新型コロナウイルスの影響で授業がオンラインに移行すると同時に失われたのが、大学生活の華ともいえるサークル活動。大人数で集まれないなどの制限を受けてまともに活動できていないという団体がほとんどだと思います。
そんな状況の中でも何かできることがあるはずだ!と立ち上がったのが「突然失礼致します!」制作委員会。全国の大学生が外出自粛期間中に1分以内の映像作品を制作し、その全作品が集まって完成するオムニバス映画「突然失礼致します!」が作られました。
今回の記事ではその「突然失礼致します!」に参加した日本最西端の団体「鹿児島大学放送研究会」の梅田さん、蔣野さんのインタビューをお届けします。コロナ禍でのサークル活動、「突然失礼致します!」に参加して感じたことなどをお聞きしました。
目次
鹿児島放送研究会・お二人について
―鹿児島大学放送研究会ではどんな活動をしているのですか?
(梅田)主な活動内容は、今回「突然失礼いたします!」に参加したような映像制作、アナウンスの練習、YouTubeで公開するラジオ番組の作成です。
(蔣野)アナウンスは大会に向けて練習をしており、ラジオ番組や映像制作ではゆるーく楽しい雰囲気の作品を作っています。
―お二人が放送研究会に入ったきっかけは?
(梅田)私は中学生の時からずっと放送系の部活に入っていたので、その流れで大学でも放送系の部活に入りたいと思ったからです。
(蔣野)私も中学生くらいの時からアナウンスに興味があったのですが、通っていた中学・高校ともに放送系の部活がなかったので活動はしていませんでした。放送研究会はやっと念願叶って放送系の活動ができる!と思い入りました。
コロナ禍でのサークル活動
―新型コロナウイルスの影響で座学の授業のほとんどがオンラインになっているとお聞きしたのですが、サークル活動は行えていますか?
(梅田)2020年は対面で活動できる時期もあったのですが、合宿や遠征などの活動は禁止になっています。さらに、今年の1月からはサークル棟への立ち入りもできなくなっているので、今はオンラインで活動を行っています。
(蔣野)アナウンスの練習は、スマホのボイスメモで録音したものにコメントをもらう…という風に色々工夫をしながら行っています。ですが、録音だとどうしても音声が変わってしまったり、家だと声のボリュームを抑えなければいけなかったりと、オンラインでの活動の難しさを感じています。
「突然失礼いたします!」への参加
―なかなか思うように活動が行えない中で、2020年の5月に「突然失礼致します!」の制作代表の熊谷さんからの連絡があったんですね。
(蔣野)新歓がオンラインでしか行えない、対面で活動できないなど、思うようにサークル活動が行えないことにもどかしさを感じていた時期だったので、即決で「参加する」とお返事しました。
―サークル内で募った参加希望者4人で「希望小売価格」というタイトルの映像を作成されたのですね。映像制作で苦労したことは?
(蔣野)「突然失礼致します!」の映像に関して決められていたことは主に2つあって、各時間の持ち時間が1分であること、テーマが「希望」であることです。「希望」というテーマからどのような映像作品を作っていくのか決めるのが一番大変でした。「希望」をストレートに表現して感動路線の映像にするのか、コロナに関することを映像に盛り込んで暗い感じにするのかなどですね。たくさん話し合いを重ねたのち、最終的にはコロナで大変な時期だからこそ、明るく楽しい作品を作りたいという方向性に決まりました。
(梅田)今は大人数集まっての撮影ができないので、ドラマ形式の作品を取るのは難しいと考えました。1分という時間制限があるのでCMのような作りにすると作りやすいねという話が出て、それならクスっと笑えるネット通販のCMのような作品にしようという風にテーマが決まりました。
―「突然失礼致します!」の活動のどんなところにやりがいを感じましたか?
(蔣野)全国の映画サークルがそれぞれ作った映像がつながってできた1本のオムニバス作品の中に自分たちの作品が入っているのを見た時に「自分たちもこれに参加したんだ!」という達成感はものすごく感じました。
(梅田)コロナ禍で思うように活動ができない時にも、できることがあるんだ!と思えたのはよかったです。制限がある中で色々工夫しながら作品を完成させたという充実感をもありました。
―「突然失礼致します!」に参加してみて、感じたこと・考えたことなどはありますか?
(梅田)コロナ×映画というアイデアと、それを全国の映画サークルで作ろうという発想が自分には全くなかったのと、それを実際に実現させた熊谷さんの行動力は同じ大学生として尊敬したいと思いました。また「突然失礼致します!」に参加してからは、今の状況の中でどうやったら自分たちで作品を発信ができるかということを考える機会になりました。
(蔣野)他の団体の作った作品を見ていると、Zoomの画面をキャプチャーした動画を素材として使うなど、自分たちでは思いつかない工夫がたくさんあって刺激を受けました。ピンチをチャンスに変えるというか、コロナ禍でもこんなに活動できるんだという風に気持ちが前向きになりました。
(梅田)同じ「希望」というテーマでも一つも同じ作品がなかったので、こんなに色々な作品が作れるんだ!という可能性も感じました。色々な視点からテーマを考える癖がついた気がします。
―鹿児島大学放送研究会で活動する中での今後の目標などを教えてください。
(梅田)私たち2年生は次の11月で放送研究会を引退します。引退までにどれだけ活動ができるか…というところはあるのですが、一番つらいのは入学してからまだ一度も思うように活動が出来てない後輩たちだと思います。社会的に正解がないし、何をやるにも前代未聞という状況です。でも、せっかくサークルに入ってくれた1年生のためにも、やれることからやっていき「サークルに入ってよかったな」と思ってもらえるような活動を行っていきたいです。
―鹿児島大学放送研究会の梅田さん、蔣野さんありがとうございました!
2020年はコロナによって大学生活が大きく変わってしまいました。「できないこと」ばかりに注目が集まっている中で、どうすれば実現できるのかを考えて、全国の学生を巻き込んで制作した「突然失礼致します!」という映画が完成したことは同じ大学生としてとても嬉しく思います。
3月に劇場公開が行われるとのことなのでぜひ足を運んで、制作に関わった全国の180人の学生が想い描いた「希望」を受け取ってください!
劇場公開情報
上映日:2021年3月30日(火) 13:00-21:00
上映場所:アテネ・フランセ文化センター
住所:〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2丁目11
上映作品:完全版(194分)/劇場用再編集版(90分)
鑑賞料金:一般1,500円/学生1,000円(完全版)
一般1,000円/学生500円(劇場用再編集版)
ガクセイ基地では製作委員会代表の熊谷宏彰さんにもお話を伺いました。熊谷さんのインタビューはこちら
>映画「突然失礼致します!」製作委員会代表/熊谷宏彰さん
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