実は私は、生まれつき障がいを持っています。
見た目は普通、体力的にも至って健康です。
街を歩いていても、わかる人は恐らく皆無でしょう。しかし、私は紛れもなく「障がい者」です。
私は「色がわからない」のです。
色がわからない障がいのことを「色覚異常」といい、私はその障がいを持っています。
実はこれ、すごくポピュラーな障がいで、知られていないのが不思議なくらい。そこで、今回色覚異常について、簡単にご紹介します!
目次
色覚異常って何だろう?
◎色覚異常=色弱・色盲
「色覚異常」という言葉を聞いたことがない方も、多いのではないでしょうか。
色覚異常とは、簡単に言うと色が正確に分からない障がいのことです。以前は色弱や色盲といわれていました。
◎色覚異常の仕組み
ではどうして色がわからないのでしょう?色と同じように、光にも3原色(赤、青、緑)がありますね。人間の目には、その3原色に応じて色を感じる器官が3種類あります。つまり、赤色を見た時には赤に対応した器官が反応し、脳が赤色だと感じるのです。
色覚異常とは、この3種類の器官のうち1つ以上の反応が正常に行われず、色を正確に認識できない障がいです。障がいの程度にかなりの個人差があり、見え方も人それぞれです。
◎クラスに1人は色覚異常者!?
色覚異常なんて言うとたいそうな障がいのようですが、実はとっても身近なものなのです。日本の女性の500人に1人、そしてなんと男性の20人に1人が色覚異常といわれています。
学校のクラスを思い浮かべてみてください。男子女子20人ずつのクラスだとすると、その中の1人は色覚異常ということになります。そう、色覚異常は実はとても身近な障害だったのです。
◎自覚のない「色覚異常者」も多い
ではなぜ、色覚異常という言葉があまり認知されていないのでしょうか。それは
・小学校での強制検査がなくなったこと
・異常があったとしても、症状が軽度であれば日常生活に基本的に問題がない場合が多いこと
が関係しています。以前は小学生の健康診断の項目に「色覚検査」がありましたが、昨今の健康診断項目からは削除されています。それにより、色覚異常という障がいの認知度が下がりました。また、症状が軽く日常生活に問題がない方も多いため、自分が色覚異常ではと気づくことが少なくなってきたのです。
実際にどんな風に見えてるの?
では色覚異常者には、世界はどのように見えているのでしょうか?
よく「白黒に見えてるの?」と勘違いされるのですが、実際には「一部の色の抜けたカラー」に見えている人が多いです。その程度にも個人差がありますし、中には本当に白黒に見えている方もいます。
ではここで、私の見え方を3つご紹介します!
私は1型2色覚といって、赤色の認識が苦手なタイプです。色覚異常者の中でも多い部類ではありますが、あくまで一例として参考にしていただければと思います。
*左が元の画像、右が色覚異常の見え方の例
◎紅葉
毎年話題になる紅葉。「…え?全然綺麗じゃないじゃん!」と思った方も多いのでは?
はい、そうです。通常の緑と違うことはわかりますが、綺麗とは正直思いません。
◎焼肉
「焼け具合がわかりにくい」とはこういうことです。
ついつい友人に食べられるか確認してしまいます。
◎赤い花
例えば春、公園に咲く花はこのように見えます。
綺麗じゃないという方も多いのでしょうが…私にはこれが花であり、これが「綺麗な花」なのです。
いかがでしょうか?
私には二つの違いがほとんどわからないので、左右が違うものとして紹介しているのがすごく不思議な気分です。
正常な色覚の人に異常な色覚を見せることはできますが、その逆は不可能。先天的な異常は治すことも出来ないため、私には皆さんがどの様に見えているのか分からないし、うまく説明も出来ません。
しかし、このコラムを読んで、実は周りにもそういう人がいるんだということを、少しでも意識して頂ければ幸いです。
次回は「色覚異常者が困ること」と「色覚バリアフリーの取り組み」についてご紹介します!
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