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哲学対話ありとぷらさんインタビュー【Part 1:活動について】

今回の記事では「哲学対話ありとぷら」さんへ取材をさせて頂きました。インタビューを受けてくださったのは、代表である倉田英さんと副代表の大熊萌さんです。

お二人のプロフィール
倉田英
慶應義塾大学法学部政治学科 3年在籍中
東京出身 ありとぷらを立ち上げ、月に一度で哲学カフェを開催中
大熊萌
慶應義塾大学文学部国文学科 4年在籍中
埼玉県出身 哲学対話を知ったきっかけは高校の授業

ありとぷらさんそのものについて

―ありとぷらさんのコンセプトについて教えてください。

大熊:活動を始める当初は中高生向けのものを目指していました。今は私達自身の年齢が上がって来て、「学生のための」ということで中高から少し年齢の上がった大学生までを対象にしています。

―「ありとぷら」というのは何が由来なんですか?

倉田:アリストテレスとプラトンで「ありとぷら」なんです。
大熊:本当は「ぐりとぐら」にかけてて。「ぐりとぐら」の発音で「ありとぷら」なんですよ(笑)だから「ぐりぐら」と一緒で、略称も一応「ありぷら」なんですよ!誰も気づいてくれないんですけど(笑)
倉田:皆さん「ありとぷら」って自然に読んでくれるけど、実はちょっと言い方?読み方?が違うっていう(笑)
大熊:高校一年の時にこの団体を作ったんですけど、その時に名前を決めたのを引き継いでいます。私達は中高一貫校時代からずっと一緒だったから、そういう形で団体に当時のものを引き継いできたものはありますね。

―アリストテレスとプラトンっていう二人にしたのには何か理由があるんですか?

大熊:ないよね?
倉田:うん。ないないないない。
大熊:高校生だったし、世界史の時に習った哲学の人って感じで…(笑)
倉田:確か…、名前決めの直前に現代文の授業でイデア論やってて、なんとなくメンバーの頭の中に残っていたんだと思います。後、現代社会でアリストテレスの形而上学みたいなのをやってたりとか。だから、その時のホットトピックで皆が納得できたから決まったという感じですね。

【脱線:【イデア論の解説】【アリストテレス】お話に登場するギリシャ哲学に関してもう少し知りたい方はこちらから。知らなくてもインタビューは問題なく読めます!】

ありとぷらさんの活動について

―普段の活動を教えてください。

大熊:今は月に一回定例会を行っています。毎月募集をかけて、そこに集まった人達と話し合います。

―ありとぷらさんの哲学対話のやり方はどんなものですか?

大熊:私達がやっている方法は次のような感じです。場所を借りて三時間くらい時間を取っておきます。それで最初の30分間でその日話す話題を決めます。例えば「センスって何だろう」とか「大人と子どもの違いってなんだろう」とか…、前回ってなんだっけ?(笑)
倉田:なんだっけ。
大熊:う~ん、「人の目ってなんだろう」か。「人の目を意識する」という言葉の「『人の目』ってなんだろう」っていう。そういう問いの案を出し合って、多数決で決めていきます。その後、決められた問いについて話しあっていくっていう形になります。「哲学」っていうと割と難しい…デカルト(フランス生まれの哲学者。「近代哲学の祖」とも言われる有名な人物。)とかをイメージすると思うんですけど、そういう前提知識は一切なしでとりあえず思う事を話してみようという感じです。別に「哲学」ってついてるけど、堅苦しいものじゃなくて。答えの出ない問いについて考えるっていうことが哲学的だから、そこからの「哲学」って言葉ですね。どこの哲学カフェでも日常的な、だけど答えのない話をしているんじゃないかと感じてそうしました。
倉田:方法は大熊さんの話してくれた通りです。それと、元々僕等が元々中学高校でやっていた「哲学対話」っていうのが「P for C教育(Philosophy for Children)」っていう「哲学教育」から始まってるんですよ。小中学生くらいの人に哲学っぽい考え方を身に着けてもらうために始まっているらしいんです。だから、前提知識どうこうとかは置いておいて、ラジカルに話すことをメインにして大切にしている感じです。僕も大熊さんが言っていたような答えのない、言い換えると「どこまでも問いかける」みたいなことは哲学だなと思っているし。そういう哲学要素はあるかなと思っています。

