How To 学生生活

「僕の映像で人の人生を変えたいとか思ってないんです」/映像ディレクターが「好き」を見つけるまで

 大学生のうちに、もしくは大学に入る前にやりたいことがはっきりわかっているのは羨ましいですよね。最近では大学生でも「好きなこと」が見つからないという声をよく聞きます。

 そんな学生さんたちのために、大学生でありながらフリーランスとして活躍していた映像ディレクター 清水良広さんの「好き」についてお話を伺いました!映像に興味がないという方も、是非読んでみてください!絶対にためになります!

 

清水良広
武蔵野美術大学映像学科卒業。実写やCG、プロジェクションマッピングなど幅広い映像技術を駆使する。フリーランスとして、Microsoft、セブンイレブン、TDK、国立極地研究所、NICT(情報通信研究機構)などのプロジェクトに参加してきた。近年、監督兼主演で参加したsurface公式CM「大学生に、ノートPCはいらない。」が話題となる。

 

大学まで:映像の魅力を地道に体験

早速ですが、なぜ映像業界に興味を持ったのですか?

-映像は、僕にとって小さい頃から身近なものでした。小さい頃はアニマルプラネットやディスカバリーチャンネルなどをよく見ていました。その時は、映像表現が好きというよりは、映像を通して届けられるコンテンツが好きでした

 映像制作を実際に始めたのは、高校生になってからでした。文化祭の実行委員長になって映像を使った文化祭の演出、新入生歓迎会の動画、そして中学生とその保護者の方向けの動画など映像制作する機会がたくさんあり、僕はそれらを自主的に制作しました。そんな時、先生からご紹介していただいた地元のIT企業のCMコンクールの高校生・大学生の部で最優秀賞をいただき、その体験が映像のミリに進むきっかけとなりました。

 最初のカメラはiPhone5で、編集は家族共有のパソコンにダウンロードしたフリーソフトで作っていて、完全に独学でしたね。

 

大学で:成長せざるを得ない環境に身を置く

大学生になってからは、どのように映像を学んだのですか?

-僕の場合、動画を学ぶために本は買っていません。その代わりに挑戦したのは、出来るだけ難易度の高いYouTubeのチュートリアルを1本選び、それを完全に再現することです。何週間もかかったこともありましたが、最後まで作り上げることを大切にしていました。

 教本などは、「〇〇ボタンはここにあって」と一から説明されていてとても分かりやすいとは思うのですが、僕なんかはすぐに飽きちゃうんです。

 そして、「頭の中に浮かんだこの表現を再現するぞ」といった明確な目標を立てて実践していました。そして事前に誰かに「これをいつまでに作るから見てね」と宣言したり、仕事として受けることで制限時間を作り出す。自分に緊張感を与えてそれを達成するという「小さな成功体験」を作っていくことがモチベーションの維持に大切なのかなと思います。自分を成長させられる環境をいつも探して、そこでどうすればいいのかを考える。これは映像を学ぶということ以外でも共通することなのかなと僕は思っています。

 

映像の技術のほかに、必要になってくる能力はありましたか?

巻き込む力ですね。

 出身地である岐阜から東京に出てきた時は、本当に知人がいませんでした。なので、自ら営業をしなければ仕事はもちろんのこと、そもそもクリエイティブな環境に身を置くこと自体できなかったんです。最初の頃は、思い立ったその日のうちに50社ほどに営業メールを送ったりもしていました。掲げるミッションやプロダクトに共感できて、映像を活用したらもっと良くなりそうだと思う企業に直接アプローチしていきました。1社ごとに「なぜ映像が必要か」を文章にまとめ、自分の提供できることをしっかりと伝えました。反応があったのは10社。この時は、最終的に2つの会社と仕事をしました。

 

技術的にできないことを要求された際はどうしますか?

-「自分にはできない」と一方的に断るのではなく、人と人とを繋ぎます。依頼してくださった方に最大限に寄り添い、どのように作るのがベストかを一緒に探します。

 

現在:「良い」と信じているものを届ける

映像ディレクターとしての、やりがいや魅力はなんですか?

-映像を作る上での一番の魅力は、多様な被写体やプロジェクトに寄り添うことができることです。誰かが命がけで表現しようとしているものに僕も命がけで映像という切り口から携わる。そして、映像を通してそのプロジェクトの加速度が変わり、スピード感が増す瞬間を見た時が何よりもやりがいです。売上が上がったり、成果が見えたり。あとは笑顔が増えたりとか雰囲気で感じることもあります。

 

やはり、被写体が重要になってくるのですね。

-びっくりするかもしれませんが、僕の映像を見て「人生が変わった」と言ってほしいとは思ってないです。それは今の僕には無理です笑。だけど、見た人が過ごすその一日にちょっとした元気を与えられて、「今日もがんばろ」という活力になれたらと思います。世の中を変えるとか、主語が大きい話は胸の内にしまっておいています。

 自分たちが「良い」と信じているものをお客さんに、間接的に提供するのが僕の役割なので、実は「自分の映像を見てほしい」なんて思ってないんです。

 

現在はどのように映像のスキルを学んでいるのですか?

-今でもチュートリアル動画で学ぶ時はありますが、そこにはない表現方法などは現場で学びます。大先輩たちに打ちのめされる経験が最高なんです。自分の無知さを知る、というか。先輩たちの良い部分を積極的に聞いて、一人でもできるように学びます。もちろん求められた成果には当たり前に達する前提での話ですが。また、そのような場所で出会う、自分にとって「違和感のある」事柄についても、そのままの認識で鵜呑みにすることはせず、「なぜ違和感があるのか」を噛み砕いて言葉で理解するようにしています。

 

今の大学生へ

大学生であることは強みでしかありません

 未知の分野にアンテナを張り続けて一目惚れする機会を作る。一目惚れしたら、がむしゃらに向き合ってみる。これが「好き」に出会う近道なのかなと、僕は思います。

 

映像の世界以外にも役立つような経験で、とても考えさせられました。ありがとうございました!

 

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