1890年に開業し、今年の11月3日で128周年を迎える、帝国ホテル。
「日本の迎賓館」として誕生した伝統と、時代に対応する革新を重んじる、日本を代表するホテルに伺い、日本ならではの「おもてなし」の秘密を探ってきました!
今回、ガクセイ基地の取材に応じてくださったのは、入社5年目で広報課の平井さんです。
取材に応じてくださった平井さん
―さっそくですが、平井さんの現在の業務内容を教えてください。
現在、ホテル事業統括部広報課で働いています。広報課の主な業務は、社内・社外に情報を伝えていくことです。
具体的には、メディア各社からの取材対応、企業イメージ向上・販売を促進するための広告制作、会員様向けの会報誌の制作などを行っています。
―平井さんは現在広報課ということですが、帝国ホテルでは部署の異動などはあるのでしょうか。
帝国ホテルでは、総合コースで入社した場合、入社後10年間で3部署を目安に経験し「総合力のある人材を育成する」考えを持っています。
私は入社後にレストランサービスを経験した後、上高地帝国ホテルでのレストランサービス、フロント業務を経験しました。そして現在の広報課に配属されました。
―それでは帝国ホテルのキャリアとして、どのようなパターンがあるのでしょうか。
私のように、サービスで現場を経験したのちに、直接お客様とはかかわらずにホテル運営を支える部署に配属されることもあります。また、フロントから、レストランや宴会部門など複数の接客部門を異動する場合もあります。
帝国ホテルキャリアは本当に多種多様です。帝国ホテルのホームページ「採用情報」では様々なキャリアパスを紹介していますので是非ご覧ください。
帝国ホテルの採用情報はこちらからhttps://www.imperialhotel.co.jp/j/recruit/index.html
―そのような異動の前に希望を提出することはできるのでしょうか。
一年に一度は、自分の考えるキャリアパスを会社に伝えることができます。
―そういった自分の考えを聞いてくれる職場なのでしょうか。
とてもよく聞いてくれる職場だと思います。実際に働いていても、自分の考えや意見をどんどん伝えることのできる雰囲気です。
―会社全体としてそのような方が多いのでしょうか。
私が就職活動をしているときに感じたのは、多くの企業は学生時代の「経験」を重視しているということです。帝国ホテルは「経験」はもちろん、お客様とどうかかわるかという「人となり」もよく見ているという印象を受けました。
実際に帝国ホテルには常にお客様の立場に立って考える者が多く、帝国ホテルのスタッフとしてどうあるべきかを大切にしています。
―「人となり」をよく見ているという印象を受けたということですが、それはどうしてでしょうか。
面接をした際に、経験を通して「どう思ったか」「どう感じたか」という点に耳を傾けていただいた印象があります。私は、大学時代に韓国に留学をしていました。面接でその話をした際に、私は自分のことを具体的に伝えるのが得意ではなかったのですが、伝えたい話を深掘りして聞いてくださり、自分の考えや想いをそれまでで一番話すことができました。そのときに「人となり」を見てもらえているという印象を受けました。
―それでは就職活動時についてお伺いしたいと思います。平井さんは、ホテル業界に絞って就活をされていたのですか。
韓国に留学をしていた時に「日本の文化を発信したい」と思うようになりました。それを軸に就活をしていて、実はホテルは帝国ホテルしか受けていません。
帝国ホテルは伝統があり、お客様に対して温かく親身になる姿勢があると感じたので、ここであれば日本の文化を世界へ伝えていけると思いました。
このように「日本の文化を発信したい」という軸を持って就職先を探したことは、就活においてとても良かったことだと思っています。会社の理念と自分のやりたいこととがマッチしているかどうかを考えることが重要だと思います。
―韓国に留学をされていた時に「日本の文化を発信したい」と思うようになったのはどのようなきっかけでしょうか。
日本と韓国は距離的に近い国であるにも関わらず、文化は大きく違っていると感じました。人との接し方一つ一つが違い、それまで当たり前に思っていたことが実は日本の特徴なのだと気付きました。日本人の丁寧さや親身になる姿勢、細やかな気遣いは、日本の誇るべき点で、海外の方に伝えていきたいと思うようになりました。一方で、韓国の文化に触れ「良いな」と思う部分を見つけたことで、自分のまた当たり前がすべてではないと考え方の幅が広がりました。
