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「地域振興・地方活性化」
ニュースなどでよく聞く言葉の一つで、この分野に興味を持っている学生も多いですよね。
今回は茨城県ひたちなか市で「現代アート」を通じて地域活性化を目指している、みなとメディアミュージアム実行委員会(以下MMM)代表の高田さん(左)と副代表の佐々木(右)さんにお話を伺いました!
―宜しくお願いします!早速ですが、活動内容から教えて下さい!
私達は作家の方と協力して夏の間、茨城県ひたちなか市の那珂湊駅(ひたちなか海浜鉄道湊線)を中心に現代アートを展示しています。その準備で作家さんの公募や場所の選定を行うほか、展示期間中は現地に滞在して作品の説明や管理をしています。
最近では作家さんと一緒に地元の小学校で美術のワークショップの開催や、駅名標・観光案内板のデザイン、廃校になった学校のリノベーションの提案などを企画させて頂き、那珂湊地域との関係がより深まったと感じています。
しかし、アートで直接地域おこしをするのではなく、このイベントによって作家さんなどが移住したり、那珂湊に住む人々へアートを浸透させたりすることで芸術という文化を広め、地域を活性化させたいと思っています。
―なるほど!その現代アートの展示はどこで行っているのですか?
特定の建物の中で展示するのではなく、「何気ない生活空間の中にアートを出現させる事」をモットーにしています。例えば、以前スーパーやパン屋だった所もあれば、取り壊し前の石蔵を利用して制作した作品もあります。
現代アートは大小さまざま・形にこだわらないといった特徴があって、絵画や彫刻といった私たちが知っているような美術品とは全然違いますよ!もちろん作品の解釈は見た人の自由なので、主に現代アートがよくわからないと敬遠してしまう人に何か感じてもらえるようお手伝いをしています!
―なぜ、ひたちなか海浜鉄道湊線と那珂湊の地域なのですか?
10年ほど前にひたちなか海浜鉄道湊線は廃線危機に陥っていて、公募で選ばれた社長がなんとか湊線を活性化しようとしていました。ちょうどその時期にMMMの創立者の方がアートを使った地域おこしをしたいと考えていて、この二人の考えが一致してこの活動が始まりました。
―お二人がこのMMMの活動に加入された理由は何ですか?
高田さん:私は小6の時まで岩手県に住んでいて、そこから東京に引っ越してきました。その経験から地方のコミュニティや活性化に興味があって、加入しました。また、学生をはじめとして地元の方や先生など色々な人を巻き込んで活動できるのも魅力でした!
佐々木さん:私は最初からアートとか地方活性化に興味があったわけじゃないです(笑)何か新しい活動を始めたいと思っていたところに、別のサークルの先輩から誘われたことがきっかけで加入しました。でも、入って活動を続けるうちに面白くなってきて、副代表になってます(笑)。
―活動の中で、どんなところに「やりがい」を感じますか?
高田さん:私はこの活動を通じていろいろな人と知り合えることですね。大学だけだと同じような地域に住む、同世代の人達としか仲良くなれません。でもMMMの活動では茨城の大学生や地元の人達と交流を深めることができます。また、サポートしてくれる先生方や独特の価値観を持ったアーティストの方には面白い方が多くて、とても刺激を受けます。
佐々木さん:私も人との交流ですね。仕事のために苦手な人とも関わってきたことで、自分とは違う価値観を以前より受け入れられるようになりました。他にも人と関わることによって、メール作法やマナーなどが身についたり、いろいろな人の意見を聞くことで考えが偏るのを防ぐことができたりするのだと学びました。
―今年の「対峙したあと」というテーマについて、この意味と設定した理由は何ですか?
私たちは那珂湊のようにアートが元々無い場所へ持ち込んで、新たに知ってもらう事を大切にしています。しかし、アートだけでは地域活性化は難しく、必ずしもアートである理由は無いという問題が常に存在しています。このように「地域とアート」は対峙しています。他にも「作家と地域」「スタッフと作家」「作品と来場者」といったように周囲では様々な『対峙』があって、その対峙から何かを残してほしいとの意味を込めています。
また、作家さんには自由な解釈をしてもらい、特色ある作品を制作して欲しいので、何と何の対峙なのか明確な決まりはありません。『あと』という言葉には、「後」と「跡」などがかけられていて、これがひらがなである理由です。抽象的でも具体的でもないテーマを作ることが重要で、今回は決定に3か月かかりました(笑)。
―これからはどのように活動していきたいですか?
この活動は今年で9年目を迎えるのですが、まだ地元の方でも「何かやっているのはわかるけど、詳しい内容は知らない。」といった方も多いので、もっと地元への浸透を図っていきたいです!
そして、所属している学生メンバーは皆それぞれの地域活性の方法を考えていて、地域との密接な交流を通して何ができるか探しています。このような個人的な企画・実行も通して、アートを中心とした活動との相乗効果を出していきたいですね。
―最後に学生へのメッセージをお願いします!
今やりたいことが決まっていない人は何か新しいことを始めることをオススメします!自分が今まで興味のなかったことでも、始めてみると案外その楽しさに気づいたり、どこからか自分の興味のある分野に繋がってきたりすることがあります。
あと私たちの活動に関して、今年は8月12日から9月3日の間、那珂湊駅周辺で現代アートの展示を行うので是非湊線に乗って遊びに来てください!(http://minato-media-museum.com/access/)
また、私たちの活動に参加してくれるメンバーも大募集中です!
―高田さん、佐々木さん、ありがとうございました!
<編集後記>
みなとメディアミュージアムさんを取材させて頂き、とても楽しそうな活動だと感じました。今回お話頂いたお二人を中心に地域活性という同じ目標を持って、那珂湊地域で作家さんと協力し作品を展示するという活動にとてもやりがいを感じているのだと伝わってきました。今年の夏は海辺のローカル線とともに、現代アートの魅力を探しに行きたいと思います!
みなとメディアミュージアム実行委員会
HP:http://minato-media-museum.com
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Twitter:https://twitter.com/minatom_m
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