WP、CMS、ポータルサイト、Fintech、メディアレップ、SI、AWS、SaaS、IoT…
このなかでいくつ意味がわかるでしょうか?
実はこれ、IT業界では基礎中の基礎の知識なんです!
「IT業界なんて、横文字の名前いっぱいありすぎだし、また新しい単語でてくるし、もうなにがなんだかわからない。俺はIT業界興味ないからいいやー。」
いやいや、そんなわけにはいきません。
今やITが関係しない分野などないこの世の中で、IT業界の基本もわからないまま就活するのはちょっとまずいですよ。
でも大丈夫!今回はそんなIT業界を体系的に説明しちゃいます!!
IT業界志望の人も、そうでない人も必見です!!
1.IT業界5つの業態
1-1.インターネット業界
1-2.情報処理サービス業界
1-3.通信インフラ業界
1-4.ソフトウェア業界
1-5.ハードウェア業界
2.IT業界分析
3.IT業界今後の動向
目次
0.企業研究基礎知識
業界研究をするにあたって、企業にはBtoBとBtoCの2種類あるということを簡単にお伝えしておきます!当然知ってるよ、という方は飛ばしていただいて構いません!
・BtoB(Business to Business)
BtoBとは簡単に言ってしまえば、企業向けにサービスを提供する企業のことです。
・BtoC(Business to Consumer)
反対に、BtoCは企業ではなく、消費者向けのサービス提供をしている企業のことですね。
みなさんが知っている企業もBtoCの企業が多いのではないでしょうか?
1.IT業界5つの業態
IT業界といってもその業務内容や、ビジネスモデルはさまざま!
分野が横断していたり、どれにも当てはまらなかったりと、一意には決められませんが、大きく5つに分けられるので、一つ一つ説明していきます!
1-1.インターネット業界
インターネット業界とは、その名の通りインターネット上のサービス、または、インターネットを利用したサービスを提供している会社群のことです。
ここからは、BtoBとBtoCの2つのスタイルに分けて見ていきます!
まず、BtoBビジネスを見ていきましょう!インターネット業界におけるBtoBサービスには、主にWebサイト制作、ネットワーク構築、ネット広告が存在します。
1.Webサイト制作
>>WEB事業を中心に数多くの事業を手掛ける 株式会社サイブリッジ
>>WEBマーケティングで学生企業 リバーオンライン株式会社
2.ネットワーク構築
3.ネット広告
電通とソフトバンクが出資設立したサイバー・コミュニケーションズ(CCI)と、博報堂・他数社が出資設立したデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)がメディアレップとしては有名です。
Amebaで有名なサイバーエージェントも、企業向けには広告関連の事業を行っています。
>>インターネット広告代理店 SAKURAG
次に、BtoCのサービスを数種類に分けて見ていきます!主なサービスとしてはSNS、ポータル検索サイト、EC(電子商取引)、ネット金融、ソーシャルゲーム等が挙げられます。
4.SNS
>>SNSの先駆者的存在 株式会社ミクシィ
5.ポータル検索サイト
こちらはやはり広告が一番の収入源であることが多いのだそう。後述するECサイトとの連携をするサイトも存在します。近年非常に多くのものが出てきていて、熱い業界と言えるのかもしれません。
>>女性向けポータルサイト運営会社 アイランド株式会社
>>大人気情報キュレーションアプリ「グノシー」を提供する 株式会社Gunosy
6.EC(電子商取引)
経済産業省の「平成 27 年度我が国経済社会の 情報化・サービス化に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)」によれば2015年の市場規模は約13.8兆円となっており、2014年にくらべて7.6%増です。2010年は7.7兆円だったので、非常に早いスピードでECが定着していっているのが見て取れますね。
>>ショッピングサイトZOZOTOWNを運営している 株式会社スタートトゥデイ
>>アジアNo.1の総合ECカンパニーを作る 株式会社シーコネクト
7.ネット金融
他にも銀行業界ではインターネットバンキングが普及するなどIT化が進んでいます。
また、注目されているFintech(Finance×Technology : IT企業による金融サービス)は、経済産業省の「産業・金融・IT融合(FinTech)に関する 参考データ集」によると、世界のFintechへの投資額が2013年から2014年にかけて3倍になっていて、大注目であることが窺えます。
しかし、各国と比べるとFintechだけではなく日本における金融のIT化はまだまだ定着しておらず、これからというところでしょう。
1-2.情報処理サービス業界
情報処理サービスとは受託計算、データ入力、システム管理運営受託などを指します。つまり、一般企業の代わりに情報処理をしたり、ITコンサルティングなどを行う、BtoBの企業群が多い業界です。
そして、この業界で特徴的なのがSI(システムインテグレーション)。その他にITコンサルティングの企業も見ていきます。
1.SI
SIを行う会社は大企業が多いです。というのも、子会社などと連携をすることであらゆる分野を網羅することができるからです。
SI企業として有名なのは、IT業界において学生に圧倒的な人気を誇るNTTデータでしょう。NTTデータはIT業界での売上高でも、2位と大差をつけて圧倒的1位の座にいる大企業ですね。
>>SIを行う会社 株式会社アクシスウェア 「これからのSIはサービスイノベータ」
2.ITコンサルティング
ITコンサルティングと言ってもいくつかの種類に分かれ、総合コンサル(アクセンチュア、日本IBMなど)、戦略特化型コンサル(マッキンゼーなど)、中小企業向けコンサル(スカイライトコンサルティングなど)、シンクタンク系(富士通総研、野村総合研究所など)などに分かれます。
>>システム導入実績トップクラス 日本ヒューレットパッカード
1-3.通信業界
通信インフラとは、通信回線やその関連機器の総称です。通信回線には電話回線や光ファイバー、無線など様々なものがあります。
1.第一種通信事業者(キャリア)
第一種通信業者はそのキャリアのことです。固定回線ではNTTグループが優位になっていますが、モバイル回線の分野ではご存知の通り、NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、KDDIが激しく争っています。
2.第二種通信事業者
インターネットの接続サービスやインターネットサーバの貸し出しサービスをしている会社などが含まれます。
3.通信インフラメーカー
1-4.ソフトウェア業界
ソフトウェア業界におけるBtoCは、スマホアプリであったり、ゲームなどが挙げられますが、今回はBtoBの会社に注目して見ていきます!
