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広報ってどんな仕事?〜フクダ電子の広報戦略〜【医機なびコラボ】

2024年卒の大学3年生のみなさんは、そろそろ就活を始める時期ですよね!就活するうえで、自分の希望職種や希望の業界について調べる人は多いと思います。そこで『広報』という仕事は、ほとんどの人が聞いたことがあるけれど、具体的にどんな業務をしているのか分からないのではないか…?イメージが掴みづらいのではないか…?と思い、今回は医療機器業界のフクダ電子株式会社に『広報』ってどんな仕事なのか聞いてみました!

フクダ電子株式会社は、ドラマや映画への協力を積極的に行っていることから、その点についても詳しくお聞きしました!

フクダ電子株式会社
1939 年の創業以来、国産第1号となる心電図波形を記録する装置である「心電計」の開発に成功してから、循環器・呼吸器を中心とした医療機器やサービスを一貫して提供している医療機器専門メーカーである。予防・検査〜経過観察・リハビリ〜在宅医療までトータルソリューションを展開している製商品ラインナップや、全国に張り巡らされた強力な販売ネットワークとサポート体制が強みである。  HP:https://www.fukuda.co.jp/ 

 

今回取材したお二人
(写真右)プロモーション企画部 次長 小林 直人 様 
(写真左)プロモーション企画部 販促・メディアプランニング課 牧野 慎太朗 様

 

広報の仕事とは?

小林さん:広報の仕事とは、自社を世の中の人に知ってもらうために、社会の人々と関係性を構築する仕事です。医療従事者の方と一般の方では発信の内容や方法が異なるので、その施策を考えて実行しています。

ーー具体的に牧野さんはどんなお仕事をしているんですか?

牧野さん:私は、ドラマや映画に対するメディア協力を重点的に行っています。

ドラマ協力とは具体的にどのようなことをしているのか?

牧野さん:弊社は、様々なドラマや映画に協力をしています。2022年秋の番組で言うと、『祈りのカルテ』『ザ・トラベルナース』『PICU 小児集中治療室』など11つのドラマと2つの映画にフクダ電子の医療機器が登場しています。

ーー今シーズンだけでそんなに?!メディア協力にとても積極的なんですね。どのくらい前からメディア協力をしているんですか?

牧野さん:そうなんです。メディア協力自体は、かなり前から行っていました。しかし、2,3年前くらいから以前より力を入れて取り組むようになりました。

ーーなぜ力を入れようと思ったんですか?

牧野さん:やはり、一般の方に対しての会社の知名度がまだまだ低いと感じていたので、より多くの方にフクダ電子という会社を知ってもらいたいと思い、テレビドラマへの協力に力を入れはじめました。

まずは、元々協力していたテレビ局の方々との関係をより深くすること、そこからまた他のテレビ局の方を紹介してもらうということもありました。弊社はメディア協力ができるということをテレビ局の方に積極的に発信していったことで、最近ではたくさんお声がかかるようになりました。

ーーなるほど。多くの方と関係を築くということがとても重要になるんですね。ところで、ドラマの協力とは具体的にどのようなことをしているんですか?

牧野さん:主に、弊社の医療機器の貸し出しを行っています。ドラマで使われるのは生体情報モニタが多いですね。また、搬入する医療機器の使用方法についてのビデオを作成したり、必要な時には現場に立ち合い、直接医療機器を設置し、説明を行っています。その際、医療監修の方と協力し、より再現度の高い作品に仕上がるように心がけています。

ーー多くのドラマに協力していることから、現場に行って説明することはあまりないんですね。では、実際に俳優さんとお会いしたことはないですか?

牧野さん:そんなに多くはありませんが、テレビ朝日系の漂着者というドラマで、斎藤工さんにお会いして弊社の脳波計Graelの取り付けをサポートしたことがあります!

(脳波計Grael)

ーーそんなことがあるんですね!うらやましい……。では、ドラマで発信してみてなにか変化はありましたか?

