「革職人になりたくて、10年以上勤めた会社を退職した、46歳のオジさんです!」
このフレーズに聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、YouTubeやTikTokを初めとするSNSで動画投稿を行いながら、革製品を作っていらっしゃる11-Works Factory/革のソムリエさんに取材させていただきました。
目次
取材までの経緯
この記事は学習院女子大学国際文化交流新2年の奥野が担当します。
記事の書き手はこんな人です↓
好きをシゴトに
最近の就活事情を耳にする現役女子大生として、就活や仕事に対してネガティブな印象を抱く大学生の多さに問題意識を持っています。そこでガクセイ基地では、「好きをシゴトに✨」というテーマの下、やりたいことを仕事にしていらっしゃる魅力的な方々に取材をしています。
→次に取材して欲しい方がいたらお問い合わせフォームかInstagramのDMまで!
なぜ革職人に取材依頼をしたのか
以前からYouTubeのshortsを拝見しており、「革職人になりたくて10年以上勤めた会社を退職した」という経緯をお持ちの革職人さんが、「好きをシゴトに」というコンセプトにぴったりだと思ったからです。より詳細に述べますと、
- 「革職人」について取材している記事が少ない
- 転職経験のある方にその背景を尋ねる記事が少ない
- 好きなことをシゴトにする上での良さや難しさを知りたい
という主に3つの理由から取材させていただく運びとなりました。将来に悩める大学生はもちろん、11-Works Factory/革のソムリエ様についてもっと知りたいという方もお楽しみいただけるような記事となっておりますので、気になるところからでも読んでみてください!!
⚠以下インタビュー中のやりとりは、革=「11-Works Factory/革のソムリエさん」で表記しております。
革職人の主な仕事内容
さっそくですが、革職人の主な仕事内容を教えていただけますか?
革:大きく2つの工程に分かれます。まずは作品作り。型のあるものからオーダーメイドの作品まで幅広く制作を行っています。
次に、販売までの工程です。基本的には全て1人で行なっていますので、「作る」だけではなく、皆様に「お届けする」ための準備が必要になります。
具体的には
- 皆さんに私や作品を知っていただくための動画制作、投稿
- BASEで販売するための文面や写真の制作
- 梱包、発送
- 材料の仕入れ
などが該当します。
作品を作るだけでは無いのですね。
革:そうですね。そこが他の革職人と異なるポイントかもしれません。
時間をかけて行っていることは?
業務が多岐にわたるようですが、その中でも1番重視していることや、時間をかけて行なっている工程はありますか?
革:作品をオーダーしてくださったお客様に直筆でメッセージを書く工程です。動画などでも今までの経歴やどんな作品を作るか発信しているのでお客様に私自身を知って貰うことはできているかもしれません。しかし数ある作品の中から、私の作品を選んでくださったお客様とコンタクトを取れる機会は少なく、感謝の気持ちをお伝えするためにもこの工程だけは削らずにできる限り続けていきたいです。
素敵ですね。直筆というのがまた、想いが込められていることが伝わる気がします。
革職人になろうと思ったきっかけは?
革職人になろうと思ったきっかけは何ですか?
革:妻の「お財布が欲しい」という一言で作り始めたのがきっかけです。私がずっと使っていた財布を分解して型を取り、新しく作り直したものをプレゼントしたんです。
素敵ですね。
革:ありがとうございます。そしたら妻が喜んでくれて!
元々革製品を作るセットがあったということですか?
革:少し説明させてください。
革に興味、関心を抱いたのはもう10何年も前になります。革のお財布が欲しかったのですが、高くて、、笑
そんな時に知人がレザークラフトのセットをくれたんですよね。
なるほど!
革:実際に作ったりもしましたが、縫い目をあけたり金具を取り付けるときに、木槌で叩くので大きな音が鳴るんです。当時はアパートだったこともありその時は一度押し入れに。
ただ作りたい気持ちはずっとあったので、妻の一言と引越しで環境が整ったことをきっかけに趣味で革小物を作るようになりました。
それで販売までするようになったということですか?
革:そうですね。メルカリで、自分の作った作品を売ってみたらありがたいことに思ったより需要があって。あとは前職の経験も大きかったですね。
前職はどんなことをされていたのですか?
今前職の話があったので、そのまま質問させていただきます。どんなお仕事をされていたのですか?
革:簡単に言えば「物を売る」仕事をしていました。その他ネット関係全般を任されていたので、お問い合わせ対応とかプッシュ通知の管理とかもですね。梱包、発送も担っていたのでやっていること自体は今とそこまで変わりません。
違いがあるとしたらどこですか?
