航空・旅行/宇宙

宇宙好きによる『ファーストマン』用語解説!

※この記事にはネタバレを含みますので、ご了承ください。まだ鑑賞されていない方はご注意ください。

 

先日、『ファーストマン』を鑑賞してきました。この作品は「ラ・ラ・ランド」ので監督と主演俳優が再びタッグを組んだことで話題となりました。鑑賞後、私は大きな感動に包まれましたが、宇宙への予備知識があった人の方が絶対に面白く鑑賞できた、ということです。文学部に通う友人と鑑賞したのですが、宇宙分野に精通しない友人にとっては、馴染みのない言葉が多々あり、内容が頭に入ってこない場面が多々あったそうです。そこで、この作品をより楽しむことができるよう、恐縮ながら解説させて頂きます。鑑賞済の人も、鑑賞前の人も参考にしていただけたら幸いです!

 

米vsソ連の宇宙競争!?

劇中で、NASAの職員がソ連に宇宙開発を先超されて、激高しているシーンがあったと思いますが、その背景にクロースアップしてみたいと思います!当時、アメリカとソ連は様々な分野で争っていました。有名なものに、みなさんご存じの核爆弾開発競争がありますが、争っていたもののなかには実は宇宙開発競争もあります!「どちらが先に宇宙へ人を送るか」、「どちらが先に月に降り立つか」などを争っていました。そんな宇宙開発競争の中で、実はアメリカはソ連に常に遅れをとっていました。現在では、NASAは宇宙開発の最先端を走っていると言われていますが、意外なことに少し前まではそうではなかったんです!その分岐点となったのが、かのアポロ計画であったのです!!アメリカが人類初の月面着陸を成功させたことは、その後の宇宙開発競争に大きな影響を与えました!

 

「ナハ」に着水せよ!

これは、文系の友人が私に解説してくれたキーワードです。アームストロングたちが地球に帰還する際、ヒューストンの管制室から「ナハ」に着水せよ、と指令が下るシーンがあったと思います。わたしは何気なく見ていたシーンですが、友人はこのシーンを私に解説してくれました!このシーンは時代背景を考えてみると、少し違った見方をすることができます。これは、1966年2月の出来事です。1966年といえば、日本は戦中に起きた様々な問題を清算していた時期です。そしてその解決した問題の中に沖縄返還問題があり、日本に沖縄が返還されたのは、1972年です。つまり、この1966年のシーンでは沖縄はアメリカの領土であったため、ヒューストンの指令はハワイなどではなく、「ナハ」が着水地点として選ばれたのです。歴史的背景を考えると、宇宙映画もまた違った興味深い見方をすることができますね。

 

エラーコード1202

(参考:「宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八」小野雅裕著)

こちらは、私が一番声を大にしてお伝えしたいキーワードです。このエラーコード、どこのシーンで使われていたか、分かりますか?正解は…ついにアームストロング達が月面へ着陸するという時に船内に鳴り響いていました!彼らが何度ヒューストンの管制室に訪ねても「問題ない。続行せよ。」の指令しかない状況を見て、不可解に感じた人も多くいるでしょう。私も「宇宙に命はあるのか」という本を読まない状態で鑑賞していたら、感動は半減していたことでしょう!実はこのエラーコード1202には裏話があるんです!このエラーコード、実はもともと女性プログラマー、マーガレット・ハルミトンによってプログラムされていました。彼女が想定していたエラーコード1202は「もし宇宙飛行士が操作ミスをしたら」というコードでした。しかし、このコードを上司に提案した際「優秀な宇宙飛行士が操作ミスをすることはあり得ない」ということで却下されていたのです。しかし、彼女はそれでもこのプログラムの重要性を考慮して、密かにエラーコード1202を船内のプログラムに組み込んでおきました。そして、結果としてアームストロングたちが操作ミスをしたのか、また異なる原因かは定かではありませんが、彼女の想定したコードが功を奏し、ニールたちは月に着陸することができたのです。もし、彼女がこのコードを考え付かなかったら、またはこのコードを上司に反対されたときに諦めてしまっていたら、人類月面着陸の日はもっと遅かったかもしれないのです。この背景を知ると、あの一瞬のシーンへの思い入れと感動もひとしおですよね!

 

いかがでしたか?鑑賞済だった人は、ああそういうことだったのか、と合点がいっていたらうれしいです(笑)これからの方は、ぜひ今回紹介したキーワードに注目して『ファーストマン』を存分に楽しんでください!ご一読ありがとうございました!!

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gakuseikichi

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