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【ヘルスケア・医療機器業界はブラックなのか!?】国内初の人工透析装置の開発に成功した日機装株式会社の社員の方にインタビューしてみた

近年の医療系ドラマや漫画などの影響もあり、ヘルスケア・医療機器業界と聞くとなんとなく「ブラックっぽい」「仕事が大変そう」といったイメージを持ってしまう学生も多いと思います。しかし、実際に医療機器メーカーで働く方々はどのような環境でお仕事をされているのでしょうか。そんな学生の疑問を解消すべく、今回はヘルスケア・医療機器業界のリーディングカンパニーの1つである日機装株式会社の大西さんにお話をお伺いしました。

日機装株式会社
「特殊ポンプ工業株式会社」として創業以来、血液透析、ヘルスケア関連製品などを手掛けるメディカル事業やインダストリアル事業、精密機器事業、航空宇宙事業といった幅広い分野において様々な事業を展開している。独創的な発想と高度な技術力が強みの1つであり、メディカル分野では国産第一号となる人工透析装置の開発に成功している。HP:https://www.nikkiso.co.jp
 
大西 雄也さん:日機装のサービスエンジニアとして、病院を訪問し透析装置のメンテナンスや定期的な部品交換を行っている。メンテナンスだけではなく、お客様に対し、透析装置の買い替えの提案も行なう。

 

まずは以下の項目についてそれぞれ詳しく聞いてみました。

・休暇に関して 

・残業 

・職場の雰囲気 

・ボーナス 

・育休産休取得 

・女性の働きやすさ

・各種ハラスメントへの対応 

 

休暇に関して

一般的な平均有休取得日数は年間約10.1日、有休消化率は56.6%ですが、日機装は年間約9.8日、有休消化率は55.6%なので、ほぼ平均的な数値と言えます。また法令では年5日間の有休取得が義務付けられていますが、日機装では独自に年8日以上の有休を取得することを努力目標として社内周知を行っているそうです。

ー休日に仕事関連の連絡が来ることはあるのでしょうか?

大西:休日に自分が担当しているお客様から連絡が来ることはありますが、社用携帯には転送モードがあるので、それを利用しています。前日に電話を転送モードにしておくと、社用携帯にかかってきた電話は、自動的に会社の電話に転送される仕組みになっており、勤務している他のメンバーが代わりにお客様の対応をしてくれます。

また、日機装は24時間365日対応のコールセンターを設けており、透析装置のプロがお客様からのご相談・ご質問に対して、迅速にお答えしています。そのため、昔に比べて休日に自分の社用電話がかかってくることはかなり少なくなりました。

まとめ

休日に電話がかかってくることもありますが、転送の機能を使うことができたり、24時間365日のコールセンターが設けられていたりするので、仕事とプライベートはきちんと分けることができそうですね。

残業

残業は繁忙期だと月間で約30時間、それ以外の期間は約10~20時間で、残業代は働いた分、1分単位で支払われるそうです。

サービスエンジニアは実際に医療現場で治療に立ち会うことが多いです。夜まで治療を行なっている施設へ行った場合は、治療が終わった後にメンテナンス作業をするため、帰宅が遅くなることもあるそうです。しかし、特定の1人だけが頻繁に夜間メンテナンス作業を行なうことはなく、ローテーションを行なうことで、個人によって残業に差が出ないようにしています。

また日機装ではフレックス・タイム制を取り入れているため、自身の予定に合わせて日々の始業時刻や終業時刻を調整し、勤務することが可能です。そのため、夜遅くまで勤務した翌日は遅めの時間に出社することもできるそうです。効率的に時間を使うことができますね。

大西さんに1日のスケジュール例を教えていただきました。

8時 自宅から直接社用車で病院を訪問し、臨床に立ち会う。(透析装置の立ち上げや正常に作動するかを見守る)

↓1回の透析治療は約4時間。患者様の治療中は、その場で医療従事者のお客様から受けた装置に関する質問に答えたり、パソコンで事務作業を行ったりする。

12時 治療が終了したら別の病院へ向かい、透析装置の修理等を行う。

16時~17時 帰宅

まとめ

業務上、患者様の治療に立ち会う現場や治療時間によって、勤務時間には波がありますが、フレックス・タイム制度を活用して始業時刻や終業時刻をある程度柔軟に決めることができるため、働き方の自由度が高く、勤務がしやすい環境であると感じました。

