航空・旅行/宇宙

地域の魅力を採掘!/星野リゾート

日本旅館ブランドとして全国に施設を展開している星野リゾートは、今年でなんと創業104年。
それぞれの地域の特色を生かした「滞在演出」の秘密を探るべく、星野リゾート人事ユニットの佐藤さんにお話を伺いました!

社内の壁には104周年の文字が飾ってありました!

 

―初めに佐藤さんのこれまでのキャリアをお伺いしてもよろしいですか。

現在はグループ人事ユニットで働いていますが、入社後3年間はサービスチームに属していて、施設で運営を担う立場でした。
10月に入社をし、1年目は研修として、星のや軽井沢と福島にある*裏磐梯ホテルで勤務しました。その後、2年目には正式配属で「リゾナーレ熱海」を希望し、そこで2年間勤務をしたのち、現在の部署には立候補をして異動してきました。

*裏磐梯ホテル・・・現在の裏磐梯レイクリゾート。現在は、星野リゾートの運営ではない。

 

―10月に入社をしたのですか?
はい、星野リゾートでは、2・4・6・10・12月から入社する月を自分で選ぶことができるんです。
私は10月に入社することを選択しました。学生時代にバイトやサークル活動で忙しくしていて旅行をする機会がなく、旅行にかかわる仕事に就職するのに自分自身が旅行の魅力を知らないのはもったいないと思ったんです。なので、大学卒業後から入社までの半年間を使って、バックパッカーとしてヨーロッパや国内を旅行していました。
4月に入社される方が一番多いですが、昨年は10月に入社した方は約90名と決して少数派ではありません。また入社月を分散することで、新入社員を手厚く指導することもできています。

 

―先ほど現在の部署に異動する際に立候補したとおっしゃっていましたが、希望を出すことができるのでしょうか。
星野リゾートは「キャリアは自分で描くもの」と考えています。
会社から異動を命じられることはありません。自分自身がどうなりたいかに基づいて、他人にキャリアを決められるのではなく、自分の選択でキャリアを描いていきます。そのため、年に一回実施される異動希望調査やオープニングメンバーや総支配人に立候補できる制度もあるんです。

 

―星野リゾートは*4つのブランドをお持ちですが、ブランドによって客層や雰囲気は全く違うのですか。

ブランドによってコンセプトが違うので、雰囲気は異なりますね。
例えば、「星のや」のコンセプトは「現代を休む日」です。なので、日々忙しい中を過ごされるお客様が、非日常を過ごしたいという思いで宿泊を希望されるので、そのような空間へお客様をいざなうための工夫が館内にたくさんあります。
そのほかにも、「界」は「王道なのに新しい」、リゾナーレは「大人のためのファミリーリゾート」、OMOは「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル」。それぞれのコンセプトを大切にしており、誰に何を伝えるかが明確なので、お客様もニーズに合わせて施設を選べるようになっています。

*4つのブランド・・・「星のや」、温泉旅館「界」、リゾートホテル「リゾナーレ」、都市観光ホテル「OMO」

星のや軽井沢

 

リゾナーレ熱海 ツリーハウス

 

 

―ブランドによって働き方も異なるのでしょうか。
細かな違いはありますが、「サービスチーム」という働き方というのはどの施設にも共通しています。
サービスチームは、接客はもちろん、サービスの企画、分析、改善などもすべて担っています。つまりサービスチームは、お客様の滞在を演出する総合的なチームなのです。
お客様との接点をより多く持てるように、マルチに業務を習得し、接客と同時にニーズ調査も行います。星野リゾートではこれを「マルチタスク制」と呼んでいます。
そのほかにもマーケティング、顧客満足度分析、競合分析など多岐に渡って行い、それらをもとに施設や催事イベントの企画、改善をします。企画から提供まで一括でできることは、共通していますね。

 

―マルチタスクだと覚えることが多くて大変そうですが・・・
確かに一つの業務だけをやるわけではないので、覚えることは多いです。一方でお客様のことを、滞在全体を通して想像できることがいいことだと思っています。例えば、フロントでお客様が誕生日だと知った時に、その場だけでなくレストランでの特別なサービスを提案したり、滞在するお部屋に細かな仕掛けをしたりすることで、滞在を通して演出することができます。実際に1年目の時は大変でしたが、できることが増えると提案できるサービスの幅も広がると実感しました。

 

