3月2日、3日に西荻窪のギャラリー@Gallery Stellaで開催された「あなたに届けたかったラブレター展」
今回はその主催者の宮本さんに取材させていただきました。
目次
取材までの経緯
この記事は学習院女子大学国際文化交流学部新2年の奥野梓菜(あずな)が主に担当します。
好きをシゴトに
最近の就活事情を耳にする現役女子大生として、就職にネガティブな印象を抱く大学生の多さに問題意識をもっています。そこで、【好きをシゴトに】というテーマの下、やりたいことを仕事にしていらっしゃる魅力的な方々に取材して、大学生が将来を考えるきっかけとなるような記事を作成しています。
宮本さんにインタビューしたきっかけ
以前取材した、ミャンマーの支援をしていらっしゃる田中かのんさんの作品が「あなたに届けたかったラブレター展」で展示されるとのことで、筆者の奥野はラブレター展にお邪魔しました。そして、写真展のファンになったこともあり、主催者の宮本さんに取材する運びとなりました。
田中かのんさんのインタビュー記事はこちらから↓
【大学生だからできること】休学してミャンマー支援を行うPaint the world代表田中かのんさん、国際協力への想い (gakusei-kichi.com)
⚠インタビュー中のやりとりは、宮本さんを「宮」と表記しております。
自己紹介
さっそくですが、簡単に自己紹介をお願いできますか?
宮:名前は宮本拓実(ミヤモトタクミ)と申します!福岡大学の商学部経営学科をこの春卒業しました。囲碁と写真が好きです。よろしくお願いします!
お願いします!ちなみに私の周りにはあまり商学部の人がいないのですが、商学部を選んだ理由は何ですか?
宮:商学部(経営学科)に入った理由は、「社長になれる!」と思ったからです笑
(編集中のあずなです)
商学部と聞くとどこか難しそうなイメージがありますが、宮本さんはすごくフランクで明るい性格であることが、回答からも滲み出ていました。
大学では具体的にどのような活動をしていましたか?
大学ではどのような活動をされていたのですか?
宮:色々やりましたね。まずは旅行系のサークルの幹事。これはコロナ禍で大打撃を受けて、なかなか思うように活動できませんでした。次に写真のスタジオに2~3年いたことですかね。
それが今の活動に関わってくる感じですか?
宮:そうですね。そのスタジオは、「バイトでも研修にクリアしたらプロになれるよ」というところだったので、様々なことを学ばせていただき、今は独立しました。あと個人でやったお仕事を2つほど紹介します。
ブランドのイメージ画像
1つ目はブランドのイメージ画像を撮るというお仕事です。
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メンバー1:私、このブランド拝見したことがある気がします!
宮:本当ですか!?嬉しいですね。
こんな感じで、お仕事として写真を撮る機会もありがたいことにありました。
メンバー1
→ともよ
【ガクセイ基地新歓企画】ともよちゃん紹介記事「SexyZoneが好き …
「ライカ」カメラレビュー
宮:2つ目のお仕事は「ライカ」というブランドのカメラレビューをさせていただきました。
学生が憧れのLeica(ライカ)Q2で撮ってみた!作例と使い心地など …
写真展について
私はこの間の3月3日に「あなたに届けたかったラブレター展」にお邪魔したのですが、あのような写真展も定期的に開催されてきたのですか?
宮:今までに計3回開催しました。
<詳細>
- 2022 写真のみの写真展
- 2023.10 ラブレター展@福岡
- 2024.3 ラブレター展@東京
福岡会場の様子
東京会場の様子
ありがとうございます。今後、他の都市などで開催する予定はありますか?
宮:今年は四国、大阪、九州、東京など5〜7都市で開催予定です!
詳細は→こちらのアカウントをチェック!
どうやって展示品(ラブレター)を集めたのか
メンバー2:ラブレターはどのように集められたのですか?
宮:これはですね…友人にお願いしまくりました笑でもただお願いするだけではダメだと思って、「書きたくなるような招待状」を作ったというのが正しいかもしれません。
季節ごとにこだわってつくられた招待状↓
メンバー一同:これは書きたくなりますね✨
※メンバー2
→きょうこ
写真展を開催しようと思ったきっかけ
初めは写真だけの写真展だったとのことですが、なぜ写真+手紙という「あなたに届けたかったラブレター展」を開催しようと思ったのですか?きっかけなどがあれば教えてください。
宮:主にきっかけとなった出来事は2つあります。
ベクトルが一方向
宮:初めに開催した写真のみの展示は、ベクトルが一方向だと思ったんですよね。
詳しく聞かせてください!