職場の雰囲気

大西:私のいる支社は体育会系な雰囲気もありますが、フランクな印象で、言いたいことが言える環境です。職場の雰囲気もみんながより良くしていこうという意識を持っています。普段は結構騒がしいですが、場をわきまえる時や集中する時は静かで、学校のクラスのような雰囲気に近いです(笑)。全員が黙ってパソコンの前に座っているような硬い感じは全くないです。

社外では、サービスエンジニアは臨床工学技士の方との接点が1番多いですが、何度もお会いして仲良くなり、プライベートで食事に行くこともあります。

まとめ

社内の環境はとてもフランクで、オンとオフの切り替えをしっかりしながら楽しく仕事ができる環境だと感じました。また社外の人との接点も多く、様々な人と関わりを持つことができる点も魅力的だと思いました。

ボーナス

年に2回、6月と12月に必ず支給されるそうです。「コロナの打撃をあまり受けず、このご時世でも安定してボーナスがもらえる点は医療機器業界であり、他事業展開もしている日機装だからこそ」だとおっしゃっていました。

大西:個々の戦いというよりかはチームで売り上げを達成するために皆で頑張っています。そのため、ノルマもありません。もちろん、個人の営業成績が良ければ、人事考課で高く評価され、その分ボーナスの金額も上がりますし、成果が出せなくても、成果を出すまでのプロセスやアクションがよければ、高く評価されますね。

まとめ

ボーナスは基本的に全員に支給されるそうです。

結果よりも過程を重視している点から、責任感を持って仕事に取り組める人や他の人があまりやりたがらない仕事でも率先して行うことができる人は評価されそうな職場だと感じました。

育休産休取得

2019年~2021年の3年間における女性の育休産休からの復職率は100%を達成しています。男性従業員の育児休業取得率も年々増加傾向にあり、昨年末は16.7%でした。また日機装には育児休業とは別に、子どもの出生後に男性が育休を取得できる「産後パパ育休」という制度もあり、子どもが生まれてから8週間以内に最大4週間(28日)取得できるそうです。分割して取得ができるため、例えば産後パパ育休を2回と育休を1回という取り方もできます。

大西:同じ事務所に女性の社員が3人おり、そのうち2人がお子さんをご出産されて、育休を取っていましたが復職後のブランク等も感じませんでした。出勤前に子どもを保育園に預けたり、フレックス・タイム制度を使って早めに退社をしたりと、制度を上手く活用して効率良く働いていましたね。

まとめ

女性の復帰率100%に加え、男性社員の育休に関する制度がとても充実しており、育休産休の取得はかなりしやすく、復職後も働きやすい環境だと感じました。

女性の働きやすさ

会社全体の女性の数は約25%で、女性の役職者の割合もまだ数%ほどですが、女性の入社者数も増えており、今年の新卒採用では女性内定者の人数が約41%でした。また、女性の人数が少ないからといって働きにくさを感じることはなく、むしろ男性社員の方が大きい物を運んだり配慮をしたりと、気を遣ってくれることが多いそうです。

女性の役職者を増やすという観点では、管理職として活躍している女性が登壇する女性従業員向けの社内セミナー等を実施しています。子育てをしながらでも管理職を目指せることを感じてもらえるような取り組みとなっているそうです。

まとめ

女性社員の数は比較的少なく、役職者の割合もまだ高くはありませんが、年々増加傾向にあることから、この数値は今後改善されていくと思います。また女性だからという理由で働きにくいこともなく、性別を意識せずに働くことができます。

各種ハラスメントへの対応

日機装には本社の他に大きな拠点が国内にいくつもあり、その各拠点に人事部や総務部の方が窓口となって相談に乗る「ハラスメント社内相談窓口」が設置されています。また社員をはじめ、社員の家族も利用することができる社外のホットラインもあり、ハラスメントはもちろん育児や健康のことなども相談することができます。

加えて日機装には年に1度、自己申告という制度を通して、部署異動やキャリアチェンジに関する希望を伝えることも可能です。管理職向けのハラスメントの講座やセミナーも設け、セクハラやパワハラに該当する行為等をしっかり伝えているそうです。

一お仕事をされていて、実際にハラスメントやトラブルに遭遇したことはありますか?

