ソーシャルビジネス特集第5弾です!
今回は、発達に課題を持つ子供たちに対して放課後等デイサービスを行っている、ハッピーテラス株式会社です!
社長の上岳史さん(左)と就労支援の事業部長の丸谷篤史さん(右)に、創業の背景や募集するインターン生に求めるものなどについてお聞きしました!
事業内容を教えてください。
丸谷:発達に問題を持つ子供たちにコミュニケーション能力を身に着けてもらう「発達改善スクール」を運営しています。
プログラムは身体スキル、学習スキル、生活スキル、社会性スキルの4つに分かれていて、子供たち一人ひとりに合わせて様々なトレーニングを行っていきます。この4つのスキルをバランスよく取り入れることにより、総合的なコミュニケーションの育成を目指しています。
目次
コミニケーション能力の育成を教育のど真ん中に置いているというのは珍しいですね。なぜそのようなスクールを創業なさったのですか?
上:話は大学生の時にまでさかのぼります。僕は大学4年生の時にある会社を起業したのですが、43歳の時にその会社を辞めました。自分が作った上場企業を辞め、その1部門であった事業を買いとる形でこのハッピーテラスをスタートしました。それが1年前のことです。
なぜ自分の会社を辞めたかというと、28歳のときにたまたま読んだ「2020年の産業」という本を読んだことがきっかけです。その本には「アメリカ人は人生を20年ごとに考える」といったようなことが書いてありました。アメリカの人々は、生まれてから最初の20年は勉強し、次の20年は生きるために働き、40歳のときに自分の人生を棚おろしして、次の20年はもう一度生まれてきたらやりたいということをする20年だと考えているそうなのです。
それが僕の頭の中にはずっとあって、僕もだいたい最初の20年で勉強し、次の20年で生きるために会社を作りました。40過ぎになったときに、「本当に自分のやりたい仕事ってなんだろう。やはり自分は社会貢献をしたいな」と自然と思えたのです。ちょうどそのころ東日本大震災が起きたこともあり、人生を深く考え、第二の人生はもう一度会社を起業しようと決めました。
自分で上場した会社を辞めて新たに起業なさるなんて、すごい決断ですね。
どうして起業すると決めた時に、このコミュニケーション育成スクールを作ろうと思ったのですか?
上:僕もおそらく発達障害(疑い)だったことが大きいかもしれません。僕は小学生の頃、多動が過ぎたせいで特別席にいました。人に合わせるのや命令されるのが大嫌いで、廊下にもしょっちゅう立たされていました。
そういう性格だったので高校も中退してアメリカの高校に行ったのですが、アメリカでは非常に居心地よく過ごせました。向こうは多様性が受け入れられやすい国なので、そういった僕の性格はオーケーだし、逆に人と違う方がいいんですよ。
おかげで僕は人と違う事を強みに生きて来られたのですが、私たちのスクールに通う子供たちは持っている特徴をあまり受け入れられていないなと強く感じるのです。
彼らの特徴は見方を変えれば強みにもなるし、コミュニケーションと言う武器を身につけたらもっと活躍できることが増えるんじゃないかなと思い、この事業を始めました。
ご自身が発達障害(疑い)の特徴を持っていたとは驚きです。 ところでお話が変わりますが、インターン生を募集しているそうですね。どの様な学生に来て欲しいという希望はありますか?
上:3つあります。
1つ目は、お金以外の目的を持って来てくれる人です。お金を払わないインターンが数ある中で、私たちはインターン生にきちんとお金を払います。ではアルバイトと何が違うかと言った時に、アルバイトがお金を稼ぐためにやるものであるのに対し、インターンはお金をもらいながらきちんとした事業を学べるところだと思います。
2つ目は、できれば就職活動の一環として来てほしいということです。僕はインターンを経ない就職活動というものに結構否定的で、社会もよく分からない中でいくつも面接に行って、採用された企業の中からどこかを選ぶ学生が多いと感じています。そうして何年か経ったら辞めてしまう人が多いそうですが、それは当然なんです。なぜなら、その会社のことを何も知らずに入ってしまうからです。でも、まずインターンに来て、どんな人たちがどのように働いているか分かった上で就職するのであれば、そうはなりにくいのではないでしょうか。
3つ目として、普通の会社と僕たちの会社が違うのは、成長の速度です。うちにインターンに来てくれたら、「会社はこういう風に大きくなっていくんだ」と言うステージを間近で見ることができます。その成長を一緒に楽しめる学生に来てもらえたら、とても嬉しいですね。
最後に、学生へのメッセージをお願いします!
丸谷:色々な企業を見て回って欲しいです。
「どの宇宙人がタイプですか?」と聞かれても分からないのと同じように、接点を持たない会社のことは分かりません。アルバイトやインターンを通して多くの仕事や企業を知ってほしいです。
また、どんなことでもまず行動することが大事だと思います。興味があることをどんどん実践していって欲しいです。
上:海外に行って色々な所を見ておきなさいと強く言いたいです。僕も本当は1年間旅行に行きたいのですが、時間がなくて行けないのが辛いです。時間がある学生の内にとにかく海外に行って視野を広げて欲しいです。
最後に、社会貢献をする学生はビジネスを両立したほうが良いと思います。「社会貢献」という言葉は聞こえが良いですが、たとえばアルバイトを全くやらずにボランティアばかりやるというのは、生きていく上で将来困るのではないでしょうか。ビジネスと社会貢献を両立することが、本当に立派なことだと僕は思います。
上さん、丸谷さん、ありがとうございました!!
<Information>
HP:http://www.happy-terrace.com/
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コラム:ソーシャルビジネスって何?この記事ひとつで丸分かり!
第一弾:証拠に基づき、報道の正確性を検証する/日本報道検証機構
第二弾:強い経営で、障がい者雇用に対する理解を伝える/日本理化学工業
第三弾:みんなの夢を実現する伴奏者でありたい/ソーシャルビジネス・ドリームパートナーズ
第四弾:Facebookのいいね!で、“公共革命”の足がかりに/gooddo株式会社
(第五弾:発達に課題があっても受け入れられる社会を目指して ハッピーテラス株式会社)
第六弾:多様な経歴やハンデがある人を雇用する/アイエスエフネットグループ
(編集後記)
コミュニケーション能力を主眼に置いているスクールというのはありそうでなく、とても貴重な場所だなと思いました!
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