革:前職はバイヤーが持ってきた(仕入れた)物を売る
現職は売りたい物、自分で作った物を売るという点に違いがあります。
つまり、自分の売りたいと思った物を売りたいから転職を決意され、革職人になったということですね。
革:そうですね。一応会社の社員という立場だったのでブランドや統一感が求められ、好きな物が売れなかったり売りたいものを見つけ出せなかったりしました。
そこで、前にメルカリで売っていたようにもっと自由に自分が好きな物(自分で作ったもの)を売りたいと思ったのですが、副業禁止だったので前職を退職して今に至ります。
前職の経験が今に活きていると感じる場面はどんなところですか?
前職と現職のつながりが強く感じられましたが、前職で得た知識や経験がどのような場面で活きていると感じますか?
革:基本的にはSNSの運用方法ですかね。もし前職がなかったら、ただ革製品を作り続けていたと思います笑
革:前職でインターネット業務経験があったからこそ、今こうして多くのお客様に私の作った作品をお届けできていると思います。
ありがとうございます。物作りは受け取り手がいるからこそより価値を見出すことができる気がします。
好きを仕事にする良さと難しさは?
ここまで様々なお話を伺ってきましたが、1番聞きたいことはこれです。好きを仕事にすると、息抜きができないという意見もある中で、好きを仕事にする良さと難しさはどこにあると考えますか?
革:1番の良さはやはり「仕事が苦にならない」という点にあると思います。自分が作りたいと思った物、心の底から売りたいと思えた物だけを売ることができるので、仕事に対して前向きに取り組むことができていると思います。
そして難しさについてですが、、
と伝えたいです。
難しくないのですか!?
革:SNSという誰でも発信側に立てる今の時代は、好きなことを仕事にするのはそこまで難しくありません。好きな事と他の何かを組み合わせれば、意外と需要があったりします。
なるほど。難しいからと身構えすぎているのかもしれません。
革:もちろん、好きを仕事にした上で、それで「食べていく」ということは難しいです。でも、学生なら尚更、好きなことは思い切ってやってみるといいんじゃないでしょうか。
やりたいことをやるための環境を自分で整えて、1人かもしれないし、1000人かもしれない他の誰かに見て貰うことはできます。それをやるための知識は必要ですが。
でもやっぱり今すぐにはできないという人もいると思うのですが、その辺りいかがですか?
革:私の考えでは
です。後者は案を温める意味でのtryですね。諦めるわけではなく、知識を蓄える時間を作っても、もちろんいいと思います。
大切にしている考え方や言葉を教えてください。
人生の中で大切にしている考え方や言葉があれば教えてください。
革:「やりたいと思った時が一番若い」です。どなたかの言葉を拝借しているのですが。
過去には戻れないからこそ、思い立ったその日が今後の人生の中で最も若い時なのです。
ありがとうございます。大学生でさえ、今から始めるのは遅いかなと思ってしまう時がありますが、勇気づけられました。
大学生へひとこと
重複する部分があるかと思いますが、最後に将来に悩める大学生にひとことお願いします。
革:興味があることは何でもやってみたらいいと思います。学生の皆さんもお忙しいと思いますが、時間の融通が利く今だからこそ、今日から手をつけてみてはいかがでしょうか。知識があることは何よりも強みになりますよ。
最後に
以前から拝見していた11-Works Factory/革のソムリエ様にお話しを伺うことができて嬉しく思います。「好きなことを仕事に」することは、何故かハードルが高く感じられ敬遠されがちですがこの記事がその後押しとなれば幸いです。
大学生の皆さん。そして11-Works Factory/革のソムリエ様のファンの皆さん。やりたいと思った今が1番若いです。知識を蓄えるもよし。今日から何かで発信するもよし。
「好きをシゴトに」が身近な存在になればと思います。
ガクセイ基地は魅力的な方々にインタビューを行っています。他の記事もいかがですか?
【エンタメ業界の裏側】芸能人マネージャーの実態に迫る!/ 手越祐也さんマネージャー宇田川様 インタビュー/ ガクセイ基地
<こぼれ話>
革:プラスの声だけではない中で、素敵なフォロワー様が沢山いるので、その方々と一緒に物づくりをしていきたいですね。
活動を応援してくれるファンの方を大切にしたいという11-Works Factory/革のソムリエ様の素敵な思いが聞けたところで、この記事は締めさせていただきます。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
この記事の筆者の自己紹介&記事一覧
Add Comment