(Photo:Kenichi Aikawa)
働き方が多様化し、将来どの国で働くかを考える時代になってきました。「将来は海外をまたにかけて活躍したい」そんな風に思っている方も多いでしょう。
今回は、2016年2月17日に東京都新宿区で行われた国際交流基金主催の「世界を変えるグローバルキャリア」というイベントに行ってきました。
国内外で国際的な働き方をしている3人の方のパネルディスカッション形式のこのイベント。まずはスピーカーの紹介です。
濵田さん
早稲田大学教育学部卒。大学3年次に1年間休学をして、6カ国でボランティアをしながら世界22カ国を旅する。在学中に世界で働く日本人女性のインタビューサイト『なでしこVoice』を立ち上げ、これまでに海外で働く日本人500名以上の取材をしてきた。大学卒業後は通信事業会社、編集事務所を経て、現在は『なでしこVoice』代表、また、株式会社ネオキャリアの海外事業部に所属し、アジアで働きたい日本人を応援するサイト『ABROADERS』の編集長を務める。
草薙さん
子どもが売られない世界をつくるために支援を行っている、認定NPO法人かものはしプロジェクトにて広報・ファンドレイジングを担当。人材紹介会社から転職をし、飲食事業の立ち上げに携わる。学生時代にベトナムに行き、その際に見た世界の不均衡な現実をなくしていきたいという思いから、かものはしへの参画を決意。子どもが売られる問題をなくすためにできることを多くの人々に共有するため講演活動を行う。
栗田さん
立命館大学産業社会学部卒。「誰かを支える仕事をしたい」という想いのもと、大学で福祉を学ぶ。特に子ども兵の問題に強い関心を持ち、3回生時に、テラ・ルネッサンスにインターンシップ生として参加。ウガンダ遠征などを含む1年半のインターンシップを経て、大学卒業と同時に職員としてテラ・ルネッサンスに参画。
(*引用:https://www.jpf.go.jp/j/about/jfic/event_s/160217.html)
*以下、ガクセイ基地メンバーの感想はこの枠に囲って表示されています。
目次
皆さんの生活と、比べてみてください
まずは、スピーカーの方々の「学生生活について」。
今グローバルに活躍されている方は、いったいどんな大学生活を送っていたのでしょうか。
濵田さん:
実は私は、大学で5年間を過ごしました。(笑)国内で4年間、海外で1年間といった具合です。
大学2年の時に読んだ『マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった―ジョン・ウッド』という本がきっかけで、世界一周を志しました。海外での1年間はこの世界一周で、大学を休学していました。そこでいろいろな生き方があってもいいということを感じました。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、海外には就活がないんです。
草薙さん:
私はちょっと根暗だったかもしれません。(笑)
実は滑り止めの大学に入学したので「負けた分を取り返してやる」と勉強しまくりました。
特に、図書館にこもって本をたくさん読んでいましたね。年間150冊くらいは呼んでいました。図書館に通ううちに図書館友達が出来て、その友達と小さいビジネスをしたこともありましたよ。
栗田さん:
私は生まれつき心臓病があって、中学生の時に手術をしたんです。そのとき多くの人に支えられたので、今度は自分が支える側になりたいと思うようになりました。そして福祉を学びたいと思い大学入学をしたので、その勉強をしていました。
あとは、とにかくいろいろなことにチャレンジしましたね。その中で、たくさんの人に出会えたのが良かったです。言い方が悪いかもしれませんが「学生だから許される」というのを活用していました。(笑)
学生だからこそいろいろやってみないとわからない。だから自分も留学決めたんだなと思いました。 行動力を持つのは大事ですね!
今の姿=学生時代の夢?
続いての質問は「今の職業は学生時代になりたいものだったか」。
現在生き生きと仕事をされている皆さんは、果たして学生時代から今の分野に進むと決めていたのでしょうか。気になるところですね!
濵田さん:
私は初めメディアに興味があり、インターンにも参加していました。しかし、インターンに参加してみた結果「これはしたくないな。」と思ったんです。憧れと現実は結構違うかもしれないので、一度やってみて、やりたい業種を探すのがいいと思いますよ。
草薙さん:
読んだ本同士をリンクさせていくのが楽しかったので、私は研究者になりたいと思っていました。
ですが、就活期にある人材会社の理念や考え方に共感し、そこに就職しました。
栗田さん:
私は今働いているNPOで学生時代からインターンをしていたので、そのまま就職した形です。学生時代から伝える仕事がしたいと思っていたので、想いを形にすることが出来てよかったです。
「グローバルに働く」って?
ズバリ、グローバルに働くとはどのようなことなのでしょうか。実際にグローバルに働いてらっしゃる方々の意見です。
濵田さん:
よく「海外で働きたいんです」という言葉を聞くのですが、私は「やりたいことが海外にあるから、海外で働く」のだと思っています。場所を先に考えるのではなく、やりたいことありきだと思います。
草薙さん:
「多様性を考えること」ですね。自分が思っていること、考えていることを絶対的と考えてはいけないと思います。どんなこともまずは受け入れてみる、というのが大事ではないでしょうか。
栗田さん:
私は「グローバルに働く」という考えの中に、日本も含めて考えてほしいと思います。グローバルというと海外で働くことばかりを考えてしまいがちですが日本もその一部であることを忘れないでほしいです。
人生のテーマの見つけ方
濵田さん:
正直に言うと、出会ってしまったから、といった感覚なんです。運命の人と出会う感覚に似ていて、理由を答えるのは難しいですね。(笑)ただ、大事だなと思うことはあって、それは感じる心と、何かを見出す力、そして思い込む力ですね。
草薙さん:
実は私は、これという風に人生のテーマを見つけている訳ではなく、今も重要なステップの一つだと思っています。やりたいことはほかにもあって、それらを一つずつやって考えています。やりたいことをしている間に、また何かが見つかっていくと思います。それらに片足ずつ入れていくのが大事です。
栗田さん:
私の場合、病気という原体験があるのが大きいです。そして、今の自分には「自分の職を失う」という究極の夢があります。職を失うということ=私の仕事が必要ない社会になっているということ。私の仕事である、国際協力(国際支援)の必要がない社会にするのが私の夢です。
いろいろな経験の中で、自分が何がしたいのか考えるようになるのですね!きっかけは案外 身近にあるのかもしれません。人から優しさをもらったら、自分も人に返したくなると思いました。
最後に、皆さんから学生に向けて一言、です!
濵田さん:
これからの時代は「ロールモデルのない時代」じゃないかなと思うんです。ロールモデルを探すのではなく、自分自身がロールモデルになる気持ちで、道なき道を突き進んでください!
草薙さん:
冷静に考えてみると、社会で働く時間は40年程度です。1つ1つやりたいことを見つけながら、こなしていきましょう。大事なところを大事にしながら、こつこつ積み重ねていけば、やりたいことが叶うはずです!
栗田さん:
自分の直感を信じてください。仕事を選ぶ時も、求人条件を見るのではなく、その仕事に対する共感度や理解を大事にしてほしいです!
自分もまだ自分が何が好きで何がしたいのかはっきりしてなかったので、お話を聞けて良かったと思います。留学してきた理由や大学に来た理由、映像を学ぼうとした理由などを振り返って考えてみることもできました。こうやって人々の話を聞く中で自分がしたいものが見つけられ るのではないかと思い、ガクセイ基地の記事の読んでいる方々も、これらの記事を読んで自分 のすきを見つけたらいいなと思います!
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