IT業界

【アクセンチュア独占取材②】ビジネスコンサルタントになるために就活生がやるべきこととは

みなさんこんにちは!

私は4月から大学3年になることもあり、就職活動について思い悩むようになりました。「社会人と学生とのギャップがあまりにもありすぎて、働いている自分を想像できない」「そもそも何から始めればいいのかわからない」「一度、社会人にインタビューしてリアルな体験談を聞きたい…!」
そこで社会人の方にインタビューをして、就職活動のお話、お仕事のお話を聞けば、何かわかることがあるのではないかと思いました。
今回は総合コンサルティング会社「アクセンチュア(Accenture)株式会社」の4人の社員の方に取材させていただきました。今日のインタビューのお相手は、ビジネスコンサルタントの杉﨑真さんです。就職に対して不安を抱いている人、コンサルティング会社に興味がある人は必見です。ぜひ最後まで読んでください^ ^

 

 

アクセンチュア株式会社
アクセンチュアは、戦略策定からテクノロジーを活用したオペレーションの実行まで一貫したサービスを提供し、特にデジタル、クラウドおよびセキュリティ領域において卓越した能力で世界をリードするプロフェッショナル サービス企業。全世界で53万人以上の社員を擁し、世界50カ国 200都市以上に拠点を置いている。
 
杉﨑 真(すぎさき まこと)
国際基督教大学 教養学部卒業。2016年、アクセンチュアにビジネスコンサルタントとして新卒入社。他業種の企業と関わることができ、早期成長が見込めるということでコンサルティング業界に興味を持つ。小売業界のお客様に、物流領域でのコンサルティングを行っている。基幹システムのSI・運用を経験したのち、倉庫業務におけるロボティクスを活用した自動化や、倉庫・店舗から顧客への配送最適化のための業務設計・システム整備などに携わる。
 
 

アクセンチュアに入るまで:どんな学生時代を過ごしていたの?

アメフト三昧の大学生活!就活はとにかく早く終わらせたかった

―学生時代はどんなことをしていましたか。
杉崎さん:大学に入って1つのことに打ち込むことのカッコよさ・面白さにひかれてアメフト部で活動していました。かなり打ち込んでいて、授業や勉強は二の次になっていました。しかし、そのおかげで毎日目標に向かって仲間と考えつくす・やりつくすプロセスが身につき、それは今の自分を形成している大きな部分だと思います。

―アクセンチュアになぜ就職しようと思ったのですか。
杉崎さん:他業種の企業と関わりを持てて、早期成長が見込める会社ということでコンサルティング業界に興味を持っていました。しかし、正直なことを言うと、学生時代は一刻も早く就活を終わらせることだけを考えていました。当時頑張っていたアメフト部の活動に専念したいという思いから、選考が早い企業を受けていました。その中で内定をいただけたのがアクセンチュアでした。

―就職活動ではどんなことを心がけていましたか。
杉崎さん:根拠は特にないものの、自分の中ではアメフト部にいたことで他の学生よりもずっと濃厚な時間を過ごしてきたという自負があったので、それをエントリーシートでも面接でもどう伝えるべきなのかをじっくり考えていました。多くの会社を受ける時間もなかったので、とにかく正直に話す、というのも意識していました。

―どんなことを聞かれた時に「正直に話す」ようにしていたんですか。
杉崎さん:面接では何を勉強しているかを聞かれたりしました。模範解答的に言えば「勉強も部活(あるいは勉強以外のこと)も頑張っている」と言えるのが一番良いと思うんですけど、僕は全然勉強をしていなかったので「勉強はしていないです」と正直に言っていましたね。
頑張っていないのに「勉強も頑張ってます」と取り繕えば「じゃあ具体的に何しているの」と聞かれたときに、薄っぺらい内容しか出てこないし、後々苦しくなると思ったんですよね。信用できない雰囲気が出てしまいますし、仮にそれで会社に入れたとしても長く続かないと思いました。今となっては何でも正直に誠実に回答していた結果、自分に合った会社に内定をもらえて会社にとっても自分にとってもWin-Winな関係が築けたかなと思います。