―現場の方はマルチタスクで多くの業務をされていることがわかりました。それでは本社にはどのようなお仕事があるのでしょうか。
イメージとして、「現場はお客様との接点は多いけれど、意思決定をするのは本社」と考えていらっしゃる方が多いと思います。
しかし星野リゾートでは、お客様と一番近いサービスチームこそが運営のかなめを担っており、競争力の源なのです。そして各施設がより良く運営できるようにサポートするのが、サポートユニットの仕事です。
なので、本社ビルが東京にある!といったわけではなく、人事や広報は学生やメディアと関わるために東京に、予約手配は沖縄、財務やシステム管理は軽井沢など、日本各地で勤務しています。

スタッフの勤務イメージ

―「フラットな組織」ということですが、先輩後輩の関係はどうでしょうか。
職歴ではなくて、それぞれの経験や価値観を持ってお客様のニーズにこたえるために話し合いをするので、様々な意見が交わされます。
先輩にかなり攻めた提案をした時も、否定するのではなく、実現できるように一緒に考えてくださいました。社員同士も全員さん付で呼び合っていて、チームの一員として尊重してもらえていると感じますね。

 

―会社全体としてはそのような雰囲気ということですが、スタッフにはどのような方が多いのでしょうか。
いろいろなことに興味を示し、経験し、多様な価値観を持った人が集まっているので、個性はあるのですが、その多様性を受け入れながらチームとして働くことを楽しめる方が多いです。
また、「フラットな組織」ということで、指示されるよりも、自分で考えて行動することを楽しんでいらっしゃいますね。また、知的好奇心や学習意欲が強いのか、社内ビジネススクールにはかなり多くの方が参加されています。

 

―ビジネススクールがあるんですね!
そうなんです。「麓村塾」と呼ばれるビジネススクールがあり、「コーチングスキル」や「インバウンド戦略」、「ワイン講座」などさまざまな講座から選択することができます。東京での開催がメインですが、各施設でも講座が開催されています。

麓村塾の様子

 

―それでは佐藤さん自身についてお伺いしたいと思います。どうして佐藤さんはホテル業界に就職しようと思ったのでしょうか。
決して、ホテル業界と絞っていたわけではありません。
大学生の時に心理学を勉強していて、「人の幸せに携わりたい」と思っていました。また、学生時代に学生団体で活動をしていて、自分が情報を発信することで、その人の選択肢が広がるということにやりがいを感じていました。
そこで自分が魅力的だと感じたものを発信していくことで、多くの人が幸せになれるような仕事がしたいと漠然と考えるようになりました。

 

―その中で星野リゾートを選択したのはなぜだったのでしょうか。
星野リゾートの、スタッフ自らがその土地に住みながらにして、魅力を発掘して、それを磨き上げ、さらに提供までできるという点に魅力を感じたんです。
私は長野県の軽井沢出身です。地元に元気がなくなっていくのを実感していたころ、地元に星のや軽井沢が出来て、そこから目に見えて地元がよみがえっていったんです。
自分が魅力的だと思う土地の魅力を発信することが、旅の楽しさ、そして地域の元気につながるのではと思いました。

界 箱根 “ご当地楽“ 寄木細工のアイテム/その土地に根付く伝統工芸の職人と協働して魅力を作り上げる

 

―それでは星野リゾートで働いていての苦労とやりがいを教えてください。
苦労は「フラットな組織」だからこそ意見がぶつかる点です。より良いものを作るという共通の目的のもと、時には意見が対立することもあります。その際には、先輩後輩関係なく、しっかりとお互いの考えを話し合います。
また、自分で立候補すれば任せていただける、そんな会社なので、いざリーダーの立場に立った時に自分の持っていたリーダー像と実際の自分とのギャップにもがいたりすることもありました。
やりがいは、お客様の期待に応えるために際限なく考えて、その結果お客様に満足していただいたり、感謝の気持ちを伝えていただいたりしたときに感じます。

 

―最後に学生に向けてメッセージをお願いします!
就活をする際に、多くの学生が就職することをゴールのようにとらえてしまっています。
合格できるように自分のエピソードをその会社に寄せてみたり・・・
でも一番のゴールは、就職した後に自分がどれだけ充実した人生を送れるかだと思います。
だからこそ、「会社に選んでもらう」のではなく、自分は「どんな会社とフィットするのか」を考えて就活を自分の発見する場と捉えてほしいです。

―ありがとうございました!

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