目次
―なぜ、会計検査院に就職しようと思ったのですか?
‐上床さん
私は、中学生の頃から、社会に存在する問題を解決するためには、国の制度やルールを変えていかなければならないと考えていました。民間企業をはじめ全ての社会活動の基礎となるのは、法令や制度だと思っています。最初は、厚生労働行政の中の社会保障や介護・老人福祉について問題を感じており、これらの制度を変えることで高齢者が自立して幸せに暮らせるようになるのではないかと思い、公務員として行政に関わっていきたいと考えていました。
公務員になることを前提に大学を選び、大学に入学してからも公務員の専門学校に通っていました。公務員になりたいと思っていたこと、国家公務員試験(当時のⅡ種)に合格したことから、自らがやりたいことを実行するための手段があり、厚生労働行政を含め行政全体に関わっていけるのは会計検査院であると思い、会計検査院を選びました。会計検査院は、行政に対して改善策を示して、実施するよう要求する権限もありますので、私がやりたいことともマッチしていました。
また、私は自分の知らない新しいことに興味を持つ性格なので、年間80日ほどは出張でいろいろな場所に行くことができ、人事異動により新たな部署に移るたびに様々な行政分野を検査することができる会計検査院の仕事は、自分の性格にも合っていると思いました。
‐浜さん
私は高校生くらいまで、国家に対して反発する思いを持っていました。しかし、大学で国の政策決定過程を学び、行政官には優秀な方、熱意を持った方が多いことを知りました。ただ、行政官が優秀で熱意があるとしても、その行政官が所属する役所から出てくる政策が良質なのかどうかというと、必ずしもそうではない。国の組織には改善点が多くあるということではないかと思いました。では、どうすれば組織を改善することができるか。組織の中からシステムを変えるのが難しいならば、外から変えていかなければならないと考えたのです。外から変えるためには、現場のことを詳しく知らなければいけません。
そうしてたどり着いた仕事が、現場のことを知る手段があり、外から変えることができる、この会計検査院でした。出張に行くのは、本当に大切なことです。現場に行かないと伝わらないことや分からないことがたくさんあります。問題点・改善点を見つけに行くために、調査官として若いうちから現場に入るので、誰でも早くから活躍することができる仕事なのも魅力的です。
―国家公務員試験のためにやはり勉強はたくさんしましたか?
‐浜さん
勉強の量は、人と状況と前提知識によってそれぞれだと思います。私の場合は行政職で受験したのですが、もともと社会学を専攻していて、たまたま政治思想などについても興味があり、前提知識があったので、専門分野の試験の勉強は3か月くらいでした。たとえば理系の人が法律職で受験するということならば、それなりに準備期間は必要だと思います。
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