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【サッカーで子どもたちの夢を応援したい】コロナ禍でも国際協力に挑戦し続けた大学生にインタビュー/学生団体WorldFut

新型コロナウイルスの影響で、まだまだ海外に渡ることが難しい状況が続いています。そんな中、国際協力をするために活動している人たちは、一体どんな取り組みを行っているのでしょうか?

「国際協力って、実際に海外に行くことが必要不可欠なイメージがあるし、現地に赴かないと活動できないんじゃないの?」

そんな疑問を持った私は、オンラインでも国際協力を活発に行っている学生団体WorldFutの活動報告会に参加し、メンバーの方にインタビューをさせていただきました。

学生団体WorldFut(ワールドフット)とは
2008年設立。サッカーを通じて国際協力をする学生団体。「幸せと笑顔で溢れる世界を創るために、サッカーを通してすべての人々にキラキラ笑って暮らすきっかけを提供する」という活動理念のもと、カンボジアと日本の子ども達の様々な夢や目標をサポートする活動を行っている。
 

 

今回は、団体の12代目代表である小西立起さん、メンバーの森春彦さん、水野慈英さんに、オンラインで国際協力をすることの可能性や、コロナ禍での活動における挑戦をお聞きします。

ロフィール
・小西 立起(こにし りつき)さん
学生団体WorldFut 12代目代表。法政大学人間環境学部 3年生。
入団理由:高校までずっとサッカーをやっていたこと、大学生では子どもたちに対して何か活動したいと考えたこと。
 
・森 春彦(もり はるひこ)さん
学生団体WorldFut 12代目メンバー。法政大学経済学部 3年生。
入団理由:人生の夏休みと言われる大学生活で何かに挑戦したい、面白いことをやってみたいと思ったこと。
 
・水野 慈英(みずの じえい)さん
学生団体WorldFut 12代目メンバー。東洋大学法学部 3年生。
入団理由:サッカーと関わりたいと思ったこと、成長できる環境に身を置いて自分を変えたいと思ったこと。

 

団体の活動について

ーWorldFutの主な活動内容を教えてください。

カンボジアにあるスマオン小学校とケウトム小学校でサッカーに関する支援を行っています。サッカーをするための環境作りであるハード面と、子どもたちの夢や目標に向かって挑戦する気持ちであるマインド面の2つにフォーカスを当ててサポートをしています。ハード面ではサッカーボールやボールかごの寄贈、校舎やグラウンドの建設などを行いました。マインド面では、サッカー観戦をする機会の少ない現地の子どもたちのために、プロの試合を観戦するパブリックビューイングを実施しました。2016年からは、カンボジア全土の子供たちが参加する「Dream Challenge Cup(ドリームチャレンジカップ)」というサッカー大会を開催しています。

また、子どもたちをサポートする活動資金を得るために、国内でチャリティフットサル大会も行っています。

 

ー昨年度から今年度にかけて、新型コロナウイルスの影響でカンボジアに渡航することが難しい状況かと思います。コロナ禍になってからは、どのような取り組みを行っているのでしょうか?

 

今年度はビデオ通話やチャットを通してできる4つのオンラインプロジェクトを企画し、その運営を行ってきました。

1つ目はスマオン小学校の先生方を対象に行いました。ビデオ通話で現地の先生方に、子どもたちに対するビジョンを聞き、自ら目標を設定してもらうことを狙いとしました。先生方からは「子どもたちにサッカーを通して夢や目標を持って欲しい」という思いを聞くことができました。

2つ目はスマオン小学校の子どもたちを対象に行いました。自分に自信がないことで夢や目標に向かって挑戦することが難しい子どもたちに向けて、カンボジアのプロサッカー選手から直接話を聞く機会を設け、自分の夢や目標について考えるきっかけを与えました。

3つ目はケウトム小学校で用具管理プロジェクトを行いました。学校の先生方と用具管理の大切さや具体的な方法について話し合い、サッカーに適した綺麗なグラウンドの状態維持と、ボールの価値を理解してもらうことを目指しました。

4つ目はケウトム小学校でサッカーの技術向上を目標としたプロジェクトを行いました。ビデオ通話で子どもたちに直接技術を教えたり、リフティングの説明動画を提供したりしました。

 

ーオンラインでのサポートを始めて良かったことを教えてください。

現地にいる先生の考え方や行動が変化し、サポートのスピードが上昇したことです。これまでのサポートは、僕たちが直接カンボジアに訪問し、現地のニーズや求めているものを子どもたちと先生に提供する形がほとんどでした。しかし、オンラインになってからは僕たちの考えたプロジェクトを現地の先生方に協力してもらいながら行う必要があります。そのため先生の関与する場面や考える時間が増え、初めはプロジェクトに前向きでなかった先生も次第に自ら率先して行動してくれるようになりました。現地に圧倒的な熱量を持った先生がいることが、今のWorldFutの強みだと思っています。

 

ー今年度からはカンボジアだけでなく、日本の子どもたちに向けたサポートも始まったそうですが、その背景は何だったのでしょうか。

日本の子どもたちの相対的貧困率の高さと、近年の学生の自殺者数の増加を受け「すべての人々に笑って暮らすきっかけを提供する」という団体の活動理念が達成できていないと感じたことがきっかけです。今年度は神奈川県にある2つの児童養護施設で、サッカーを通して成功体験を作り出すプロジェクトを実行しました。

 

ーコロナ禍で活動していて大変だったことはありますか?