牧野さん:直接仕事に関係していない社外の方や、家族にも見たよと声をかけてもらうことが多くなりました。また、社員向けにも協力しているドラマや映画の情報を発信しているので、社員からの報告も増えました。

(セントラルモニタの画像)

医療従事者の方に向けての広報活動について

ーー医療従事者の方と一般の方では発信の内容や方法が異なるということですが、医療従事者の方に向けての広報活動はどのようなことを行っているんですか?

小林さん:医療従事者の方に向けては、医師や看護師等が集う学会(=最新の医療情報や研究発表等に触れる「学術大会」というイベント)会場で開催される医療機器展示会への出展を通じた製品プロモーションや、医療関連セミナーの共催・協賛する形で医療従事者の方々との関係構築・PR活動にも努めています。

ーーなるほど。実際に病院に行って、製品を紹介したり説明することはありますか?

小林さん:それは、各地域の営業担当が行っているので、広報担当者が実際に現場に出向くことはほとんどありません。

一般の方に向けての広報・宣伝活動について

ーー一般の方に向けての広報・宣伝活動についてはどのようなことをしているんですか?

小林さん:広報活動については、メディア協力のほかに、製品カタログ、ホームページの運営を行っています。一般の方に向けて発信しているホームページでは、専門用語を並べて説明しても伝わりづらいので、専門用語はなるべく使わないように意識しています。また、一般の方に向けての宣伝活動は『医療機器の広告が適正を欠いた場合には、国民の保健衛生上、大きな影響を与えるおそれがある』ため、厳しく規制されています。そのことから、一般の方向けには発信する手段や内容が異なります。このような規則の中でどのように会社を知ってもらうかを考えることがとても重要です。

ーー規制がある中でどんな活動を行っているのですか?

牧野さん:例えば、大江戸線の本郷三丁目駅のアナウンスでは弊社への案内が流れているんです。公共交通機関は幅広い年齢層の方が利用するのでよい宣伝になっていると思います。

他にも、若い方々にも人気なオールナイトニッポンでラジオCMを流したり、野球チーム(東北楽天ゴールデンイーグルス・千葉ロッテマリーンズ)のスポンサーをしています。選手のヘルメットやユニフォームに大きく弊社のロゴが入ることで、多くの方の目に入ると思います。また、フクダ電子アリーナというサッカースタジアムのネーミングライツの取得もしています。このように、医療機器の宣伝ができない代わりに、一般の方に寄り添った媒体を通し、社名を目にする機会を多く作ることで、幅広い年齢層の方に弊社を知ってもらうことを意識しています。

ーー発信する相手によって、広報の手段や方法がまったく異なるんですね。広報活動や宣伝方法はプロモーション企画部の方が提案しているんですか?

小林さん:はい。プロモーション企画部の社員が企画を提案しています。医療機器の宣伝ができないという規制がある中で、どのように社会と接点を作ることができるのかを自ら考え、アイディアを出して、企画書を作成してくれています。

ーーとてもクリエイティブなお仕事なんですね。今後力を入れていきたいと考えている広報活動などはありますか?

牧野さん:現在も進行中なのですが、普段の生活でなじみのあるB to C企業が行っているようなことにもっと挑戦していきたいです。学生さんは流行にとても敏感なことから、今後どう発信していこうか考えています。弊社は医療業界内での知名度は高い一方、一般的にはまだあまり知られていないので、どうやったらもっと知ってもらえるのかという部分にとてもやりがいを感じていて企画を考えるのはとても楽しいです。

(2021年度 Good Design賞を受賞した血圧脈波検査装置)

フクダ電子の広報戦略 まとめ

医療機器の広報や宣伝活動にはいろいろな縛りがある中で、医療従事者に向けて、一般の方に向けて手段や内容を変えることでより多くの方にフクダ電子という企業を知ってもらおうとしていることが分かりました!医療従事者の方に対しては、学会や研究会に参加してもらい、関係を深める事、製品のメリットを最大限アピールする事が重要で、一般の方にはテレビドラマや公共交通機関、スポーツなどの身近な媒体を通し、より分かりやすくフクダ電子の存在をアピールしているということですね!フクダ電子の広報は、社会に製品や社名を広めることができるかを考え、いろいろな手段を使って表現する、とてもクリエイティブな業務です。

 

医療機器業界の広報に必要な人材

ーー学生時代の専攻分野はどちらですか?

