−学生の頃やってよかったこと、またはやればよかったことはありますか?
もっと海外旅行に行けばよかったかな。研究室でこもって建築をやって、たまにお酒飲んで女の子とデートして大学生活終わったから(笑)。多分学生の頃は社会人の不自由さとかがまだ分からなかったんだと思います。「海外旅行に行くよりもまず建築の勉強をしないと建築家になれないんじゃないか」っていう変なプレッシャーに追われてたのもあります。今も行ければ行きたいなと思ってるけど、なかなか行くタイミングがないから学生の時に海外に行っていろんな文化に触れていろんな経験しておけばよかったって後悔してます。ただ今となっては逆にその後悔も、これからは建築家として海外で仕事ができるように頑張ろうってモチベーションにもなってます。
−独立してもうすぐ2年ですが、今後の目標はありますか?
世界で活躍したいです。それこそ日本だけじゃなくて僕が考えるものに対して「いいな」って思って、それのためにお金を出してくれる人がいればそこで新しい建築を作りたいと思っています。国境を超えて、「日本人の建築家にお願いしたいな」ってなった時に僕の名前も出てくればすごく嬉しいし、実際に隈さんとか、安藤さんとか、妹島さんもそうやって建築を作っている。だからいつか自分も同じレールに乗れるように頑張りたいと思っています。
−かっこいい大人とはどういう人だと思いますか?
話を聞ける余裕がある人かな。何を言っても「ダメダメ」という感じでまったく聞き入れてくれない人とかいるじゃないですか?そうじゃなくて、他人を受け入れる余裕があるひと。やっぱり他人が入る隙間がないと閉鎖的になっちゃうと思います。カメレオンが色を変えるように、自分を変えることができる人の方が僕は魅力的だと感じますね。
−大学生向けのメッセージをお願いします。
「これなら負けない!」とか「これは好きだ!」って思えるような事を1つでも見つけた方がいいと思います。それで食べていけるかいけないかを判断してほしいし、食べていけるんだったらその職業に就けばいいし、食べていけないんだったら割り切って仕事と両立するようなライフスタイルにすればいいと思うし、自分がどうあるべきか、どうしたいかみたいなのをちゃんと客観的に見れるといいかなと思います。
−建築系の学生に向けてのメッセージをお願いします。
受け売りですけど、伊東さんが講演会で言ってたのですが、「素直になりなさい」です。
自分が作る建築って、その時の自分自身を出してるような感じなんだと思います。例えば課題でうまくいかなかったときは、「やっぱりどこかで自分は人の話聞かなかった」「スケジュール管理がうまくいかなかった」「夜更かしして急いでやった」とかその時の自分が作品にも反映されてきます。それは、素直に自分を見つめて初めて見えてくることだと思います。まわりの友達や、先生もアドバイスしてくれると思いますし、それに耳を傾ける素直さを持ってほしいです。
そのアプローチの中で、自分のできること、できないことを見つけていってください。最終地点は、別に建築家に縛られる必要はありません。スケッチが得意だったらイラストレーターになってもいいし、コミュニケーションを取るのが得意だったら営業やコンサルタントになってもいいし、レイアウトや編集や批評が好きであれば、雑誌の編集者になってもいい。自分が得意のこと、好きなことを生かしたことをやればいい。
建築っていろんなものに関係するから、建築学生には色々選択肢があると思うんです。だから建築を学んでることに誇りを持って、自分の好きなことを見つけていってほしいですね。
−ありがとうございました!
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