を笑わせて感動させているのだ。自粛によって活躍を希望するパフォーマーのチャンスを奪っているのにかかわらず自粛ムードは続く。一体何のため、誰のための自粛なのだろうか?
欧米にはいろいろな特性を持ったパフォーマーが活躍している。しかし、上述の通り日本では、彼らが舞台や映画にフラットに出られるわけではない。障害の有無に関わらず、活躍できるチャンスをすべての人に。その思いでGet in touchは2017年に一夜限りのエンターテインメントショー「月夜のからくりハウス」を企画した。

映画上映前にGet in touch代表の東ちづるさんはこう語る。

「2017年に行った『月夜のからくりハウス』は大好評。障害と呼ばれる様々な特性を持っているパフォーマーが活躍できるチャンスを作るために本当は毎年やりたいけれど、お金がなくて実現できていません。上映会という形にはなるけどこうして『月夜のからくりハウス』を復活させることができてうれしい。

 

記念映画上映

月夜のからくりハウスは、手話漫才に始まり。女装詩人による「あなたはご存じないかもしれませんが」という一文から始まる詩の朗読。全盲のシンガーソングライターによる歌。車いすダンサーのパフォーマンス。自閉症のミュージシャン。ドラァグクィーン。小人プロレスに、小人の手品師。全盲の落語家。寝たきりの漫才師。発達障害・無性別のダンサー…ここに挙げたのは参加パフォーマーのほんの一例。性別、障害の有無、程度、それらすべてがまぜこぜになった世界が存在している。

 

舞台上で義足を外すパフォーマンスをするダンサーが訴える。「私は自分のこの体が好き。私のすべてを見てほしい。だから私はさらし者になろう」。

 

「今回の企画は障害を見てほしいのではなく、障害を含めた私たちのパフォーマンスを見てほしい。そしてパフォーマンスを通じて私自身を見てほしい」

 

「何を面白いと思うかは障害の有無に関係ない。面白いことは健常者、障害者関係なく一緒にやりたいよね。」

 

パフォーマンス

映画の上映が終わると賑やかな音楽が鳴る。劇団「人の森ケチャップ」の登場。メンバーの動物をモチーフにしたカラフルな衣装が舞台に花を添える。

人の森ケチャップ

そして、全盲のアーティスト佐藤ひらりさんによる歌。DancingLuckyBoy想真さん、車椅子ダンサーかんばらけんたさんのパフォーマンスと会は進む。彼らのパフォーマンスに会場の目はくぎ付けに。後ろのほうに座っていた小さな子がかんばらさんのダンスが始まった瞬間に立ち上がり、めいっぱいのつま先立ちで、食い入るようにパフォーマンスを見ていた姿が印象的だった。


MCには手話通訳、映画には字幕、いつでも入退場可の会場。ほんの少しの気遣いがあるだけで、いわゆる健常者も障害者も関係なく楽しむことができるのだ。楽しい、という感情をシェアする人数は多ければ多いほうがいい。

圧巻の歌声を披露してくれた全盲のアーティスト佐藤ひらりさん。18歳とは思えない堂々としたパーフォーマンスとMCで会場を沸かせていた。

 

12月1日(日)夜の回はまだ若干当日券があるとのこと。

面白いことが好きな人。
センセーショナルで刺激的な体験がしたい人。
多様性、ダイバーシティ、インクルーシブな社会、これらのことに興味を持っている人。
シンプルに一流のパフォーマンスが見たい人。

上のいずれかに当てはまる人は神田明神に足を運んでみてはいかがだろう

 

 

Get in touch 公式HP

Get in touch. Let’s まぜこぜ!~私がかわる。あなたが変わる。みんなが変わる。社会が変わる~

 

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gakuseikichi

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