まず、タイトルの「襖」を読めた人はどれくらいいるでしょうか。
そう、これは「ふすま」と読みます。なんと東大にはふすまに関する部活があるんです!
襖を扱うとてもレアな部活に、ガクセイ基地が取材してきました!
襖、障子の張替えを出張で行っている。
創部は1954年で60年以上の歴史を持つ。
東京大学 2年生 大林志帆 さんにお話をうかがいました。
目次
1.活動内容
―活動内容について教えてください。
外部からのご依頼を受けて
一般のご家庭に襖を張りに行く、ということが主な活動です。
もともとは戦後、学費が払えない苦学生がお金を稼ぐ手段として始まりました。
―どうして襖クラブに入られたのですか?
友達に誘われ入りました。
「変わった部活」という点に惹かれて入る人は多いですね。
「お金を稼げる」ところに魅力を感じる人もいますね。
2.入部にいたるまでの流れ
―入部するまでの流れを教えてください。
まず新歓講習会に3回参加し、先輩が襖を張るところを見て流れを覚えます。
次に「初張り」の日程を決め、先輩に手伝ってもらいながら初めて襖を張ります。
そして、2回目以降は自分だけで襖を張る練習をします。
自分で襖を張る練習をたくさんして、7月中に先輩からきれいだとOKサインが出たら正式に入部、となります。
▲練習した襖には先輩からのアドバイスが書かれています。
―入部するまでにふるいにかけられるのですね。
そうですね。7月中にマスターするのは比較的軽い種類の襖なのですが、
実は1年のうちにもう1つ重たく、難易度の高い種類の襖も
マスターしなければなりません。
これも大変で、ここで人数がまた減る年度もあります。
こういったところに職人世界の厳しさがありますね。
―普段は厳しく活動されているのですか?
襖を張るときは皆集中してやっていますが、普段は上下関係も厳しくなくまったりとしています。
オンオフの切り替えがしっかりしている、といった感じですね。
3.クラブの良さ、特徴
―クラブの良さを聞かせてください。
唯一無二の部活で注目されますし、職人の世界の厳しさも味わえます。
慣れてくると紙にもこだわりが出てきて、
紙の職人さんと仲の良い先輩もいらっしゃいます。
―次にクラブの特徴を教えてください。
タテの繋がりが強く、院に行っても続ける先輩もいらっしゃいます。
院に行ってもクラブを続けたいと思えるくらいに魅力を感じてもらえるのは特徴ですね。
変わった部活なので、就職に有利という話も聞きました。
4.大変な点、楽しい点
―大変な点はどこにありますか。
襖は重いものもあり、襖を張る作業そのものがまず大変です。
襖を張る手順は大体10工程ほどあり、初めてやったときは大体3時間くらいかかります。
―そんなに時間がかかるものなのですか。
―慣れれば1時間くらいでできるようになり、速い先輩ですと30分で終わる方もいます。段々と上達していくのは楽しいです。
―やっていて楽しい点、面白い点を教えてください。
襖張りは、スポーツとも勉強とも違う独特なものです。
自分がやっている襖張りを「不思議だな」と思いつつも楽しめるところに面白さを感じますね。
襖張りというのは出来高制で、張るのが速ければ速いほど時給が上がります。
上達すればその分受け取れるものも変わっていくので面白いですね。早く先輩方に追いつけるように頑張りたいです。
▲部室には工具がズラリと並んでいます。
5.襖の魅力
―襖産業が時代の移り変わりで衰退していく中で襖の魅力はどこにあると思いますか?
襖は調湿・断熱・防音に優れ、取り外しもできます。
張り替えるだけで雰囲気もガラッと変わりますし、
そもそも建築材料の1つとして襖はとても優れたものです。
襖は必ずしも和風建築でなければならない、というものではないと思うんですよね。
北欧のデザインが施されていたり、洋室にあう襖もあります。
そんな襖をもっと身近に感じてもらえたらなと思います。
6.アドバイス
―最後に、学生に向けてアドバイスをお願いします。
どんなことでも上達するのは楽しいですし、変わったことだと話のタネにもなります。
面白そう、楽しそうと思うことは何でもやってみたら良いのではないかと思います。
―大林さん、どうもありがとうございました。
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