そのような自国の良さを発見できたことや文化の違いを体感できたことがきっかけになっています。
―実際に帝国ホテルで働かれるようになっていかがでしょうか。
自分が思っていた以上に128年という歴史は大きいと感じています。帝国ホテルが日本で初めて始めたサービスも多く、これまでに「日本の迎賓館」として多くの海外からの賓客をお迎えしてきたという実績もあります。
また帝国ホテルの良さは「人」にあると感じるようになりました。ただ単に接客・サービスをするのではなく、お客様のことを考え常に「一歩先のサービス」を心がけています。「家に帰ってきたみたい」とのお言葉をいただくことも多いのですが、さりげない、温かみのあるサービスに対するご感想だと受け止めています。
「日本の迎賓館」らしい立派なたたずまい
―帝国ホテルが始めたサービスとは何でしょうか。
例えば、ホテル内でのランドリーサービスです。昔は、現在のように飛行機ではなく船で旅行をしていたので、長い航海中に溜まったお召し物をホテルで洗濯できるようにと始めたサービスです。
またホテルの中で買い物ができるようにとアーケードを作ったり、旅行先から家族へ手紙を送るのにホテルから送れるようにと郵便局を作ったのも帝国ホテルです。
今では当たり前となっているようなサービスも、すべて初めからあったわけではなく、お客様の為、時代のニーズに合わせてできたのです。
―帝国ホテルはサービスに徹底しているのですね。
帝国ホテルでは、「100-1=0」というサービスの心構えがあります。どんなに良いサービスをしても、お客様にとって一つでもご満足いただけない部分があれば台無しになってしまうことです。また、「NO」と言わず提案をしていく姿勢があります。例えばお客様の希望されたお部屋がどうしてもご用意できない場合、「ご用意できません」とただ伝えるのではなく、お客様がそのお部屋を希望されている真意をお伺いすることによって、その代替案をお伝えするようにしています。
そして「次回また利用したい」と思っていただけたら大変うれしいですし、その際にはスムーズにご対応できるように備えています。
―帝国ホテルにはリピーターの方が多いのでしょうか。
私が入社するよりはるかに前から何度もご利用くださっているお客様や、そのお子様の世代にも亘ってご利用いただいているお客様も多くいらっしゃいます。
―客層としてはどのような方がご利用されているのでしょうか。
平日は圧倒的にビジネスでのご利用が多いですが、休日は観光やご家族での滞在でいらっしゃる方も多いです。
日本人と海外のお客様の割合は大体半々ですが、ビジネス利用の多い平日は海外のお客様、休日は日本人のお客様の割合が高くなります。
ロビーには大きなシャンデリアが!!
―ホテルには多くの海外からのお客様がいらっしゃると思いますが、スタッフの方に語学力は求められるのでしょうか。
帝国ホテルには多くの研修制度があります。社内での語学研修や海外留学奨励制度があり、入社時に語学力があることはプラスになると思いますが、入社後にも語学力を伸ばせる機会は多くあります。最近では英語のみならず、中国語を話せるスタッフも増えています。
また、1年に2~3人が帝国ホテルと提携している海外ホテルに6か月から1年間留学をしたり、海外からのスタッフを受け入れたりすることで人材交流を行っています。
―それでは最後に、帝国ホテルで働いていての苦労とやりがいを教えてください。
帝国ホテルに対するお客様の期待度が高いことが良い意味でのプレッシャーにもやりがいにもつながっていると思います。「念願の帝国ホテル」と思っていらっしゃるお客様、「いつものサービスを」と何度もご利用いただいているリピーターのお客様に、「帝国ホテルなのに」ではなく「さすが帝国ホテル」と常に思っていただけるように努めていきたいです。
お客様が私たちに期待してくださっていることは大変ありがたいことです。そのような期待を抱いていてくださるお客様にご満足していただいた時にはとてもうれしいです。
―ありがとうございました!
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