インカレ/サークル/学生団体

英語劇を通じて「対話」を学ぶ/Model Production

加瀬亮、川平慈英、中村雅俊、藤田朋子、別所哲也、そして故 今井雅之、塩屋俊など、多くのプロの俳優を輩出している学生団体がある…。そんな噂からたどり着いたのが英語ミュージカルを制作している学生団体「Model Production」。

 

Model Production(以下MP)出身の俳優の多くは、MPを卒業した後も毎年公演を見に来るなどつながりが途切れていない。

元代表の西田裕信(にしだひろのぶ)さんと、元副代表の藤井希有子(ふじいきょうこ)さんにお話を伺ったところ、Model Production(以下MP)はただ英語で演劇を作っているだけではないということが分かりました。

 

今回は、そんな多くの人を虜にしているMPの魅力についてレポートします!

 

Model Production
総監督の奈良橋陽子(ならはしようこ)氏を始め、プロの舞台ディレクターや音響担当者の指導の下、英語ミュージカルの制作・発表を行っている学生団体。
1967年に故Ricard.A.Via氏が創設し、今年で活動52年目を迎えた。

 

Model Production 2018年公演プロモーションビデオ

 

 

 

 

 

―はじめまして。本日はよろしくお願いします。早速ですが、Model Productionの特徴を教えてください。

西田 まずは、本当に公演のすべてを学生が作り上げていることです。役者はもちろんのこと、照明・メイク・衣装・大道具・音響等の裏方の仕事や、さらに本番中に使用する音楽を生演奏するところまで、自分たちで行っています。次に、団体内では日本語を一切使わないことです。母国語ではない英語で公演をする時にも自分の言葉で伝えたいじゃないですか。なので、2か月半の活動中はすべて英語でコミュニケーションをとっています。英語で話すことによって年齢の壁がなくなり、全員がフラットな関係になるのでいいですよ!

藤井 そうそう!MP に先輩、後輩っていう概念はありません!

 

―すべての活動を英語で行うとなると、英語が話せない人は参加できないのですか?

藤井 嘘だと思われがちですがメンバーの英語レベルは本当にばらばらで、MPにはHello!ということだけで一杯の子から、留学経験者までいます。
英語を話せない子も理解する事、伝える事を諦めずに話したり聞いたりすることを続ければ意思疎通はできます。そして、話せる子も「相手に伝わりやすい英語」を意識して話すようになるので、活動する際の英語のレベルは本当に関係がありません。

西田 逆にレベルの差があることで、お互いに聞きあう・話し合う気遣いが生まれて、実際に外国で行われる本物のコミュニケーションに近づいています。外国に行ったら確実に起こる「伝わらない!」という問題を乗り越える力が付きます。

 

―そういえば、お二人は自己紹介で「元」代表・「元」副代表とおっしゃっていましたがなぜですか?

西田 MPは5月の公演が終わった時点で一度完全に解散するんです。僕らは2018年5月公演の幹部だったので「元」です。(2018年6月7日取材)

藤井 しばらく間が空いた後に、次の公演で幹部をやりたいと思った人がそれぞれの部署を立ち上げます。部署が立ち上がるまで私たちは引き継ぎも一切しないんです。

 

―ええ!?もし、次の幹部に立候補する人がいなかったらどうなるんですか?

藤井 団体自体がなくなります。我ながらよく52年も続いていると思います。(笑)

西田 ほんとに奇跡だよね。

 

―リスクを冒してまで、なぜ毎年解散するのですか?

西田 一度解散しても本当に活動がしたい!という人は必ず戻ってくるので、団体のモチベーションを高く保つことができるという理由もあるのですが、一番大きな理由は、ゼロから物を作り上げるのが楽しいからですね。

藤井 MPは52年間続いている団体であり、毎年新しく立ち上がる団体でもあります。年によってコンセプトや雰囲気が全然違うのがMPの面白いところです。

 

―毎年変化し続けるMPの中で、52年間変わらないものはありますか?

西田 僕が思う、MPがこれからも無くして欲しくないものは「Talk & Listen」という、コミュニケーションの中で相手を尊重する姿勢です。

藤井 舞台を作り上げるうえで、メンバー同士のコミュニケーションやセクション同士のコンタクトが不足すると命に関わる事故が起きる可能性もあります。なので、みんな文字通り死ぬ気でコミュニケーションをしています。そのMPの活動の核となるコミュニケーションに関わることなので、MPはTalk & Listen無しでは活動できません。

 

―活動しているうえで苦労などはありますか?

西田 メンバー105人が最初から同じ方向を向いているわけではないので、意見がぶつかることはしょっちゅうです。みんな本気でケンカをしているのでまとめるのがとても大変で、毎日限界を感じていました(笑)。

藤井 そのケンカもすべて英語でやっているので、言いたいことが相手に伝わらないイライラもあります。

 

―その本気のケンカはどうやって解決するのですか?

西田・藤井 とにかく話し合う!(笑) 

西田 意見の対立はしていても「いい舞台を作りたい」っていう最終的な目標は共通しているので、お互い伝えたいことを全て伝えて、お互いに話を聞きあったら時間はかかっても、必ず両方が納得するところに着地することができます。

藤井 これも「Talk & Listen」の考えで、理解できないから話を終わらせる…のではなく、理解できないから、できるまで話し合うというスタンスです。

西田 普通に生活していたら絶対に経験できない濃さのコミュニケーションが、MPでは毎日繰り広げられています。

 

―活動を通じて何か気づいたことはありますか?

西田 先ほども言いましたが、演劇を作るためにはコミュニケーションが必要不可欠です。また、第二言語のみでコミュニケーションを取ろうとすると、ちゃんと理解をするためにいつもより話を聞きあうようになります。つまり、英語で演劇を作るというのはコミュニケーションを学ぶのに最適な場だと思いました。

 

―他の大学生に伝えたいことはありますか?

西田 大学生は自由に好きな事ができる最後の時期だと思います。なので、さまざまな選択を全力でやってほしいと思います。全力でやることで自分の選んだ道に自信が持てると思うので、本気で何かをやることから逃げないでほしいです。MPは2か月半と活動期間が限られていることもあり、燃え尽きるまで全力で活動できます。

藤井 私は、一人ひとりにあった居場所があると思うので、何かやりたいと思っている学生がみんなMPに入ればいい!とは思っていません(笑)でもMPには「Talk & Listen」があるので、どんな人格も考えも否定しません。どんな人であろうと尊重し合う団体なので、みんな一人ひとりが輝けます。なので、MPはどんな人の居場所にもなると思います。

西田 この僕たちの話で少しでも活動に興味が湧いた人は、MPに参加して損はしないと思います(笑)

―ありがとうございました!

 

編集後記
今回お二人に取材をして、MPが愛されているのはコミュニケーションの深淵を体験できるからだと感じました。良いものを作るために、様々な困難に直面しても諦めることなく何度でも壁にぶつかりに行き、とにかく話し合って解決策を見つけるというのはものすごく大変だと思います。そのMPの活動に全力をかけてきたお二人はとてもかっこよかったです。
来年のMPの公演を見に行けることを楽しみにしています!

 

 

Model Production

HP: https://model-production.jimdo.com

Twitter:https://twitter.com/52nd_mp18

Instagram: https://www.instagram.com/mp18_official

 

 

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gakuseikichi

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