小林さん:私は、美術系を専攻していました。広報の社員は10人居ますが、中途採用が6割程度です。文系の方が多い傾向にあります。ですが、特に文理のどちら出身かは関係なく、コミュニケーション能力を重要視しています。

牧野さん:私は、外国語を専攻していました。私は中途で弊社に就職したんですが、前職はスポーツ誌を取り扱う出版社に勤めていました。

ーー医療機器と聞くと理系のイメージだったのですが、文理は関係ないんですね。医療系の学部を出ていないということですが、今の仕事に就くのに抵抗はなかったですか?

牧野さん:ほとんど医療のことについて知識がなかったので、正直、最初は不安でした。しかし、知識があれば役立つことは沢山ありますが、広報の仕事はそれ以外のアウトプットが求められるので、前職で培ったスキルを活かすことができました。また、知らない部分があるからこそ、固定概念や既存の延長線上の企画ではなく、より新しい視点で企画がだせると思いました。

小林さん:知識については、仕事をしていく中で身についていきますし、医療の進歩や社会の流れにより常に最新の情報が必要になるので、意欲的に知識を取り入れる姿勢が大切だと思います。また、広報の仕事は自社の情報を詳しく知ることが必要なので、事前知識より入社後に身に着く知識の方が重要になります。

ーーなるほど。医療機器メーカーだからといってあまり気負いしなくても大丈夫なんですね。

 

ーーフクダ電子のプロモーション企画部に必要な人材とはどのような人ですか?

小林さん:まずは、コミュニケーション能力が必須になります。また、会社について理解する力、世の中の動きを把握できる視野の広い人を必要としています。情報が溢れている現代で、必要な情報を収集・整理する力や専門用語が多い中で一般の方にも理解できるように表現する力が求められます。また、学会や研究会などで弊社の製品をアピールする際に、人前で話すのが得意だったり、プレゼンが得意だったりすると、広報の仕事をする上でとても役立つと思います。

牧野さん:広報の仕事は、成果が見えづらく、企画書も通らない事の方が多いです。それでも押し出すポイントを見つけて企画を考えるのは楽しいし、医療機器の広報は社会貢献にもつながるのでとてもやりがいのある仕事だと思っています。若い人のアイディアをたくさん取り入れていきたいと思っているので、若い社員にはとても期待を抱いています。

ーーなるほど。文理関係なく、コミュニケーション能力があってアイディアを出すことが重要なんですね。本日は、貴重なお話をありがとうございました!

まとめ

今回は、フクダ電子株式会社のプロモーション企画部の小林さん、牧野さんにお話を伺いました。広報の仕事といっても、企業によって大きく異なるようですが、フクダ電子の広報の業務はとても幅広く、クリエイティブな仕事が多いということが分かりました!医療機器業界は、法律などの面で規制が多い分、よりやりがいを感じることができると思います。

今回お話を伺ったフクダ電子は医療機器業界の企業です。医療機器業界は、医療に携わっているため、将来を見据えるうえで安定した業界にも関わらず、大学生からあまり認知されていない、とてもねらい目な業界です!

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公益財団法人 医療機器センターが運営している『医機なび』には、医療機器業界にはどんな企業・職業があるのか、実際に働いている営業職の方や開発職の方などのインタビュー、インターンの情報、セミナーの情報まで就活生に役立つ様々な情報を発信してくれています!この記事を読んで医療機器業界に興味を持った方は、是非『医機なび』のサイトを覗いて見て下さい!

医機なびHP:https://www.iryokiki-navi.com/

 

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