会計検査院という組織を知っていますか?
国における重要な役割を果たしている組織ですが、なかなか知っている人も少ないと思います。
会計検査院は、国会や内閣、裁判所に属さず、税金がどう使われているかなど国のお金に関することについて検査しています。また、検査の対象は、独立行政法人など国が出資している団体、国が補助金等を出している団体にまで及びます。
今回は、会計検査院の二人の方に取材させていただきました。
会計検査院取材
浜 志門さん
事務総長官房人事課
上床絵理さん
インタビュー前半は、国家公務員を志す人へ、志望動機や国家試験の勉強量、求める人材像をお聞きしました。後半は、お仕事の裏話や、最近のニュースを具体的に交えて話していただきます。
【前編】国のお財布の監督者!?独立機関『会計検査院』とは何をしている組織なの?/国家公務員
目次
―会計検査院が内閣から独立しているというのはどういう意味でしょうか。
内閣から独立しているというのは、各省・各庁には内閣という上位機関がありますが、会計検査院には上位機関というものがなく、内閣総理大臣の指揮下にないということです。企業でいうと、ボスがCEO(最高経営責任者)だと、公正な監査ができない可能性があるため、監査組織は独立していなければなりません。なので、世界的に見ても、多くの国の会計検査院は一定の独立性を担保されています。
―会計検査院法に、『会計検査院は、三人の検査官を以て構成する検査官会議と事務総局を以てこれを組織する。』と書かれていたのですが、検査官は三人しかいないのですか?
会計検査院の意思決定機関は検査官会議で、会計検査院という組織にはこの3人しかいないと思われることもあるのですが、検査官会議の指揮監督の下にある事務総局に、検査の実働部隊として1200人ほどの職員がいます。重要な事項等を決める際は、検査官が意思決定するシステムになっています。この3人は、国会の同意を経て内閣が任命し、天皇が認証するというかたちで決められています。実際に検査を行っているのは主に調査官とよばれる職員です。
検査官の3人は、いろいろな分野から選ばれています。
―プリンセストヨトミ(大阪を舞台に調査官が国家予算の用途を検査する物語)という映画は会計検査院の方がモデルになっているんですか?
プリンセストヨトミは万城目学さんの同名の小説が映画化されたもので、実際に会計検査院で働いている私たちが観ても、よく再現されている映画だと思いました。実際の検査の様子も、おもしろく描かれていました。
実在する調査官がモデルになっているわけではないと思いますが。
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