ここ最近、情勢の落ち着かない日々が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。ロシア、ウクライナの問題がSNSなどで発信され、寄付の話が出ていると思います。今回はそもそも寄付ってどんなものなのか、どんな人・団体からどんな寄付の動きが現在行われているのか、加えて学生が出来る寄付についても解説・紹介していきます。
目次
そもそも「寄付」とは?
「寄付」は一般的に金銭を贈ることを指します。募金活動を実施している組織に金銭を贈る事が「寄付」にあたり、品物を贈る場合は「物品寄付」と呼ばれます。
「寄付」に似たようなものとして「義援金」が挙げられ、寄付と同じ意味合いで扱われることが多いですが、実際の意味合いは異なります。「義援金」は当事者である被災者に対して贈るためのお金であり、赤い羽根共同募金やTV局、自治体などを経由して「被災者」に公正・平等に金銭が配布される、そういうお金に当たります。「寄付」の場合は被災地で復旧・支援活動を行っている「団体(NPO法人、各種機関)」に対して金銭を贈る事を指します。寄付は人命救助や建物の復旧などの活動資金として活用されます。
最近のウクライナの問題を受けて寄付の発信をされた方がたくさんいます。その一部を今回、紹介させて頂きます。
ウクライナの問題に合わせた寄付の発信
・作家 逢坂冬馬さん「同志少女よ、敵を撃て」 重版の印税相当分を全額UNHCRに寄付
作家である逢坂冬馬さんは3月1日『同志少女よ、敵を撃て』に対してまた重版がかかったことをTwitterにて発信し、最新の重版の印税相当分を全額UNHCRに寄付する旨を加えて発信しました。
逢坂さんは「寄付先はUNHCRのウクライナ緊急支援ではなく、一般的な窓口にしました。ウクライナに世界の注目が集まり中、シリア、アフガニスタン、パレスチナ、ミャンマー、ベネズエラといった世界中の国にも同じように困難な人がいることを忘れないためです。」とも伝えました。
【逢坂さんが使用したUNHCRのサイトはこちらから。】
【逢坂さんのツイッターはこちらから。】
・小野沢シネマ 「この世界の片隅に」チャリティー上映
戦時中の日本を舞台にした「この世界の片隅に」。その上映を小野沢シネマがチャリティーで行うことを発表しました。チケットの全額がウクライナへの人道支援に寄付されます。
【私たち夫婦の覚悟】この世界情勢に対して映画館が出来ることを考えた結果、『この世界の片隅に』のチケット収入を全額ウクライナの人道支援を行う団体に寄付します。改めて子どもたちと平和を考えるきっかけに。そして、この世界の片隅の綿毛が、私たちが込めた想いがどうか届きますように…。 https://t.co/UNmrvPY0om
— Shimane Cinema ONOZAWA@小野沢シネマ (@onozawacinema) March 8, 2022
リュウジ@料理のおにいさんバズレシピさん 動画の広告収益を寄付
ロシア料理を参考にしたレシピがニュースになってしまったことをきっかけに、その動画の広告収益を全額ウクライナに寄付することを決定。「美味しいロシア料理が排除される世界になりませんよう祈っています」とコメント。
・日清食品グループ、インスタントラーメン10万食の無償提供および1億1500万円の寄付を決定
日清食品ホールディングスは9日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、近隣諸国に避難している人々に対して、現地の赤十字を通してインスタントラーメンを無償提供することを決めました。加えて、国際連合世界食糧計画WFP協会に対して寄付を行い、ウクライナや近隣諸国に避難している人々への緊急食糧支援に活用する予定です。
【ウクライナおよび近隣諸国への人道支援について:日清食品ホールディングスからのお知らせはこちらから。】
・ZOZOのチャリティーTシャツ販売
「ウクライナ人道支援チャリティーTシャツ」一枚税込み2020円で買った金額2020円がそのままウクライナに寄付されます。
【販売サイトはこちらから。】
・楽天クラッチ募金 ウクライナ人道危機に対する緊急支援募金
飲料水など物資支援、保健サービスの提供、子どもの保護を始めとする人道支援に活用されます。3月11日現在、募金件数は473299件、総額は8億円を超えています。
【楽天クラッチの募金サイトはこちらから。】
・在日ウクライナ大使館の発信
ウクライナを応援したい方々に向けてと、寄付金を送金できる銀行口座の詳細を更新し、発信しました。
ウクライナを応援したい方々用に、寄付金を送金できる銀口口座の詳細を更新いたします。以下になります。
三菱UFJ 銀行
広尾支店 047
普通
口座番号0972597
エンバシーオブウクライナご応援、どうもありがとうございます。
— 在日ウクライナ大使館 (@UKRinJPN) February 25, 2022
もちろん、この記事で紹介しているものの他にも寄付をする場所や団体はたくさんあります。ここで紹介したものはあくまで一例です。自分でも調べてみて、どんな風に寄付が使われていくのかも含めて、どのように、どこに寄付をするのかの目安にすることをおすすめします。
ただ寄付をするよりも自分の寄付したいと思うところによりよい形でお金を使ってもらうために寄付をする方が、自分にとってもその寄付を受ける他者にとっても安心感があるのではないかと思いますし、しっかりと調べることで寄付金詐欺といった犯罪にあうリスクを減らす事にもつながります。
学生でも出来る寄付について
一般的に寄付というのは金額が指定されているものではありません。ですから、好きなタイミングで好きな金額を寄付する事が可能です。内閣府の調査によると2000円以内の寄付をする人が最も多いというデータもあります。言い換えれば、少額であろうとも、あなたが寄付したいと思った時に寄付をすることが一番良いのです。
例えば、コンビニなどに設置された募金箱にお金を寄付するのも気軽に出来る寄付の一つです。他にも団体の口座に対してお金を振り込むという方法もあります。ただ団体によっては寄付の最低金額を指定しているところや月額・年額での支払いになっているところもありますので、事前に団体のHPなどで調べておくことをおすすめします。
自分の生活と向き合って、共に世界に生きる誰かのことを具体的な形で助けたいという方法の一つとして、ぜひ寄付という形を考えてみて下さい。
まとめ
ここまで読んでみていかがでしたでしょうか。寄付について少しでも知って頂けたら嬉しいです。この記事を読んで寄付をしたいと思われた方はぜひその気持ちを大切にしてもらえればと思います。学生という身分の中でどうしても自分の生活でいっぱいいっぱいで、寄付に抵抗がある方もいるかもしれません。それも一つのあり方であり、命のかかわる大きな問題が世界で起こっている現在、自分の命を確実に守る一つの選択肢です。「命あっての物種」という言葉がありますが、この記事を読んでくださっているあなたが今を確かに生きていくことも(大袈裟な表現かもしれませんが)世界を変える一歩です。また、そんな風に自分が生きていく中で、寄付することを選んだ方はそれも世界を変える素敵な一歩を進まれていると思います。実際に寄付をするか、しないかは別として、こんな現状があり、こんな声を発信している人がいること、世界の中で生きる誰かを思う事をこの記事から想起して頂ければ幸いです。
この記事を読んでくださってありがとうございました。ガクセイ基地には他にもたくさんの記事がありますので、もしよろしければ読んでみて下さい。
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