―当時の(あるいは今でも)杉崎さんにとって、アクセンチュアはどんな会社ですか。
杉崎さん:会社のカルチャーを表す言葉「Think straight, talk straight(とことん考え抜き、ストレートに伝える)」にもあるように、入社した年関係なく、自分の考えを言えばそれを受け取り、応えてくれる職場です。間違っている時は間違っている、合っているときは合っているとまっすぐ言ってくれるし、お客様にとってより良いものを提案できた時には「そっちの方が良いね」と評価し、取り入れてくれる会社。誰が言ったのかではなく、その発言が真実を捉えているかをきちんと評価してくれる会社だなと思っています。もちろんその分責任も伴うので、そこはちゃんと考えている裏付けがないといけませんが。学生時代から自分の意見ははっきり言う性格だったし、就職活動中もそこは曲げなかったので、この会社だからこそ内定をいただけたんだと思いますね。

-勉強は全くやっていなかったとおっしゃっていましたが、入社した当時困ったことなどはありませんでしたか。
杉崎さん:新卒入社の研修でパソコンの使い方を教えてもらうのですが、当時の僕はPCの基本の操作が全くできませんでした。一緒に入った同期たちはみんな大学で卒論を書いたり研究やゼミの発表とかでPCを使っていたので、遅れを感じました。僕はグラウンドでボールを追っかけ回していただけなので(笑)。ただ、負けず嫌いな性格をしているので、自分だけ全然できないという状況がかなり悔しかったです。漠然と負けたくないなと思い、懸命にキャッチアップしました。

アクセンチュアに入ってから:ビジネスコンサルタントになって分かったことは?

ビジネスコンサルタント・杉崎さんの業務内容

―杉崎さんの現在のお仕事についてお聞かせください。
杉崎さん:現在は、小売業界のお客様に、物流領域でのコンサルティングを行っています。倉庫業務にて、自動化する際の自動化機器・ヒトの業務の統合管理システムの構想や、倉庫・店舗から顧客への配送最適化のための業務設計・システム整備などをしています。いかに物流周りの業務・システムを整備してお客様企業の顧客サービスを向上させながら、コスト削減を実現するかを主に担っています。

―「自動化」というのは、ロボットのようなものですか?
杉崎さん:はい。Robotics(ロボティクス)を使いながら行なっています。ロボットといっても人間のように動くものではなく、コンピュータの制御によって動くもの全てを指します。ロボットアームなど、倉庫のなかにある物を別の場所に移動させる機能を持つ機械が例に挙げられます。

Robotics(ロボティクス):日本語でロボット工学のこと。ロボット機械が情報を処理して機能するまでに必要な知識・技術を包括した学問。
 

ビジネスコンサルタントの業務の流れ

―お仕事の流れを大まかに教えてください。
杉崎さん:まずお客様(企業)が自分たちでは解決できない経営上の課題を提示されます。
それに対して、僕らはこういうことをすべきだという案、またそれを実施するためにかかるコストなどの、いただいた情報から読み解けるレベルでの提案をします。そのあとお客様と契約を結び、課題を解決するまでの期間やどんなKPIを設定するかなど、具体的な内容を決定します。

KPI :KPIとは「Key Performance Indicator」、日本語では「重要業績評価指標」とも言われます。簡単に説明すると「目標を達成する為には何をすれば良いか」を、可能な限り定量的に設定すること。(【図解】KPを正しく設定するポイントとKGIやOKRとの違いを解説)
 

契約後はお客様とのミーティングを重ねて、課題のボトルネックになっている原因が何なのかを突き止め、それを解決するための施策を提案し、実際にそれがKPIに影響を与えられているかどうかを検証します。施策に効果があると判断できたら、それを会社全体で実施できるようにするためのシステム作りをします。

ビジネスコンサルタントは契約した案件の最初から最後まで携わりますが、他の職種の社員も必要に応じて案件に携わります。デジタルな分野ではデジタルコンサルタント、専門的なデータ分析ではデータサイエンティストといったように、案件をもらってから契約期間までの間で、プロジェクトにもよりますが、携わる社員数は数十人から数百人に増えます。

-その中でもビジネスコンサルタントは、案件の中心核にいるというか、最初から最後まで携われるんですね。
杉崎さん:そうですね。事業提案からシステム導入まで携わるだけでなく、実際に企業が付加価値を増大させたり、コスト削減に成功して利益を上げるところなど、End to Endでお客様を支援できるところは、ビジネスコンサルタントの魅力の一つでもあると思います。

ビジネスコンサルタントとしてのやりがい

-どんなことが大変だと感じますか。
杉崎さん:正解がない世界で議論を進めるというのはとても難しいポイントです。お客様のこれまでの歩みや考え方も踏襲した形でないと納得感が得られません。

