ZOZOTOWNをはじめとする様々なサービスを運営している、株式会社ZOZO。
「ZOZOって、どんな雰囲気なの?」
「ZOZOで働いている人って、どんな学生生活を送っていたの?」
ZOZOTOWNヘビーユーザーの私は、そんな疑問を持っていました。いつも私のファッションを支えてくれているZOZOの社員の方々に、普段どんな*お自事をしているのか聞いてみたいと思い、インタビューをさせていただきました。(前回の記事、株式会社ZOZO EC推進本部 宮森 菜未さんのインタビューはこちら)
(※)ZOZOでは、仕事のことを「仕事(仕えること)」ではなく「自事(自然なこと)」であるという意味を込めて「自事」と表記します。
今回はZOZOのデザイナーである吉村 麗奈さんのインタビュー記事です。私と同じく、美大出身の吉村さん。美大生が気になる学生時代の課題の取り組み方やポートフォリオの作り方、デザイナーとしての思いをお聞きします。
ZOZOユーザーはもちろん、将来デザイナーになりたいと思っている大学生も必見です!
HP:https://corp.zozo.com
目次
「ZOZOらしさ」を追い求めるデザイナーの自事
ー本日はよろしくお願いいたします!早速ですが、吉村さんのデザイナーとしてのお自事の内容を教えてください。
ZOZOには、サービスデザインとコーポレートデザインというものがあり、私はコーポレートデザイン部でCI(コーポレート・アイデンティティ)に関わるクリエイティブ制作をしています。CI室では、スタッフの名刺や郵便封筒から社内イベントの制作物、採用ウェブサイト、会社で運用するブログ用の画像制作など、幅広い自事を行っています。世界最高峰のゴルフトーナメントであるPGA TOUR「ZOZO CHAMPIONSHIP」のデザインも担っていますね。
ー出勤から帰宅までの1日のスケジュールを教えてください。(現在はリモート出勤)
9:30 出勤
スケジュールやメールの確認を行います。それ以降は、他部署とSlackやミーティングでやりとりをしながら案件の制作を進めます。撮影や制作物の提出のために、必要に応じてオフィスやZOZOBASE(ZOZOの物流拠点)に行くこともあります。
20:00 退勤
ーお自事をしている中でやりがいを感じるのはどんな時ですか。
CI室はPV数やクリック数などの数値的な結果が得られるわけではありません。その代わりに、社内スタッフやその家族、地域などの身近な人たちに率直な感想がもらえるところがやりがいだと思っています。一生懸命アイデアを練って作ったデザインに対する好評価を生の声で聞かせてもらうと嬉しいです。
ーお自事をする上で心がけていることは何でしょうか。
私たちの自事は、デザイナー1人ひとりが「ZOZOらしさ」を感じ取ってデザインに反映させることです。ZOZOらしいデザインに正解はありませんが、私の中では「温かさを感じるもの」だと思っています。温かさというのは人の手を残すことだと考えており、他にはない、1つだけのものを作ることを特に意識してデザインをしています。
ーデザイナーとして自事をするために必要なスキルや、持っていた方がいい資格などはありますか?
未経験でデザイナーになられた方もいるので、絶対に必要なスキルというものはありません。ただ、自事をするにあたってIllustratorやPhotoshopを必ず使うので、これらが使えると入社後にスムーズに現場に溶け込めると思います。しかしそれよりもZOZOが大好きな気持ちや様々なものに対して興味を持って一生懸命取り組む力が大切だと思います。
どんな自事も、チームワークで楽しくやりきる
ー会社で働く人のイメージとして「暗い髪色でスーツを着ている」という印象が強かったのですが、ZOZOで働く方々の服装や髪色などは自由度が高く、一人一人の個性を大切にされているように感じました。
ZOZOには本当に色んな個性のファッションの方がいておもしろいですね。デザイナーは特に、自己表現が1番身近な部分だと思いますし、ものをデザインする以前に自分をデザインすることも大切にしています。出社する度に上司や先輩に「そのニット、お洒落ですね」ってツッコミを入れています(笑)。
ーズバリ、ZOZOの強みや魅力を教えてください。
強みは、どんな自事でも楽しんでやり遂げるところです。私たちのチームでは、ZOZO本社屋の建設中、工事現場の仮囲いに西千葉の街を手描きするプロジェクトを行いました。CI室が舵を取って他の部署のスタッフにも参加してもらい、夏に汗をかきながら2ヶ月かけて描き上げました。それが1番ZOZOらしさを感じましたね。みんなで一丸となって街の地図を調べたり、描く箇所を分担したりと、楽しく自事ができたことが印象的でした。また、社員同士の仲が本当に良いところも魅力ですね。
グラフィックデザイナーを目指し、作品制作に没頭する美大生時代
ー大学生時代に力を入れていたことや活動はありますか?
私は美大のデザイン学科だったので課題が多く、その制作を頑張っていました。制作物の提出が1週間に3回くらいあって、毎日何かしらの課題をやっていました。また、他学科の座学や実習を受けてみたり、休みの日に博物館や美術館に行ったりしていました。月に1〜2回、アルバイトで絵画教室のデッサンモデルもしていました。
ー大学の授業で印象的だった授業はあるんですか?
