休学ワーキングホリデー

【休学ワーホリブログ#12】日本よりも日本らしい、トロントの日本食料理屋で働くということ

皆さんこんにちは!大学を休学してトロントでワーホリをしています、りこです🌷

 

さて、今回は私がカフェと掛け持ちで働いている日本食料理屋での仕事の話をしたいと思います。

トロントにはラーメン屋、寿司屋、定食屋など多くの日本食料理屋があるのですが、私はその中でも日本食コース料理を提供するお店でホールスタッフとして働いています。

お客さんはカナダ人、中国人、アメリカ人と様々。日本人はほとんど来ないお店です。

料理を運び、それぞれの料理の説明やお酒のおすすめ、日本についての会話など色々な話をお客さんとしながらコース料理を進めていきます。

中には日本に行く予定の方などもいて、日本のおすすめスポットなども教えることがあります。

最初は日本食料理屋で働くことに引け目を感じていましたが、働いているうちに自分の日本への考え方や仕事への向き合い方など色々なことを考えるきっかけを与えてくれる職場となりました。

今回のブログではトロントの日本料理屋で働いて初めて感じた気づきや価値観を書いてみようと思います!

 

お茶は「美味しくなれ」と思って入れたら美味しくなるんだよ

バイト先の美味しすぎる賄い

 

この言葉は私の日本料理屋のオーナーさんがお茶の入れ方について教えてくださった時におっしゃっていた言葉です。

お茶など茶葉から入れたことはほとんどなかった私は、茶漉しに茶葉を入れてお湯を通せば美味しいお茶ができるものだと思っていました。

しかしお茶一つにも茶道という立派な文化がある。お湯の温度はそれぞれお茶の葉ごとに違うこと。最後の一滴が一番美味しいということ。「美味しくなれ」と気持ちをこめることは美味しいお茶を入れる上でとても大事だということ。

オーナーさんはトロント生まれトロント育ち。日本に一番長く滞在した時期でもたったの3ヶ月間、京都のお茶屋さんで修行されていた時だそうです。

私の方がより「日本人」なはずなのに知らないことや教えてもらうことが多く、日本文化の奥深さや繊細さを日々感じる毎日です。

お茶以外にも、野菜、魚、出汁、お皿など、一つ一つのことに「なぜそれを使っているのか」の理由があって、そしてそれは季節によっても変わって。

今日の料理が明日出るとは限らない。その日その日の食材、気持ち、天候、全てが起因して作られる日本食は「美しい」の言葉がとっても似合う料理だなと感じました。

「もっと日本の文化を学ぼうと思った」という言葉を放つのに引け目を感じるほど、今は「日本」を大きく感じます。一生かけても日本のスペシャリストにはなれない気がします。でも、自分の「日本人」というアイデンティティがより好きになる、大切な機会になりました。

 

日本の素敵な点を海外の人に紹介する楽しさ

家の近所に咲いていた紫陽花

最初にも書きましたが私が働いているお店のお客さんで日本人の方はほとんどいらっしゃいません。多くがトロントに住むカナダ人、旅行に来ているアメリカ人、そして中国人の方がほとんどです。

だから料理を説明する時も、日本について質問される時も、常に「日本代表」みたいな感じで緊張しながらお客さんと会話をしています。

例えば魚の「あゆ」は英語で「Sweet Fish」という名前、つまり「甘い魚」と表されるんですが海外の人はあまり馴染みがありません。

だから「Sweet Fishって何?」と聞かれた時に「丸焼きにして食べたりする川魚ですよ」とか言っても伝わらない。そして「川魚」と説明しただけだと魚自体をあまり想像できません

だから「あゆは川魚で身がとても甘いことからSweet Fishと呼ばれます。身が甘い理由は川に生えている藻を食べて育っているからです。日本の綺麗な川の藻は甘い味がするのであゆの身も自然に甘い味になるんです」と説明します。

なるべく分かりやすく、想像しやすい言葉で丁寧に伝えていくことは日本人に説明する時の感覚とは違い、新鮮です。

お客さんにどうしたら日本食を楽しんでもらえるか考えながら、「こう言ったほうが伝わりやすいか」と試行錯誤することはとても面白い。オーナーさんが英語ネイティブの方なので、オーナーさんに自己流の説明を聞いてもらってアドバイスしてもらうこともとてもいい経験だなあと感じています。

日本に帰っても、海外から来てくれる旅行者の皆さんに日本の素敵な点を伝えられる仕事や活動に携われたら、自分の「日本出身」というアイデンティティがもっと活かされそうだなと考えています。

 

仕事の向き合い方、考え方

朝仕事に行く前に見えた綺麗な空

最後に仕事との向き合い方です。私は正直怠け者で、損得でモノを考えてしまうたちなので、仕事も「労働力とお金の交換」としてしか考えていませんでした。

もちろん私生活を充実させるために仕事をしているという考えは変わらないけど、「別に責任ないしいいやあ」と頭のどこかで常に考えていた自分を見直すきっかけを与えてくれたのは、これまた日本よりも日本らしいトロントの日本料理屋さんを経営するオーナーさんの言葉でした。

「どんな小さな仕事でも、一生懸命やる人はきっとどんな仕事でも信頼されて大きな仕事になった時にも成功できる。一方で小さい仕事だからと言って適当にやる人は、大きな仕事になっても適当にしかできないってのをやっと30代になって気づいたんだよね」

まさに自分のことを言われている気がしました。自分の将来の仕事はまだわからないですが、今している飲食の仕事を小さい仕事、そしてこれから大学を卒業してからするであろう仕事を大きな仕事と勝手に決めつけて「ま、バイトだし〜」と軽く考えていた自分に気がつきました。

日本だと過重労働の問題や、大学生が人生の夏休みを謳われるような風潮があるため、自分の中で「仕事は敵」というイメージがありました。

だから「どうせ仕事なんて私生活の二の次」「労働力とお金の交換」「責任がないなら適当にやっても大丈夫」と考えて「自分は仕事中心の生活に大人になってからもならないんだ!」と逆張りをしていました。

でもオーナーさんの言葉を聞いてそうではないことに気づきました。また、トロントでワーホリをしていて、仕事がいかに自分の生活を経済面でも、社会面でも豊かにするかを痛感しました。

もしもうすでに仕事をされている方がみたら、「仕事はいやでも頑張らないといけなくなるんだよ…」と若造が何か言ってるなと思われるかもしれませんが笑

まだまだ自分の中で結論が出ていないのですが、「仕事とは自分にとって何か」ということをじっくり考えるいい機会になったなと感じています。これもトロントにワーホリきて自分で稼いだお金から家賃や食費を出すという世界の多くの人にとっては当たり前なことを人生で初めてやっているから感じたことかなあと思ってます。

今まで自分が置かれていた状況がどんなに恵まれていたか感謝しながら、ワーホリ生活を送っていきたいなと感じました!

トロントで一番大きい図書館

今回も読んでいただきありがとうございました!前回までのブログはこちらから!🌷

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