接客業に関わりたいけど客室乗務員ってどんな接客をするんだろう…
客室乗務員に憧れるけど、学生の間に何をすればいいの?
といった皆さんの疑問を元客室乗務員の市岡綾乃さんに伺ってみました!
日本航空(JAL)、ヴァージンアトランティック航空(VS)で客室乗務員として勤務した後、現在はアイザックエアラインスクールの講師をしている。
その他、企業や政府系機関のマナー講師や就職対策講座を担当。
著書:「カタコト・イギリス英語ノート」/ブログ アメブロ「美人の一歩」
目次
機内アナウンスまで工夫する客室乗務員
―接客をする上で大切にしていることを教えてください
本気でお客様の立場に立ち、十人十色の接客を心がけることです。
お客様が本当に望んでいることは何か、見極めるのは簡単なことではありませんがそこにこそやりがいがあるのです。
誰かに喜んで頂けた接客が、別のお客様にも喜んで頂けるとは限りませんからね。
常に一人ひとりに向き合う気持ちで接客します。
―工夫していることについて、もう少し詳しく聞かせてください。
機内アナウンスにはいつも季節を感じて頂ける言葉を入れるようにしていました。
例えば5月なら、「新緑がまぶしい季節となりました」という具合にです。
四季があるのは「日本ならでは」ですのでそこに着目して、日本を感じて頂けるようなおもてなしを目指していました。
―客室乗務員を経験したメリットは何でしょうか?
客室乗務員というよりは、JAL出身ということで世間の信頼度が高いです!
「きちんとしている」「マナーが良い」と最初から良い印象を抱いて頂けることが多かったです。
ただし、期待が高い分、それに応えなければならないというプレッシャーもありますが。
辛かった訓練生時代
―訓練生時代のエピソードを教えてください。
JALの訓練生時代、毎回のテストでは80%以上得点しなければいけませんでした。
ヴァージンアトランティック航空(以下VS)の訓練では88%以上が必須です。
JALの訓練で特に印象に残っているのは、当時運行していたジャンボ機の2階席のスライド(脱出用シューター)を滑る訓練です。
高さがとても高く、シングルレーンスライドと言って幅が1人分なので下に落ちそうで怖かったです(笑)
一方、VSの訓練で大変だったのはFirst Aidの訓練です。薬の名前や病名などをすべて英語で覚えなければならなかったので。
また、足のつかないdeep poolでの救難訓練も死にそうでした(笑)
立ち泳ぎをしながらライフベルトを着用したり、ラフト(ゴムボードのようなもの)に飛び乗り、みんなで漕いでプールサイドまで移動したりするなど、本格的な訓練で非常に大変です。
ですが、厳しい訓練を共に乗り越えた同期は一生の友達となっています。
客室乗務員を目指す学生へ
―学生時代にやっておいた方がいいことは何でしょうか?
部活動や習い事など最低2つ以上を、長く続けることをお勧めします。
以前は様々なことにチャレンジすることが求められていましたが、今は1つのことをしっかり続ける方が好まれている印象を受けるためです。
また、接客適正のアピールとしては、やはり接客業のアルバイト経験があった方がいいです。
接客時間が持てるレストランやカフェ、また、第一印象が重視されるマンションコンシェルジュや住宅展示場、コンサートホールの受付のアルバイトなどがお勧めです。
イベント系のアルバイトは派手なイメージで敬遠されるので勧めません。
さらに、英語の勉強は必須です。
最近ではTOEICの点数が600点以下だと書類選考が通過しない可能性があります。
また、気になる人も多いようですが、最終面接時に行われる健康診断は、整形外科系と耳鼻科系が特に厳しいです。
普段から正しい姿勢を心がけ、健康を意識した生活をすることは客室乗務員になる上でとても大切です。
―目指す上で覚悟しておかなければならないことはありますか?
JAL時代「体調管理も客室乗務員の仕事の一つ」と先輩から言われていました。
客室乗務員という仕事が体力的に厳しいことは事実です。
自分なりの健康管理法を持っているといいと思います。
国際線に乗務する際は「時差」があるので、好き嫌いよりも「向き不向き」が重要となってきます。海外に到着すれば、時間や気温、周りの環境など大きく変わります。そのような状況でも柔軟に対応する身体的&精神的な力が必要です。
―市岡さん、貴重なお話ありがとうございました!
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