小西・森・水野:めちゃめちゃあります!!

水野:いくらオンラインで繋がったといえど、直接的な繋がりは肌で感じることができないので、国際協力をしている立場としてしっかり貢献できているのか不安に思うことがありました。

小西:僕たちは国際協力団体なので、カンボジアに行くことで初めて意味を成す団体だと考えていました。それができなくなった時はメンバーのモチベーションも下がり、団体としての存続危機にありました。しかし、オンラインの可能性が見えてきてからは前向きに活動ができるようになりました。

森:ビデオチャットで現地の人と話ができる回数が増えたのはオンラインのメリットであり、大きな収穫でもありましたね。これはオフラインで活動しているだけでは絶対に気づけなかったことでした。

 

ー学生が世界に貢献していると実感した瞬間や、やりがいを感じたエピソードなどがありましたら、教えてください。

小西:この活動をしていると、世界を変えるような大きなことができないことに何度も悩みます。自分たちのやっていることは、身近な人を変えるための行動でしかないように感じてしまうんです。しかし活動を通して、自分の目の前にいる人を少しずつ変えていくことが世界を変える一歩であると気づきました。それに気づけた時は貢献していると感じられました。

あと、子どもたちの笑顔を見た瞬間にはやりがいを感じますね。自分の行動によって子どもたちを良い方向に導けた時がすごく嬉しいです。

水野:僕はサッカーの技術を子どもたちに教えるプロジェクトを行った際、チャットやオンラインを通じて「ありがとう」と言われた時にやりがいを感じましたし、貢献できたなと思えました。

森:企業の方は会社にとらわれて行動しにくい部分がある一方、学生は何にもとらわれずに行動に移すことができると考えています。そんな学生の僕たちが想いを伝えた時、一番心に響いてくれるのは大学生です。学生だからこそ、誰かのために行動しようとする同世代を増やせたり、何かに挑戦するきっかけを作れたりできるのがやりがいですね。

 

ー活動をしている中で印象に残っている思い出はありますか?

小西:今年からスタートした日本プロジェクトの開拓がとても大変だったことです。初めは児童養護施設に対して「継続的なサポートを前提に、子どもたちの現状について教えて欲しい」と100件のアポをとっても8件しか返事が来ず、プロジェクトが実行できるのか不安になりました。しかし、結果的にこの1年でサポートすべき場所を2つ見つけられたので、かなり印象に残っています。

森:僕が大学1年生だった頃に、カンボジアで開催したドリームチャレンジカップはとても印象的でしたね。正直、当時の僕はWorldFutを舐めていたのですが、大会に参加してみて「学生団体でこんなことできるのか!」と衝撃を受けたのをよく覚えています(笑)。プロ選手が試合会場としても使う現地のスタジアムでサッカーができることにワクワクしたし、実施する側の自分たちも参加者と同じくらい高揚感を得ました。

水野:僕は去年開催した国内フットサル大会が印象に残っています。参加してくれた友達に感謝の言葉をもらった時、身近な存在を楽しませることができたことにすごくやりがいを感じられて、心に残る思い出になりました。

団体の代表として

ー小西さんが代表になろうと思ったきっかけを教えてください。

僕が協賛の依頼をしにある企業様に伺った際「学生団体なんて怪しい、本当に活動しているのか分からない」と言われてしまったんです。僕たちは本気で活動しているからこそ、悔しくて仕方がありませんでした。そんな状況を変えたい、団体の可能性を広げたいという思いから代表になりました。

 

ー団体の代表として意識していたことはありますか?

2つのことを意識していました。

1つ目は自信を持つことです。コロナ禍で不安なことが多い中、団体のトップである僕が自信なさそうに舵取りをしていたら、メンバーがついて来づらいと思ったからです。なので、メンバーの前では常に自信満々に話すように心がけていました。

2つ目は自分が1番楽しむことです。責任感で動き始めると、かなり疲れてしまいます。だからこそ、自分が1番楽しい方へ持っていけるように進めていこうと思ってましたね。

 

ーメンバーを引っ張っていく中で苦労したことは何ですか?

メンバーのモチベーションを維持するのが大変でした。コロナでカンボジアに行くことができないだけでなく、ミーティングも全てオンラインになってしまったので。僕たちは毎週火曜と木曜の18時から22時までミーティングを行っているのですが、自分1人で4時間もパソコンの前にいると相当疲れてしまうんです。それが半年続いたせいで下がってしまったメンバーのモチベーションをどう上げていくかは悩みましたし、難しいところでもありました。

WorldFutの先輩として

ー皆さんが思うWorldFutの魅力を教えてください!