ソフトウェア産業においては受託ソフトウェアとソフトウェアプロダクト(自社開発)のビジネスに分けて考えることができます。
そして、日本のソフトウェア産業は、受託ソフトウェアの割合が非常に大きいんです!世界的にはソフトウェアプロダクトのシェアが高いのですが、日本においては逆転しています。
これは、日本の一般企業にIT人材が少ないこと、ビジネスとして昔からそうであったことが原因として挙げられるでしょう。
しかし、近年ソフトウェアプロダクトのシェアも上がってきており、世界の主流に近づいていくのかもしれません。
1.受託ソフトウェア
2.ソフトウェアプロダクト
このビジネスモデルは、最初に自社でソフトウェアを開発し、それを企業に売り込むというものです。
初期費用がかかるため、売れなければかなりの赤字を負いますが、多くを売ることができれば逆にかなりの利益を得ることができます。
最近ではクラウドを利用し、ソフトウェアをネットワーク経由で利用することができるSaaS(Software as a Service)という提供形態も、よく使われるようになりました。
ソフトウェアをOS、ミドルウェア、アプリケーションに分けて考えるやりかたもありますので、興味のあるかたは調べてみて下さい!
>世界最大のソフトウェアメーカー 日本Microsoft株式会社
1-5.ハードウェア業界
PCに代表される、物理的なIT製品を開発しているのが、ハードウェア産業です。
現在日本のハードウェア産業は、海外メーカーの伸長もあって苦戦していますが、ハードウェア分野は日本の得意産業です。IoT(Internet of Things)という、ハードウェアにネットを繋げてしまうという概念の登場で、盛り上がりを見せています。
ロボットなども含めてまだまだ大注目の業界です。
>セキュリティ製品を開発・販売 サイファー・テック株式会社
2.IT業界分析
ここからはデータに基づいてIT業界を見ていきます!
最近IT業界は人工知能やクラウド、ビッグデータなどのバズワードで盛り上がっていますよね。
実際に大企業やベンチャー企業ではこのような分野に着手し始めていますが、もちろんこれらの分野はまだまだこれからです。
それでは今の主流は一体何なのか。見ていきましょう。
※1、※ハードウェア業界、通信インフラ業界は含まれていません
業務として最も多いのが、(1-4)でご紹介した受注ソフトウェアです。ですが、年々この割合は減ってきています。
業界規模はソフトウェア業界、情報処理業界、インターネット業界の順となっていますね!
企業単位の売上高は、情報処理業界の大企業のほうが大きいですが、受託ソフトウェアは件数が非常に多く、全体で言うと大きな割合を占めています。
次にIT業界全体について見ていきましょう!
※1、※ハードウェア業界、通信インフラ業界は含まれていません
棒グラフが売上高、折れ線グラフが従業員数です。
他の主要産業と比べても売上高、従業員数ともに日本の経済の一角を占める産業と言えるでしょう。
リーマンショック後の経済打撃から立て直し、リーマンショック以前の水準に戻ってきています。売上高は横ばい状態であるものの、従業員数は確実に増えていますね。
人材が足りていないという現状があるため、これからも増え続ける可能性が高そうです。
もちろん、人工知能、ビッグデータ、AR、VRなどの新分野の伸長の度合によって、売上高も変化していきそうですね!
※1 経済産業省・特定サービス産業実態調査及び経済センサス-活動調査をもとに、情報サービス産業協会で作成
3.IT業界今後の動向
経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では、ITに対する需要が引き続き増加する可能性が高いこと、少子化の影響もありIT人材の不足が深刻化するであろうことが報告されています。
従って、IT業界の人材需要は高いと考えられます。ですが、じゃあ就職楽勝だ!とは安心できません。IT業界ではグローバル化が非常に進んできており、インドを代表とする新興国の優秀な人材が日本国内で働くケースも増えてきています。
また、ビッグデータ、IoT、人工知能など今後注目すべきIT先端技術についても触れられています。騒がれてはいますが、これらの技術はまだまだ発展途上。これから日本のIT業界がどんな発展をとげていくのか、楽しみですね!
以上、IT業界研究でした!企業研究をするときには、その企業がどの業界に属しているのか分類してからやってみて下さいね!
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【ITエンジニア取材シリーズ】
第一回:日本IBMのITスペシャリストが語るエンジニアの心構えとは
第二回:クックパッドCTOが新卒エンジニア採用で見るモノとは
第三回:ポテンシャル採用を実施するヤフーが欲しい新卒IT人材とは
わかりやすい説明ありがとうございます!
一番上のIT業界の外観図に関してですが、例えばインターネット業界とハードウェア業界と被っている部分にECがある等、互換性を意識したチャートなのでしょうか?
Watt様
コメントありがとうございます!
外観図の被りに関してですが、これはそれぞれの業界は説明上便宜的に分けているだけで、必ずしもはっきりとは別れない。中間に位置していたり複数の要素を持った企業が存在していることを表す意図で作ったものでございます。
具体的にECやSNSがどちらの業界にも属しているというような意図ではございません。
ご指摘のようにわかりづらいところですね。近日中に修正いたします!
また何か質問ありましたら、よろしくお願いいたします!