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「ラジカル反応」を起こす対話を。学生団体ラジリアさんインタビュー【前編】

今回のインタビューは学生団体ラジリアさんに伺わせていただきました。学生団体ラジリアは2020年4月に始まったオンライン活動を行っているコミュニティです。取材を受けてくださったのは、学生団体ラジリアの創立者であり、現代表の船岡佳生(ふなおかよしき)さんです。

 

船岡さんプロフィール
船岡佳生(ふなおかよしき)
好奇心旺盛で人と話したり、音楽や旅が好きな23歳。
飛行機が好きで、サークルで鳥人間コンテスト2019年電装班長として滑空機部門準優勝に導いた。また、九州大学相撲部の復活に尽力しメディアの注目を集めた。九大卒業後、学生団体ラジリアを創設し、大学生の蛸壷化を打破する為の活動を始める。また、現在日本リベラルアーツ協会を一般社団法人化しライフワークと試みている。そのために東京工業大学環境社会理工学院に転学し、中野民夫研究室に属し対話やワークショップを市民科学の活動に活かす研究を行う。専門は科学技術社会論・工学。

ラジリアそのものについて

―ラジリアさんの普段の活動を教えてください。

基本的に根本にあるのは「学び」のコンテンツで、オンラインで行う活動ですね。人と話す、「対話」を行うということを核にしています。時期にもよるのですが、本当に多岐にわたる活動を行っています。
例えば、一人で本を読むだけではなくて、他の人とその感想を言ってみようということで読書会をしていますね。対話を基本として、あとは今のメンバーのやりたいイベントを企画しているという感じです。そして、それが世に広がると思えることを意識して活動しています。

―ラジリアの活動を始めたきっかけは何ですか?

コロナ感染症が流行した2020年の4月、新入生の方は大学にも行けないし、授業のこともよくわからないという状況だったと思います。それで、その時私はちょうど大学を卒業して、大学院に入ったところだったんですね。
なので私も時間があって、後輩の、特に新入生のために何か出来ないかなと思ったんです。結構様々なサポートがされていたのですが、その中でも「授業」のサポートはないなと感じました。大学に入って先生の話が聞けないというのはさみしいし「オンデマンド授業で本を読んどけ」って言われたら新入生が可哀想じゃないですか。だから、自分の伝手で先生を呼ぶことにしました。当時はオンライン授業が始まったばかりで大変でしたがズームを使ってオンライン講義をしてもらうという形で行っていました。

―学生団体に決めたのはいつ頃でしたか?

自分の大学の中で協力してくださる先生を引っ張って来て、新入生は誰でも参加できるイベントを開催し続けていたんですよ。ある時、他大の方が「それ、いいですね、広げましょう!」と言ってくださって、加えて、いろんな仲間も来てくれました。そこからオンラインという特性も生かして、自分の大学だけでなく、外に向けて、学生団体として徐々に大きくしていったという感じです。

―その中で形も変化していったのでしょうか?

しばらくすると大学のオンライン授業もだいぶ落ち着いて来たので、授業ではなく、雑談やちょっとしたゲームをする遊びの場として、活動内容が変わっていきました。その中で学生団体について取り上げるようなイベントをされている学生団体総選挙さんにお声がけ頂いたり、自分達の活動を宣伝・告知していく中で、便宜上の関係も含めて『学生団体』として名乗ることが多くなりましたね。

―ラジリアさんのコンセプトについて教えてください。

「ラジカル反応をおこしていく」ということです。
僕がもともと、こういう人でありたいと考えていたビジョンとして『ラジリア』というコンセプトは出来ています。ラジリアというのは「ラジカル」「リアクション」という言葉を組み合わせてできています。「ラジカル」というのは、有機化学の分野の用語で、簡単にいうとエネルギーの高い電子が他に反応を起こして、それがどんどん広がっていくという反応の形態のことなんですね。僕はそれがとてもいいなあと思っていて。
大学って皆基本的に内なる思いを持っていても出さなかったり、出しても浮いてしまったりしますよね。でも、そういう変わった、エネルギーの高い人だからこそ、出来る事というか、他の人に影響・感染するということがあると思うんです。だから私自身そういう人になりたいなと思っていて、それが「ラジカル・リアクション」だったんです。
僕からそのリアクションが起きたらいいなと思うし、僕からまた新しい誰かが反応を起こして、さらにその周りにも…っていう感じでどんどん反応が起こっていけばいいなと思っています。また「反応」って様々あると思っているので、いろいろなことが出来る仲間として一緒に関われたらいいなと思っています。

【ラジカル反応についての解説はこちら。非常にわかりやすかったので、文系の方やラジカル反応についてもっと気になった方は閲覧してみてください。ラジリアさんの記事になります。】

―具体的な「反応」に関するエピソードはありますか?

