航空・旅行/宇宙

旅に選択肢を与える/ジェットスター・ジャパン

飛行機は高い、という概念を覆し、旅を身近にしたLCC(格安航空会社)。
そんなLCCの中で、国内線ではシェアNo.1を誇っているのがジェットスター・ジャパン。
今回はジェットスターグループ コンシューマーPRマネージャーの高橋さんに、LCCの特徴や企業努力など様々なことをお伺いしてきました!

 

高橋さん、本日はよろしくお願いいたします!
さっそくですが、LCCはまだ知られるようになってからそんなに年月が経っていないように思います。日本ではいつごろからLCCが浸透するようになったのでしょうか。

日本国内にLCCが何社か立ち上がった2012年は、「LCC元年」と呼ばれています。
そのころから日本でもLCCという言葉が定着するようになりました。
ジェットスターグループは、もともとオーストラリアの会社で、日本に1番初めに入って来たLCCです。
当初は、オーストラリアから日本に乗り入れる路線のみでしたが、その後アジアからの路線も就航し、2012年7月からは、ジェットスター・ジャパンによる国内線の運航を開始しました。

まだ定着してから5年ほどなんですね!ジェットスター・ジャパンの場合、国内線は現在ではどのくらいあるのでしょうか。

12月21日に新たに、東京と宮崎を結ぶ路線が就航し、国内は17路線、一日最大94便運航しています。

 

利用者はどのような人が多いのでしょうか。

 

20~30代の若年層が多くを占めています。
フルサービスキャリアはビジネス利用も多くみられますが、ジェットスターの国内線では約8割がレジャー*目的です。
低価格帯で運航をしているからこそ、飛行機を使った旅行をしてこなかった人々が利用できるようになったんです。

レジャー* ・・・旅行、帰省など家族や知り合いに会いに行くVFR(visit friends and relatives)を含む。

大手航空会社との顧客の取り合いはないのでしょうか。

すでにある航空市場を取り合うという考え方はしていません。
あくまでもLCCは、「お客様の選択肢を広げる」ことを目的にしております。
移動にお金をかけたいお客様、移動にはお金をかけずに旅先でお金を使いたいお客様、さまざまいらっしゃいます。
お客様が自分の目的に合わせて旅行ができるように、私たちは新たな選択肢を提示していきたいと思っています。

つまり、フルサービスキャリアの利用者をLCCに移行させるのではなく、新しい市場を開拓しようとしているのです。

新しい市場を開拓するためにどのようにプロモーション活動を行っているのでしょうか。

私たちのプロモーション活動の特徴的な取り組みとして、他業種とのコラボレーションがあります。
例えば、2017年の夏には、映画『スパイダーマン:ホームカミング』とコラボレーションをして、キャンペーンを実施しました。
また、ファッションブランドの「GAP」とも共同でキャンペーンを行いました。

「スパイダーマン」や「GAP」・・・。一見、旅行とは全く関係がなさそうに思えるんですが。

市場を拡大するために「旅好きな人」に向けてプロモーションを行うだけではなく、旅以外に興味を持っていらっしゃる方へ旅に目を向けてもらうことが市場拡大の重要な点だと思っています。映画好きな人や洋服に興味がある人が、普段の生活の中でジェットスターに触れ、少しでも旅という気付きを与えられればいいですし、さらに実際に旅行に行こうと思った際にジェットスターの文字を見て、親近感を持っていただけるのではないでしょうか。
このようにしてお客様の潜在意識の中にブランドを埋め込むために、他業種とコラボレーションを行っています。

では一般的な航空会社とLCCとの根本的な違いは何でしょうか。

みなさんはどうしてLCCの航空券がとても安価だと思いますか。
通常の航空券には、サービス料や機内食、ドリンク、燃料代などの様々な料金が含まれています。
LCCの考え方は、その様々な料金を、「使う人だけが支払えばいい」というものです。
つまり、私たちの航空券の価格は、最低限ある地点からある地点へ行くための必要な運賃で提示されています。
その最低限の航空券に、お客様自身が選択してサービスを追加していただけます。

