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第一志望はあきらめない。私の仮面浪人体験談

 仮面浪人とは、一度大学に入ったものの再度大学受験を志す大学生のことを指します。実を言うと私も、2017年秋にガクセイ基地に入りましたが、仮面浪人を理由に去年の2月にガクセイ基地を辞めた経緯があります。1年間の勉強を通して、この春、首都大学東京の理学部物理学科に合格しもう少しで入学式というところです。今回は、1年間の経験を通して、もう1年頑張ろうっていう浪人生(特に仮面浪人生)に向けた記事を書こうと思います。

 

 まず、はじめに私が言いたいのは、

1年間勉強するのだから○○大学に入れるだろう

という考えは幻想ですので、捨ててください。僕には、当初この考えがあり、計画を立てる段階では本当に 東京大学理科Ⅰ類に合格できると思っていました。仮面浪人に限らず浪人生の中で、この幻想を持った方は少なくはないと思います。結果を振り返ってみれば、進学先の首都大学東京もなかなか良い大学だと思いますし、仮面浪人も成功できたと自分で思いますが、流石に、その考えは浅はかであったと思います。たった、1年間で伸びるのであれば、浪人なんてしませんし、現役の時に甘さがあったが故に不合格になってしまった訳です。そこを反省するところから始め、少しずつでもステップアップしていきましょう。秋口辺りから徐々に厳しさが見えてきて、センター1か月前には志望から外れており、首都大や横国大を意識していました。

 

純浪(高校卒業後、自宅もしくは大学受験予備校する浪人)も然りですが、特に仮面浪人は決して簡単なことではありません。親に浪人を許してもらえて、予備校の費用を出してもらえるのであれば、素直に親に頭を下げて出してもらうべきです。しかし、中には浪人に否定的な家庭では、浪人を許しては貰えないでしょう。確かに、純浪の方が一般的には有利なのではないかと思いますが、仮面浪人を親や周りの環境のせいにせず、ひたむきに頑張りましょう。事実、僕もこの立場でした。

 

大学との付き合い

大学に入学すれば、新たな人間関係も出来て、授業の履修やサークルの新歓、アルバイトの話がひっきりなしになり、受験勉強は辛いと思うこともあるかと思います。ここで、手を抜くことは論外であることに、特に疑問はないと思いますが、じゃあ全てを犠牲にしてまで受験勉強に時間を割くべきかと言えばそうでもないと思います。まず、新歓期に同じ学部学科の先輩を何人見つけて、授業のことはなるべく多く聞いておきましょう。ここで、出席必須ではない授業を多く見つけられれば、その分受験勉強に割ける時間は多くなります。

次に学科で固まる授業では、話せる友人がいれば、課題やテスト前の負担は少し減ります。授業を休もうとか思っていても、4月くらいはしっかり出席して、友人を作っておきましょう。空き時間で勉強を進められればいいかなという感じですね。5月以降のプランはこの時期にしっかり立てておきましょう。

サークル(の新歓)は無理にいく必要はありませんが、大学残留の選択肢があるのであれば、忙しくなさそうなものには入っておいた方が無難でしょう。時々顔を出して息抜きが出来ればいいというのもありますが、残留したときでも話せる先輩や同級生がいることはいくらか大学生活が楽しくになると思います。

 アルバイトは、模試代や予備校の季節講習の授業料、受験料の為に必要に応じてやるのがいと思いますが、やらない方がいいことは言うまでもありません。金銭的に親にお願いできることが出来るのであれば、潔くそうしましょう。

 

休学という選択肢

 僕は、現役で東京電機大学工学部に入学しましたが、1年後期に再受験を決意し、2年前期までは大学に通い、最後半年は大学を休学し受験勉強に専念しました。

 この経験を踏まえて、僕は可能であれば1年前期から休学するのが良いかと思います。まず、大学の往復の通学時間は家から大学までの距離にもよりますが、片道1時間以上あれば確実に大きな負担になります。(私の場合は片道2時間でした。)さらに先程言った授業や友人関係、サークルなど、気疲れする要素はいっぱいありますので、大学に行かないのでいいのであれば行かないに越したことはありません。1年前期から休学すれば、残留することになっても、来年度の1年生とやっていくことはできるので、その点でも心配はありません。ただし、休学の際には在籍料がかかる場合がほとんどですので、詳しくは大学の事務に聞いてみましょう。東京電機大学の場合は、半期ごとに6万円でしたので、年間に換算すると12万円となります。また、一部大学(早稲田大学など)では、再受験などを理由に休学は出来ませんので、ここでは詳しくは言えませんが、何かしらの工夫は必要です。

 

 

仮面浪人のメリットとデメリット

 これは、もうここまで言ってきたので、大分気付いている方も多いのではないでしょうか?

 まず、メリットについてですが、来年度通う大学が保証されていることだと思います。それによって、志望校に特化した対策をすることができます。浪人は全滅する恐れも当然ありますし、何があるかわからないので受験校を多くする人も少なくないですが、来年度通う大学があるのであれば、受験校は絞っていくことが出来ます。僕も、今年の受験校は北里大学理学部物理学科センター利用(合格)と首都大学東京理学部の前後期の3つのみでした。(首都大は前期合格でしたので、後期は出願のみで受験はしていません。)つまり、志望校に合わせた対策のみをすればいいというのは大きなメリットです。センター試験が終わった後、首都大の2次試験まで1ヶ月強あったので、13年間分の過去問を2周回すことが出来ました。僕は、センター後に4冊の赤本を用意して対策しました。また、進学先の大学によって異なりますが、在籍大学で取得した単位を引き継ぐこともできることもメリットであると思います。首都大学東京は対応しておりましたが、これは各々で志望校の事務などに確認するといいでしょう。

 

 

デメリットは、大学のこと(学部や学科の友人関係/大学の授業や単位/サークルなど)を考えなくてはいけない他、金銭的な苦しさや、浪人生の仲間がいないことなど、普通の浪人生にはない大変なことがあることだと思います。また、来年も大学生でいられるという安心感は、浪人生としての勉強への姿勢を妨げてしまうのではないかという点もあります。また、休学のデメリットとして、浪数が1増えてしまうことも挙げられます。

 

仮面浪人を通して

 私は、仮面浪人を通して大学受験の成功という経験を得ることが出来ました。しかし、皆が皆成功するものではありません。努力した人の中でも、成功した人/届かなかった人が必ず出てくると思います。こればっかりは、努力の仕方や本番の運もありますので、何とも言えません。しかし、成功できた時の喜びは何とも言い表せないものであると思います。実際に私もそうでした。

それでは、私から今年度仮面浪人を考えている皆さんに伝えたいメッセージでこの記事を締めたいと思います。

「仮面浪人は2足のわらじを履くことになるので、純浪よりも大変だと思います。しかし、その分得られるものはありますし(僕は気さくに話せる友達や素晴らしい教授陣と出会えていい経験も出来ました)、合格できた時はそれなりの喜びもありましたので、やる価値が無いものではありません。しかし、上のデメリットで挙げたように大きな困難もあります。生半可な気持ちでは到底成功することは出来ませんので、それなりの覚悟を持って挑むことをお勧めします。2足のわらじを履いた結果、どっちも疎かになることは一番避けた方がいいと思います。ここまで書きましたが、この記事は仮面浪人を推奨するものではありませんし、そもそも僕も他人に勧める気はありません。入った大学に納得してそこで努力するという選択肢も当然あります。大切なのは、ご自身にとって後悔のなさらない選択をすることです。では、皆さんの成功を祈ります。」

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gakuseikichi

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