ある時、知り合いで、ずっと文学に関連したことが多くて、日常的に他の人の考えに触れることがない人がいて、その方を「楽しいから一度、やったことがないなら、一緒にやらないか」って、運営にお誘いしたんですね。それだけでもその人は変わりましたし、その後も、今度はその人自身が反応を届ける側になって、何かイベントを主催したり、ファシリテーターを務めたりしていました。
人って、自分とは何か違う考えというのが出てくると「なんか苦手だな」と思ってしまったり「その話はしないでおきましょう」となってしまいがちだと思います。でも、そこから逃げずに「私と貴方は違うんですね」という前提がありながらも対話する。そんなあり方を大事にしているんですけど、それに共感してくれた人が「人生変わりました!」みたいなLINEをくれたことがあって、それは本当に嬉しかったですね。そういう反応がラインをくれた彼女を通して、もっともっと広がっていけばいいなと思っていますね。

それぞれのラジリアの活動について

―運営されているそれぞれのイベントについての魅力を教えてください。

対話カフェについて

「対話カフェ」は特にラジリアの活動の中でもずっと続いているコンテンツで、この間ちょうど50回目を迎えました。対話とは討論や議論とは異なって、結論を出すわけではありませんが、自分の価値観を正直に発言できて、異なる他者の意見でも素直に耳を傾けることを目的としたコミュニケーションの在り方のことです。対話もいろいろ人によって定義や大切にしていることがあるのですが、ラジリアでは瞬間的な否定や断定をせずに、謙虚かつ勇敢に沈黙や変容を楽しみながら話すことを対話において意識しています。
また、大学生だけではなくて、大人とも対話をする場を作っているというのが、ラジリアの特徴でもあります。

―大人との対話の魅力とは何ですか?

大学生って基本的に学生とだけいると思うんですよ。フラットに関われる大人というのは家族以外にあまりいないと思います。一人暮らしならなおさらですよね。その中で物事を考えようと思った時にどうしても独りよがりな考えになってしまったり、学生特有の考えになってしまうこともあります。それが必ずしも悪いわけではないんですが。時に人生の先輩である大人とも話すという機会を得ることで、大学という蛸壷空間から出やすくなります。
本来すごく偉い人、でもズームを通して対話をすれば、一人の人間同士なので。そういった、大人との交流をする場が大切だということを考えています。

ラジリアゼミについて

一般的な講演会では話し手が持ち上げられている印象があって、その人の話をありがたく聞くってことが前提にあると思うんです。でも、それじゃ面白くないじゃないですか。偉い人なんてたくさんいるし、今ならyoutubeとかのコンテンツで良い事を言う人もたくさんいますよね。わざわざ同期コミュニケーション(※双方向で同時に話すことの出来る状態)でやる必要はないと思うんですよ。
だから、ラジリアゼミは「一人を囲んで質問攻めしてやろう」という形にしてるんです。良いところが出ればもちろん良いし、反対にその人自身が、隠したいことなんかも少し見られたら面白いかなと思っています。それが見えるようなライブ感、臨場感、楽しさ、自分がこういう発言をしたことによって空気が変わる事の面白さを楽しめるのがラジリアゼミだと思っています。だから、呼んだ人が一方的に話すだけの状況は作らないようにしていますね(笑)。

読書会について

主に好きな本を紹介するイベントですが、ジャンルは何でもよくて、なんでもありの読書会ですね。好きなものを好きなように、本が本当に好きっていう気持ちを大切にしています。文学じゃなきゃ駄目というルールもなく、難しいものじゃなくちゃいけないという考えもなく、何でもありのコンセプトでやっています。出てくる本もかなりニッチなものが出てくることが多いです。

―ラジリア全体としてとても活動の自由度が高いんですね。
そうですね。やっちゃいけないことっていうのは基本ないので。
「失敗を語るゼミ」という企画を持ってくれた人がいて。それはすごく面白かったですね。基本的にオンラインで話していれば、多少なりとも距離感があるし、あえて自分の弱いところってさらけ出す必要もないわけですよね。でも、あえてそういうことを話す場を作ることで、相手の知らなかった部分を知る事が出来て楽しかったですね。

続きはこちら

前半の記事はここまでです。さらにもっと深くお話を聞いていき、ラジリアさんのこれからについてもおききしている記事になっています。後半のリンクはこちらです。

今回のインタビューを受けてくださった学生団体ラジリアさんに関するリンクはこちらから。

【学生団体ラジリアさん関連リンク】

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