たしかに人によって条件が異なるのに同じ料金を支払うのは不公平な気がしますね。

航空券が安くなっているのは、それだけではありません。その秘密は企業努力にもあります。
例を3つ挙げましょう。
一つ目は、「スタッフのマルチタスク」です。ジェットスター・ジャパンでは、キャビンクルー自らが運航の合間に機内清掃を行っています。そのようにスタッフが一つの業務だけでなく、部署を横断して仕事を行うことで、効率を上げ、コスト削減につなげています。
二つ目は、機械化です。例えば、ジェットスター・ジャパンでは、飛行機を後方に引っ張る際に日本に2台しかないリモコン操作のできる車を採用しています。そうすることで人件費を削減することが出来ます。また、モバイル搭乗券という予約から搭乗までスマホで完結できるシステムを用いることで、お客様にとっても、便利で、効率の良い運用ができています。
三つ目は、機材の統一です。機材を統一することで、運航乗務員や、整備士の資格が統一できたり、マニュアル等も何種類も持つ必要がなくなります。
そして、使用している機材はすべて世界で最も使用されているエアバス社のA320という種類の新造機で、不具合の事例がこれまでに積み重ねられてきているため、何かあった際にも解決が早く、コストも削減できます。

航空券が安くなっている仕組みはたくさんあったんですね!
一方でお客さまの満足度はどうでしょうか。

よくLCCに対して、「乗り心地が悪いのではないか」「サービスがよくないのではないか」というイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思います。
しかし実際に乗ってみると、「全然いい!」といった声を多数いただいているので、お金をセーブできた分の価値は感じていただけるのではないでしょうか。
フルサービスキャリアに比べ、座席間隔は狭いですが、シートポケットを上に持ってくることで足元に余裕を作っていることや、乗り心地のいい革張りのシートを全席に採用するなど、細かな工夫の積み重ねで、高い満足度を維持しています。

ジェットスター・ジャパンは他のLCCと比べてどのような特徴がありますか。

他のLCCは、大都市と北海道、福岡などを結ぶ幹線と、国際線に力をいれていることが多いと思います。
ジェットスター・ジャパンも、幹線にはもちろん力を入れていますが、それに加え、地方に行くための国内線に力を入れています。そのため、国内線の路線数、便数ともに充実しています。
また、数多くのセールも打ち出しています。
最近では、ラーメンを食べに行く感覚で、飛行機に乗ってもらえるように、ラーメンの相場である802円で航空券を販売する、「ラーメン価格に挑戦セール」を実施しました。
また、名古屋を新たに拠点とする際に、名古屋は“6”路線を持っているので、片道“6”円の「スーパースターセール」というのもやったんですよ!
そして、全ての大前提にあるのが「安全性」です。ジェットスター・ジャパンで親会社であり、4年連続で世界一安全な航空会社に輝いているオーストラリアのカンタス航空の安全基準やルールを採用しており、厳しい基準とスタッフの高い安全に対する意識で運行をしているので、安心してご搭乗いただけると思います。

LCCは今後日本の市場でどのように変化していくでしょうか。

旅行市場は、何もしなければどんどん縮小していくでしょう。その中でLCCは、マーケットを広げていくことのできる存在だと思います。
今後も個人旅行の多様化するニーズにこたえられる存在として成長していくことが出来るでしょう。

最後に大学生に向けて一言お願いいたします!

学生のうちに旅はした方がいいと思います!今はインターネット上でさまざまな情報をかんたんに得ることが出来ますが、実際に行ってみると感じることは全然違うと思います。
実際に行って体験をして、人と触れ合うということを感受性が豊かな学生のうちにやることはとてもいいことなのではないでしょうか。

高橋さん、ありがとうございました!
LCCが日本でも一般的になってきて、私たち大学生でも気軽に飛行機に乗って遠出ができるようになりました。

今回その安さの秘密に航空会社の様々な努力が隠れていることを知り、今まで「快適ではないのでは?」「安全性は?」と疑問を持っていましたが、これからどんどんLCCを利用したいと思えた取材でした!

 

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