-少し想像がつきにくいのですが、具体的に教えていただけますか。
杉崎さん:根本的な部分は、コンサルタントとお客様の全員が同じ「正解」を共有しています。例えばAI化が進んでいる今の時代に対して、「自動運転の技術が今後発展しない」と思っている人はいないですよね。しかし「じゃあどんなビジネス形態をいつごろに用意しておけば、自動運転が普通になった時に業界で生き残ることができるのか」という論点になると、コンサルタント側とお客様側で意見が異なる場合があります。

僕たちコンサルタント側が「今すぐ新しい事業を展開すべきだ」という挑戦的な意見を出しても、お客様側は「予算などを考慮してから決めたい」という保守的な意見をお持ちのことがあります。僕らは正しいデータを隈なく分析した結果言っている意見なので、間違っているとは思いません。しかし、お客様には、予算や経費などお客様にしか分からない経営上の懸念点があります。どちらも間違っていないからこそ、その折り合いをどうつけるのかを考えることはとても難しいです。
そのため、どんなに正しいと思われる考え方・アプローチ・提案でも誰に話すのか、によって語るストーリーを変えないといけません。ある意味、かなり人間臭い仕事でもあるかと思います。ロジカルに正しいことを説明するだけでなく、相手の立場や目線、これまでの議論の経緯を意識して伝え方を工夫しないと、自分自身が正しいと思ったこと、チームとして正しいと思っていることに、周りを巻き込んで進めようと思ったときにうまく動き出さない、ということはしばしばあります。

―その中で感じるやりがいはなんでしょうか。
杉崎さん:日々お客様の課題解決・目標達成に対して、ある分野のプロフェッショナルがそれぞれの観点での考えをぶつけながらベストだと思われる手段を考え、その手段をお客様と共有し、一緒に併走しながらゴールまで走り切るというのはとてもやりがいがあります。また社員全員が何らかの専門家なので、全員が一つの課題に対して徹底的に考えて意見交換をする状況はとても刺激的です。全員で考え抜いて、やり抜いていく、それがお客様にとっての価値提供になるというのも面白いですね。

アクセンチュア社員として言えること:今の就活生は何をすべき?

―取材を受けてくださり、本当にありがとうございました。最後に、就職活動をするときに必要なマインドセットについて、杉崎さんからご意見あればお聞きしたいです。

杉崎さん:僕が好きな『7つの習慣』(スティーブン・R.コヴィー著)という自己啓発本の序盤に「自分が影響できる範囲に注力して生きる」ということが書かれているんですが、就職活動にも同じことが言えると思っています。就職活動とは「会社と学生のマッチング」でありながらも、「自分がその会社に就職できるかどうか」を判断する権利は企業にあります。そのため、内定をもらえなかった時「なぜ内定をもらえなかったのか」などの理由は教えてもらえません。「なぜ受からなかったのか」「どうしていたら受かったのか」を考えても答えは出ないし、辛いだけな気がします。そのため、自分が影響を与えられる範囲により関心を持ち注力することが、難しいけれど大事なことなのかなと思います。

 

―「自分が影響を与えられる範囲に注力する」ことは、内定が欲しい就活生にとってあるべき姿でありながら、それが出来ている人は多くないと思います。結果を気にせず就職活動をするには、どんなことが大事だと思いますか。

杉崎さん:自分のこれまでの歩みや興味をもってやってきたこと・これからやりたいと思うことをじっくり考え、自分の歩んできた道に自信をつけることが大事だと思います。そのために就職活動の間には、いろいろな会社に行ってお話を聞きに行くことをお勧めします。学生時代の就職活動のタイミングが人生の中で唯一といっていいほど多種多様な会社からいろいろな話を聞ける機会かなと思いますので、この機会はぜひ活用してほしいと思います。僕の場合、結果的に自分に合った会社で仕事を一生懸命続けているので後悔はありませんが、就職活動をパパっと終わらせることを中心に考えてしまっていました。本来はもっと色々な企業を見ておくべきだったなとも思っています。

自分自身が大事にしていること・やりたいことがより明確な人のほうが、会社側から見てもこの人とはうまくやっていけそうだなというイメージが湧きますし、選考を受ける会社のことをより知っている人の方がその会社で働く姿が想像ついて安心感があるので、より良いマッチングが起きやすいかなと思います。自分のことも受ける会社のこともじっくり見てみていい選択をしてもらえると良いかなと思います。その選択の中にアクセンチュアが含まれていればうれしい限りです。

―ありがとうございました!

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