―活動を始めたきっかけについて教えてください。

大熊:私たちの中学高校が中高一貫の開智中学・高等学校っていうところなんです。学校の授業の中で『哲学対話』という授業があって、大学の先生が来てくれて、何回か哲学対話をする機会がありました。その活動が面白くて、高校内だけではなく外の人とやりたかったんです。高校だと境遇の同じ人が集まりやすいけれど、外の人とやることでもっとたくさんのことに触れられると思いました。学校に来てくれた哲学対話の先生の力も借りて高校生の時にこの団体を立ち上げました。
倉田:確か、当時発起人になったというかアイデアを考えたのは大熊さんで。哲学カフェっていろいろあって、その時行ってみたんですけど、年配の方がやってるんですよ。人の話を聞かないで、自分のことばっかり喋ってる。それじゃ同世代の人とやっていた楽しい感じはなくて。大人と一緒にするのは違うなと思って同世代の人とやりたいなと思いましたね。これはコンセプトを考える時にも影響したことでしたね。

【お二人の出身校である開智中学高等学校の哲学対話に関するリンクはこちらから。】

―活動の中で大事にしていることは何ですか?

倉田:
哲学対話のユニークポイントは二つあります。一つは普段話せないことをがっつり話せるっていうこと、もう一つは「対話のルール」があることです。

【ありとぷらさんの「対話のルール」サイトURL】

普通の議論ならどんなことでも話していいってわけじゃないですよね。話の流れを見て脱線しないことなんかが求められたりして。でも、そういうの気にしなくていいよ、っていうあり方で。話そらしていいよ、好きなこと話していいよ、とか。意見によって相手を非難、批判しない、とか。話したくないなら黙っててもいい。途中退室も可能ですし、後から帰ってきてもいい。そういうのを基盤においた「安全に話せる場所」を作りたいなと思って、このルールがあるんです。界隈の人は「対話のセーフティー」って呼ぶみたいですけど、要は皆の心を安全に保ちましょうねっていうのは運営するうえでも意識しています。
大熊:話し合う内容がセンシティブになることも多いから、こういうルールを設けているところもあります。例えば、先月のお題の「人の目ってなんだろう」でも、それぞれが「周りの目を過剰に気にしてしまうのはなぜか」を考えていきますよね。その中でそれが起こるのは自分の過去のことだったり、両親とのかかわりだったりっていう普通あまり人前で語れないことがあったりする場合もありますよね。それは気軽に話せることではないと思うので、こういうルールがあります。

―対話のルールの中の「毛糸のボール」っていう表現が面白いんですけど、これは何ですか?

倉田:それは界隈の人が使っていたもので…
大熊:「コミュニティボール」っていうんです。哲学対話をしている団体が割と使っているみたいで。
倉田:毛糸で作ったボールじゃなくてもいいんですよ。例えば、ぬいぐるみとか。とにかく、それを持っていないと発言しちゃ駄目ですよっていうものです。もちろん、相槌はいいんですけど。それを参加者同士で投げ合って、受け取った人が話すんです。そういうのを作るとずっと喋ったり、人の話を途中で「それは違うよ」って遮ったりっていうのを防げたりするので。後、自分のことを語ろうとするとどうしても長くなってしまうことがあると思うんですけど、それ(ボール)を持っている間はその人の時間だから、好きに使っていいよという目安にもなります。そういう意味で大事な要素の一つです。
他のルールも文言とかは自分達で作ったんですけど、中学生の時にやっていた時の反省とか先生が言っていたこと、他の団体がやっていたこととかを取り入れて今のルールが出来上がりました。

続きはこちらから。

今回の記事はここまでです。続きにあたるPart2は以下のリンクからどうぞ。

【哲学対話ありとぷらさんインタビュー 【Part2 活動について】】

Part3は明日公開します!少し個人的な話やこれからのお話について、また編集後記を書かせて頂いているので、ぜひぜひチェックしてみてください!

また、インタビューをさせて頂いた哲学対話ありとぷらさんのSNS・連絡先は以下の通りです!

サイト:https://aritopura-philocafe.localinfo.jp
ツイッター:https://twitter.com/aritopura
メール:aritopura@gmail.com

他にもガクセイ基地では学生団体へのインタビューの記事がありますのでよかったら以下のリンクからご覧ください!

【「ラジカル反応」を起こす対話を。学生団体ラジリアさんインタビュー【前編】】

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