小西:夢を語れるところです。日本では、自分のやりたいことやいいなと思ったことを口に出すと、否定されてしまうことが多いように感じます。だけど、この団体では何を言っても「めっちゃ面白そうじゃん!」って言われるんですよ。僕はそういう環境が本当に大事だと思っています。肯定的な言葉をもらえるだけで本当に実現できそうだと思えてくるし、挑戦してみようという活力の源にもなります。

森:それで言うと、この団体はメンバーの分岐点になるきっかけの多い場所だと思います。リーダーを経験したり、イベントに参加したりすることで「もっと意見を言ってみよう」「違う活動にも手を出してみよう」と考え方が変わる人が多いです。

水野:僕はなんでも挑戦できる環境があることと、それに対してみんなが応援してくれるところが魅力だと思います。周りに後押ししてくれる仲間がたくさんいるからこそ、自分も目標に向かって全力で取り組むことができます。

 

ーもうすぐ引退する12代目として、団体の今後の目標や次の世代にどんなWorldFutを作り上げていって欲しいかを教えてください。

小西:カンボジアと日本の両方で、同じ熱量を持ってサポートを続けていって欲しいです。カンボジアに訪問できていたのは僕たち12代目が最後だったので、後輩は現地の様子を生で見たことがありません。しかし、今後コロナが収束してカンボジアに行けるチャンスは必ず来ます。現地の状況を知らない世代だけになっても、新しいプロジェクトや様々な形のサポートを展開していくことが大事だと考えています。

森:僕は願いというよりは野望になってしまうのですが、ドリームチャレンジカップを日本でも絶対にやってもらいたいと思っています。Jリーグのクラブチームさんと連携して大会を行い、日本国内におけるWorldFutの認知度を高めていって欲しいです。

水野:僕はもっとWorldFutの存在を広めて欲しいなと思います。僕たち自身は実際に活動をしているからこそ、団体でやっていることが当たり前のように感じてしまいがちですが、周りから見るとその活動の凄さにはとても魅力的なものがあると思うからです。

 

ー大学生に向けてメッセージをお願いします。

森:コロナ禍で様々な活動が制限されている中ですが、色々な人と話をする機会を増やしてもらいたいです。TwitterやInstagramのDMで「お話を聞かせて欲しい」と頼むと、案外受け入れてくれる人が多いんですよ。Zoomやチャットなどで話が聞けるのはコロナだからこその良さだと思うので、面白そうだと思った人や気になる活動をしている人がいたらどんどん積極的に声をかけてみて欲しいです。そこから自分の考え方も変化してくると思います。

水野:もしやりたいことや挑戦したいことがあったら、まず行動を起こして欲しいです。自分が変わるきっかけは、その行動次第で見つけることができると思います。大学生は自由に使える時間がたくさんあるので、自分の挑戦に最初のアクションを起こせる人が増えるといいなと考えています。

小西:僕は大切にしていることが2つあります。1つは何かに迷った時、自分が楽しそうだと思ったところには絶対飛び込むこと。自分がつまらないと感じることよりも、自分がワクワクすることを選んで行動して欲しいなと思います。もう1つは、大きな目標を持って挑戦すること。大それた夢があったとしても、小さなステップを踏み重ねていけば意外と叶ってしまうものだと僕は思っています。なので、自分の目標に向かって一歩踏み出すことを大事にして欲しいです。

ー取材は以上です。小西さん、森さん、水野さん、ありがとうございました!

編集後記

WorldFutの皆さんとお会いして感じたのは、メンバーのすべての人が明るくて温かいということでした。皆さんは誇りと愛情を持って活動に励んでおり、コロナ禍で国際協力をすることは難しいという私のイメージを払拭しました。逆境にめげず自分たちができることを真剣に模索し、実行させてきたWorldFutの皆さんだからこそ「コロナ禍でも大学生ができることはある」というメッセージが強く心に響きました。また、インタビューをさせていただいたメンバーのお三方はチャレンジ精神と情熱に溢れており、楽しむことや挑戦することの大切さを学ばせていただきました。この記事が、何かの活動がしたいけれどその一歩が踏み出せずに悩んでいる大学生の方々の背中を押すような支えになることができましたら幸いです。サッカーが好きな人、国際協力に興味がある人、大学生として誰かのために活動したい人、コロナ禍でも何かに挑戦したい人は学生団体WorldFutの活動やイベントに参加してみてはいかがでしょうか。自分を変える素敵なきっかけになるかもしれません!

 
・学生団体WorldFut HP:https://www.worldfut.com
・学生団体WorldFut Instagram:https://www.instagram.com/worldfutja/?hl=ja
・学生団体WorldFut Twitter:https://twitter.com/WorldFutJA
・学生団体WorldFut Facebook:https://www.facebook.com/WorldFut/?ref=page_internal 

 

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