秋になると総合選抜型入試が始まり、本格的な受験シーズンですね。
国際系大学について調べていると「リベラルアーツ」という言葉をよく見ます。
私も受験生の頃、入学時に専攻を決めなくても良い、何でも好きに学べる「リベラルアーツ」に憧れていましたが、なんとなくしか理解できていませんでした。
「『リベラルアーツ』とは、どのような教育?」
「ICU、早稲田、法政… 大学によって学習内容はどう違う?」
「実際、専攻関係なく、学際的(分野横断的)な学びはできる?」
今回は、国際基督教大学(ICU)3年生の私が、リベラルアーツ教育の実態について、他校とも比較しながら紹介します!
目次
リベラルアーツ教育とは
▲ ICUの風景写真もお送りします!1枚目は桜並木
リベラルアーツ教育とは「文系、理系の区別なく幅広い知識を得た後に、専門性を深めること」です(ICUウェブサイトより)。
具体的には、高学年(ICUでは3年生)になってから専攻分野(メジャー)を決める、それまでは学部関係なく授業を取れる、ということです。
私は「世界で通用する社会人になるため、教養を身につけたい」と思い大学進学を決めたので、幅広く知識を得られるリベラルアーツは、願ってもないチャンスでした。
ICUと他大学の違い
▲ ICUのクリスマス
早稲田大学国際教養学部、法政大学グローバル教養学部、立教大学グローバルリベラルアーツプログラムなど、他校にも「リベラルアーツ教育」を掲げる学部はたくさんあります。
私がICUへ入学して感じた他校との違いは、主に2つです。
① 文理関係なく、専門的な授業が選択できる
ICUも他校も、一般教養課程(基礎レベル)で文理関係なく授業を取ることが必須です。
例えばICUでは、自然科学から6単位、社会科学と人文科学からそれぞれ3単位ずつ、基礎的な知識を教えられる科目を取らなくてはなりません。
カリキュラム的には「学際的(分野横断的)」なのですが、高校高学年で学ぶような、学問でいうと基礎レベルです。
ICUでは、専門科目も文理関係なく履修することができます。
極端な例では「有機化学I(化学メジャー)」と「ロマン主義と創造性(文学メジャー)」を同じ人が、同じ学期に取ることができます。
一部の学部ではなく、学校全体がリベラルアーツ体制なので、真の意味で「文理両道」ができるとことが、ICUの特徴です。
② 専攻(メジャー)専門科目が分野横断的
ICUでは、3年生で専攻分野に進み、それぞれの学問分野で学び始めてからも、学際的な学びが続きます。
特に「〜研究」と名前がついている専攻(メジャー)は、他の専攻の専門科目が「専門科目」として登録されています。
例えば、私は公共政策を専攻していますが、政治学、国際関係学、法学、社会学など、他専攻分野の専門科目が、そのまま「公共政策の専門科目」として書かれており、これらを選択しないと卒業できません。
その分野だけで成立する学問は少ないと思います。
ICUの学際的教育は、包括的な学術的研究を可能にしているのだと、日々感じています。
実際「リベラルアーツ」は綺麗事ではなかった
▲ 春のICUキャンパス内、梅の季節です
正直、受験生の頃の私は、自由に学べる「リベラルアーツ」教育を疑っていました。
「実際、履修のルールも厳しくて、そんなに都合の良いことできないでしょう」と。
入学して3年が経ちますが「そんなに都合の良いこと」はありました!
基礎科目を取ってみておもしろいと思ったメディア・コミュニケーション・文化も、専門科目に挑戦してみるとちょっと違うと感じたり、反対に基礎科目を飛ばして取った経済学にハマってしまったりと、リベラルアーツのおかげで本当に楽しい学びができています。
私はICU生で、偏見もあるかと思いますが、ICUのリベラルアーツは本物です(笑)
特に、大学で学びたいことが決まっていない人、学問分野に縛られずに教養を学びたい人、視野を広げたい人にオススメします。
ぜひ受験してみてください!
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