大西:全くないですね。他の人からトラブルに遭ったという話も聞いたことがないです。社内に人が多くいることがその要因と感じます。周りにたくさんの人がいるので色々な悩みを相談できますし、周りの目を気にするのでハラスメントが起こりにくい環境だと思います。

まとめ

各種ハラスメントに対する制度や取り組みが非常に多く、社内ハラスメントもないことから日機装のホワイトさが感じられます。

ここからは日機装の魅力や働き方をより深く知るため、さらに詳しくお話していただきます。

―サービスエンジニアの仕事の1つとして、学会に出席して医療従事者の方に装置の説明を行うこともあるそうですね。学会と聞くと少し堅いイメージがあるのですが、実際はどのような雰囲気なのでしょうか。

大西:医師や臨床工学技士の方の発表を座って聞くような、かしこまった形式の学会ももちろんあります。しかし、それとは別で様々なメーカーがブースフロアに集まり、各ブースでプレゼンを行うざっくばらんな雰囲気の学会もあります。これは就活の合同企業説明会のようなイメージですね。

―日機装に入社される前に持っていたイメージと実際に入社されてからでは、医療機器業界に対する考え方はどのように変化しましたか?そのギャップがありましたら教えてください。

大西:医療機器業界と聞くと、忙しいイメージを持つ方が多いと思うのですが、僕は逆に入社前はあまりハードなイメージを持っていませんでした。そのため、入社後は幅広い知識を覚えなくてはならない点ではハードだなと感じました。透析装置のことだけでなく、透析のシステムや透析液を送るための配管を自分たちで作るので、必要な知識は多岐にわたり、日々勉強が必要となります。

また、実際に医療現場に立ち会うことが多いので責任感や患者様に対して良い意味でプレッシャーを感じるようになったこともギャップの一つかもしれませんね。

―医療機器業界を志望している大学生や志望を悩んでいる大学生に向けてメッセージをいただきたいです。日機装、そして医療機器業界の魅力や強みをお聞かせください。

大西:「医療機器業界は専門的な知識が必要だから入り辛い」と思っている方もいるかもしれませんが、そんなことはないので気負いせずに幅広くこの業界を見て欲しいと思います。また業務で人と接することも多いですが、僕自身も初めはそこまでコミュニケーションが上手いわけではありませんでした。慣れていけばだんだん話せるようになりますし、むしろコミュニケーションに苦手意識のある方の方が、入社してから伸びる可能性を秘めていたりすると思うので心配しなくて大丈夫です。

日機装は競合他社に比べてサービスエンジニアの数が圧倒的に多いので、アフターフォローが手厚く、お客様からも高い評価をいただいている点が強みだと思います。人が多い分、たくさんの人が自分をフォローしてくれるのも魅力ですね。

―取材は以上です。大西さん、ありがとうございました。

全体のまとめ

ヘルスケア・医療機器業界のリアルな働き方を知るための企画として依頼した今回の取材を快く受け入れ、企業側としては明かしにくい細かな数値や会社の制度、働きやすさなどを私たち学生に丁寧にご説明してくださった点からも、日機装株式会社がいかにホワイト企業であるかがよく分かります。日機装の充実した制度や自由度の高い働き方を見ると、ヘルスケア・医療機器業界がとてもホワイトな業界であることが分かります。

終わりに

日機装は様々な制度が本当に充実しており、その対応の手厚さから社員1人ひとりに寄り添って働き方をサポートしてくれる、働きやすくて魅力的な会社であると感じました。また私たちの話を親身になって聞き、明るく楽しそうに質問にお答えしてくださった大西さんの姿からも、フランクかつ人に寄り添うという会社の社風が感じられて素敵だなと思いました。日機装株式会社の皆様、この度は取材をお引き受けいただき、本当にありがとうございました。

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