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手紙でつながる。匿名で出来る文通:株式会社文通村運営保科様インタビュー【第三弾】

今回は株式会社文通村の保科さんに取材させて頂きました。
文通村は文通を通じて「誰かとつながる場」と「つながる時間」を提供されています。個人情報を使わずに全国各地の「ふみびと」と手紙のやりとりを安心して行うことのできるコミュニティーです。

【公式サイト:文通村リンク】

文通村は2009年からスタートし2019年で10周年という節目を迎えました。2020年には1年間の手紙のやりとり総数も約12万通を超え、手紙の交流がさらに盛んになっています。今回は文通村の活動のきっかけや手紙、文通の魅力についてお話を聞いています。

第一弾、第二弾に引き続き、本日は第三弾です。第一弾、第二弾の記事はこちらのリンクからご覧ください。
【文通村インタビュー:第一弾】【文通村インタビュー:第二弾】
第三弾では文通に関するエピソード、これからのお話、大学生へのメッセージを伺っています。第三弾にて文通村さんのインタビューは終了になりますので、ライターの編集後記も収録してあります。もしよろしければそちらも合わせて読んで頂けるととても嬉しいです。

インタビュー

―保科さん自身はお手紙を書かれる機会はありますか?

私自身は年賀状や会員さんから頂いた問い合わせのお手紙などに手書きでお返事を書くことがありますね。でも、個人的には何かを書く機会というのは格段に減ってきました。一方で、ふとした時に手紙などをすらすら書ける人ってすごいなって思います。字を書くことが習慣化している人としていない人の違いなのかなと思いますね。残念ながら、私自身は習慣化できていなくて、本当に手紙を書くことが上手な方は、ふとした時にさっと思いを短い文章で書いたりできますよね。例えば、「ありがとう」や「お疲れ様です」などを置き手紙のようにして渡したり。手紙から受ける印象っていうのはやっぱりあって、それは優しさであったり、温かみであったり、貰った側は「贈り物」みたいな形で受け取る、そういったことを少しずつでも習慣化して身につけられたらいいなって思いますね。

―文通村の運営の方々には手紙や書く事がお好きな方はやっぱりいらっしゃるのでしょうか?

いますね。何かあるとぱっと書いたりできる人がいます。そういうことって、すぐに身に着けてきたものではなくて、長く習慣化させてきた賜物なのかなと感じます。

―実際にあった文通に関するエピソードはどんなものがありますか?

利用者さんが病気で亡くなるということがありまして、その方の旦那さんがわざわざ事務局に連絡をくださったんです。「家内がなくなったことを手紙のやりとりをしていた方にお伝え下さい。家内にとって手紙がすごい励ましになっていました。」というお話をしてくださって。手紙を通して心の交流ができていたんだと改めて知りました。
その他にも、妊娠されるなどして一度文通村を出たあとに、家族構成の変わった状況でまた入村されるとか。やっぱりその人間模様というのはすごく感じます。いろんな人がいて、様々な人生があるんだということを実感しています。

―匿名という点ではSNSも同じだと思うのですが、手紙だと思いやりのようなものが強く出るような気がしますね。

そうですね。SNSも匿名という点では同じだけれど、文通はだいぶ違いますよね。その違いは一対一でのメッセージであること、手間暇があることだと思います。手間暇って贈り物の時には絶対必要なもので、思いを込める時間みたいなものです。そういうことが受取り手には伝わるのではないかなと思いますね。だから、手紙であれば善意のつながりが成り立つのかな、って。
わざわざ悪口を書くこともないし、書く必要もない。手間暇かけて、気持ちを込めて、その人だけの文字で送られた手紙というプレゼントを頂いている以上、それを土台にして良い環境が築かれていくのではないかと思います。
また、時間のラグがあるからこそ、炎上が起きにくいというのもSNSとの違いなのではないかなと思います。リアルタイムじゃないからこそ、ゆっくり自分の思いを言葉にしたり、相手の言葉を読み解こうとしたり、そういうことができます。それに、手紙で炎上していたら大変ですしね。何カ月もの戦いになってしまいますから(笑)

ー活動のやりがいは何ですか?

やっぱり手紙がいっぱい届くということと、その手紙がたくさん届くことで、ここで交流が行われているんだということを実感できることですね。あと、コロナ禍において、手紙で救われたという手紙を事務局に頂く事もあって。物理的にも精神的にも閉鎖的になってしまっている状況で、手紙が日々の小さな楽しみになっていますという言葉を頂けて、それらが本当にやりがいです。

―今後の目標を教えてください。

たくさんの方に「手紙って素敵だ」と思ってもらえるようにしたいです。大人になっても、ポストを開けるまでのワクワクする時間、手紙を書いている時間など、文通の魅力をよりたくさんの方に知ってもらうことが今の目標ですね。

―最後に大学生にメッセージをお願いします。

デジタルネイティブの皆さんだからこそ、アナログが持つ魅力をまた知ってもらいたいと思っています。手紙を書くこともその一つです。
効率的な世の中だからこそ、時間的な損失を気にしてしまいがちです。でも、手間暇をかけるとか、あえて回り道をするとか、そういった時間をかけなければ味わえないものも楽しんでもらいたいですね。

編集後記

今回は文通村の保科さんに取材させて頂きました。実はガクセイ基地で活動し始めた時から取材に行きたいと秘かに思っていたところの一つだったので、今回実現してとても嬉しかったです。記事を書かせて頂いた私自身も文通村さんの利用者です。素敵な方がたくさんいて、本当に素敵な手紙を頂いています。利用者だからこそ、文通村さんの素敵な魅力、文通の魅力がもっともっと多くの人に伝わって利用する人が増えれば嬉しいと思っています。また、自分が利用者であるからこそ、普通よりも実際のサービスなどについて詳しく触れることが出来たとも思っています。今から文通村に入村したいと思われた方は参考に、もう既に文通村に入村されている方は今のサービスの裏側を知る機会にして頂ければとても嬉しいです。

大学生、オンライン授業の中で文字を書く事が減った人、手紙を書くことがそもそもあまりない人、そのような人はもちろん、手紙を書く事が好きな人、アナログだからこその温かみを味わいたい人など、そのような人にも文通村はおすすめです。ぜひ関心のある方は文通村のサイトやTwitterをチェックして、入村して頂ければと思います。

今回のインタビューはここまでです。ガクセイ基地には他にも様々な記事があります。インタビュー記事もたくさんありますので、ぜひ以下のリンクからチェックしてみてください。 

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