あるアーティストさんの授業で「1kgを題材に映像を作りなさい」という課題が出たんですね。私は1kg分の絆創膏をとにかく買い漁って鼻にどんどんつけていくという映像を作ったのですが、それは面白かったですね(笑)。そういったグラフィックデザインの枠を超えた授業にも興味がありました。
ー就職活動中に大切にされていたことや頑張っていたことは何ですか?
業界研究を頑張りました。大学3年の夏から就活を始めて、学校経由でOG訪問をしたり、インターンに行ったりしていました。企業の方が大学に来てくださることも多かったので、その企業説明会にも頻繁に参加しました。
地方への引っ越しが、ZOZOTOWNとの出会いだった
ーZOZOに入社したいと思った理由は何ですか?
私はファッションが好きで、中学生の頃は自宅の近くにあるショッピングモールでよくお買い物をしていました。しかし、親の転勤で地方に引っ越してからは家の近くにショッピングができるような場所があまりなく、好きな洋服に出会う機会が減ってしまったんです。欲しい服に出会う方法を探していた際にZOZOTOWNの存在を知り、母に頼んで初めてECサイトで洋服を買ってもらいました。それから休日は、ZOZOTOWNでウィンドウショッピングを楽しむようになりました。就活中にZOZOTOWNで買い物をしていた時「新卒採用募集」と書かれた小さなバナーを見つけました。調べて見ると、ひと口にデザイナーと言っても、グラフィック以外にも色々な制作物を作る役割があることを知り、自分にぴったりだと思ってZOZOに応募しました。
ーデザイナー部門を選んだきっかけを教えてください。
高校時代からずっとデザイナーを目指していたことと、幅広いデザインをするZOZOのデザイナーに魅力を感じたことがきっかけです。デザインは答えのない仕事だからこそ、難しくて面白いんです。なので、今はそれを楽しみながら追求している最中ですね。
ーデザイナー職は面接時にポートフォリオを使用するそうですが、ポートフォリオを作成する上で意識したことを教えてください。
ポートフォリオのプレゼンには時間制限があったので、自分が頑張ったと思う順番に作品を配置したところがポイントです。また、ポートフォリオだけでは自分の作品をアピールしきれないと思い、制作物の実物を全部持って面接に挑みました。
ーZOZOに入社して1年目の時に苦労したことはありますか?
2つあります。
1つ目は、報告、連絡、相談です。上司に報告する基準や、自分だけでどこまで判断するかの基準が難しく、戸惑いました。例えば、バナーの制作を任された際に、進捗の共有や相談が遅くなったことで、デザインがなかなか決まらないまま締め切り日が迫ってしまったことがありました。報・連・相は基本ですが、その大切さを学びましたね。
2つ目は、ZOZOらしさとは何かを考えながらデザインすることに苦労したことです。
どちらも場数をこなすしかないですが、3年経てば上司と円滑にコミュニケーションは取れますし、デザインへの理解も深まり上手く仕事が進むようになりました。
ー学生時代のイメージと、実際にお自事をされてみてからでは、働くことに対する考え方は変化しましたか?
時間に対する意識の変化が1番大きいです。学生時代は、授業や課題を基本的に個人でこなしたり、徹夜で終わらせたりすることができましたが、会社はチームで動いているからこそ、自分の動きが周りに影響を与えます。万が一遅れをとった場合はチームワークで挽回出来ますが、自事はチーム全員の共同作業なので、納期を逆算して計画的に進めるようになりました。
ー大学時代の経験が、今のお自事に生かされたと感じたことはありますか?
絵画教室でデッサンモデルのアルバイトをしていた時、様々な方と話す機会が多かったので、コミュニケーション能力がかなり鍛えられました。これは会社に入ってからの同僚とのやりとりの際に生かされていると感じます。また、ZOZOTOWNを利用したり、実店舗で友達と買い物したことはデザインの引き出しに繋がっています。お店に貼ってあるポスターやカタログなど、自分の身の回りにあるものに視点を向けていたところが良かったなと思いますね。
ー最後に、大学生に向けてメッセージをお願いします。
学生は知見を広げる時間や機会がたくさんあるので、色々なものに興味を持って動いてみることをおすすめします。興味を持ったものから、働きたい世界が見つかるかもしれません。皆さんが思っているより、社会人は本当に楽しいです。就活で落ち込むこともあると思いますが、前向きに頑張って欲しいと思います。応援しています!
ー取材は以上です。吉村さん、ありがとうございました。
編集後記
高校時代からグラフィックデザイナーを目指し、美術系の学校に通っていた吉村さん。自分の好きなことや興味のあることに対し、一途に全力で取り組む姿勢に感銘を受けました。また、ものをデザインするだけでなく自分をデザインするというお言葉には、美大生として特に心に残り、共感しました。
今回、取材させていただいたお2方のお話や表情からは、本当にお自事を楽しんでいらっしゃることが伝わってきました。お2人とも自分らしさの軸をしっかりと持っており、そこからも社員1人ひとりの個性を大切にしているZOZOの社風を感じ取ることができました。普段、何気なく買い物に利用していたZOZOTOWNでしたが、運営する社員の方々の想いやこだわりを知ったことで、大好きだったZOZOのことがもっと好きになりました。この記事によって、1人でも多くの方にZOZOの魅力が伝わるとともに、大学生の皆さんが働くことにポジティブな印象を持つきっかけになれば幸いです。
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