宮:来てくださった方はたくさんいたんですけど、お客さんに写真のこだわりとかを僕が話して、お客さんはそれを「へぇ」と思いながら聞く。それを振り返ったときに、僕が一方的にペラペラ喋ってしまっているなと思ったんですよ。
なるほど。私としては製作者さんからお話を聞くことができるのも、それはそれで楽しいですが、確かにお客さん側からのアクションは無いかもしれませんね。
宮:そうですね。なので来てくれたお客さんとか第三者の目線というものをもっと僕に向けられるのではないかと考えました。
「自由丁」での経験
宮:蔵前に「自由丁」というお店があって、「1年後の自分に手紙を書こう」みたいなコンセプトなんですよね。実際にやってみて、これは面白いと。
自分でやるならどうするかな?と考えた結果、写真と組み合わせたら良いのではないかとの結論に至りました。
奥:このお店知ってます!いつか行きたいと思っていました✨
奥→筆者の奥野
→【ガクセイ基地新歓企画】あずなさん紹介記事「タイとラオスに研修に行ったよ!次は…」
宮:まとめると
- ベクトルが一方向な点を改善したい
- 作者不明のアナログ文字に「惹かれるもの」があるのではないか
という2点がきっかけです。
そこから自分の中に落とし込む際に、「過去の誰かに向けられた手紙」+「その内容に沿った写真」という結論に至り、ラブレター展を開催することになりました。
興味深いお話ありがとうございます!様々なことにアンテナを張り、それを自分ごとに消化してる点を私も取り入れたいです。
ラブレター展における工夫
ラブレター展の開催までにあたるエピソードを共有していただいたところで、次にお聞きしたいのは開催する上で工夫したことはありますか?
宮:工夫したことは写真の構成ですね。温度感や色味を統一させて、写真展としてのまとまりを確保しました。そして、どの順番で見たらどんな風に刺さるのかを考えて視線誘導を工夫しました。
なるほど。実際に拝見して、確かにブースごとにある程度のテーマがあったように思います!あとは沢山のお客さんに来ていただくための工夫などもあれば教えてください!
宮:僕はSNSとかが苦手なので、自分の力というよりは、「ラブレターを書いてくれた人、来場してくれた人の力」も借りられたらと思ったんですよね。そのためにはインスタのストーリーズとかにあげたくなるような作品に仕上げようと工夫しました。
(あとは苦手なりにもthreadsを毎日投稿して頑張りました笑)
その他意識した点はありますか?
宮:そうですね。この写真展は、「ラブレターを書いてくれる人」がいないと成立しないんですよ。だからこそ、まず第一に「書いてくれた人が感動するように」。第二に預かった大切な作品を中途半端な状態で出さないように。ということはすごく意識して、また注意して作り上げました。もし見に来てくれた人が、あまり価値を見いだせないような作品なら、それはそう見せてしまった僕の責任なので。
書き手の思い→宮本さんが感じ取った思い→第三者にもわかるように視覚化
という流れの中で、思いを視覚化したものが第三者にもそして書き手にも伝わらなければ意味がないと語る宮本さんの目は真剣そのもので、写真家としての揺るぎないプライドを垣間見た気がしました。
宮:長くなってしまったのですが、簡単にいえば「目に見えないものを見えるようにするには」、「感動とは何か」について意識して、今回のラブレター展を開催しました。
(ここまで読み進めてくださりありがとうございます!ちょっと休憩タイム)
インタビュー中に宮本さんがおっしゃっていて印象的だったことば
「僕はゴールとかをあまり決めない人間で。写真家としてこうなりたいとかもあまりないんですよね。でも、もう少しこれをやってみたらどうなるんだろうとか既存のものに新しいことを加えたらどうなるんだろうとかを考えるのが好きなんですよね。」
筆者の奥野は割とゴールを決めてから逆算するタイプなので、ゴールを決めないという点に新鮮さを感じました。根っからのクリエイター気質をお持ちなんだなと思ったところで記事の続きをどうぞ!
人を惹きつける言葉とは?大切なのは「リアル!?」
メンバー1:新歓やバイトの商品売り込みの際に活かせたらなと思うのですが、人を惹きつける言葉について教えていただけますか?
宮:いい質問ですね。僕は「リアル」だと思います。
ちょっとだけでも嬉しかった瞬間
心に残っていることの背景
↑これらを辿っていくと自分なりの言葉が出てくるのではないでしょうか。
※メンバー1
→ともよ
惹かれたものを記録する
惹かれたものといわれてもすぐには思いつかないこともあるかなと感じましたが、普段から何か書き留めたりしていらっしゃるのですか?
宮:僕は何か心に残ったこと、惹かれたことは普段からメモを取るようにしています。
先ほどからしきりに「惹かれる」という言葉を使用されているのが印象的でした。私もこの記事という媒体にその心に残ったことを記録できればなと思います。
宮:あとは「言葉にできない何か」を残すために写真を撮っている節もありますね。
あの人の良さは何なのか
この人はこんなところがある
を引き出すための仕事が写真家であり、僕が気になることです。
好きなことを仕事にする「良さ」「難しさ」
好きを仕事にするということは「息抜きがなくなってしまう」などといった声もあると思うのですが、宮本さんが思う好きを仕事にする良さや難しさはなんだと思いますか?
宮:僕は仕事そのものが「息抜き」なので例外かもしれないですが、それでも「自分の惹かれる人」「自分の仕事したい人」と仕事できることですかね。
なるほど
宮:難しさは「(最初は)完成図が見えているのが自分しかいない。」という点ではないでしょうか。だから自分の味方であり続けること、最後までやり遂げることが大切だと思います。
確かに、後ろ盾がいない分、少なくとも自分だけは味方でいないといけない難しさはありそうですね。
宮:仕事を仕事としてやらない。「好きの延長線上」という良さはありつつ、それには味方は自分である必要性とやり遂げなければならない難しさがあると思います。
宮本さんにとって仕事とは
そんな好きを仕事にしていらっしゃる宮本さんにとっての仕事とは何でしょうか。
宮:この間これだ!と思うやつがあったので紹介させてくださいね。「仕事とは、唯一自分の世界を自分主導で表現できるものである。手伝ってもらうのは良いが、何人たりとも主導権を渡してはならない。」です!
大切にしている言葉は?
大切にしている言葉や忘れられない言葉はありますか?
宮:「人格を高めなければ、人のこころは動きません。逆風にさらされても時間を薬にして、正しい道にまっすぐ進んでください。」です。父のお兄さんからいただいた言葉です。
「何をしているか」よりも「その人がどんな人物か」が重要だと思っています。
大学生に伝えたいことは?
長時間に及ぶ取材にご協力いただきありがとうございます!これが最後の質問でございます。新1年生はもちろん、大学生に伝えたいことはありますか?
宮:2つありまして、、。
画面を見すぎない
宮:スマホを見ても楽しいけど、君の大学生活を「画面を見る」で終わらせるのはもったいないと思います!なので、画面を見すぎないことが大切です!
インスタなりVlogなりを見て、ここいいな!と思ったら行ってみるとかコロナ禍で制限された身としてLINEよりも直接会う、飲み物片手に夜更かしして語り合うとかもいいですね。
大学生のうちにやっておいた方がいいことをしない
宮:大学生のうちにやっておいた方がいいこと、とかやらないと損することとかってあるじゃないですか。
ありますね。
宮:それを極力しないことですね。「やっておいた方がいいこと」は個人の目線になるので、全員が全員同じことをするよりも自分で動いて経験して惹かれる人に会って、、。
そうやって自分に合うものを見つけるのもいいんじゃないかな~と思います!
(あくまで選択肢の一つですね)
まとめると・・・
取材は以上です!ありがとうございました。
編集後記(あずな)
宮本さんのお話やこだわりが興味深くて、密度の高い取材記事を製作できたのではないかなと思っています。最後まで読んでくださった読者の皆様、宮本さんのファンの皆様ありがとうございます。私がこの取材を通して印象に残ったことは宮本さんが幾度となく「惹かれる」という言葉を使っていたことです。写真は撮る人も撮られる人も、そしてそれを見る人もいてこそ輝くもの。だからこそ、「自分の好きや惹かれること」を誰よりも大切にしている宮本さんの作品に「惹かれる」人が多いのでしょう。
【宮本拓実さん】
あなたに届けたかったラブレター展→公式Instagram
宮本拓実さん→Instagram
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取材チーム
代表:奥野梓菜
メンバー:土屋希世子、土居智葉、積山和花
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