国際基督教大学(ICU)は、国際的な学習環境で有名です。
様々な留学制度がある中、在校生でも知っている人の少ない「国際サービス・ラーニング」は、私が一番オススメしたい制度です!
「国際的な視野を持って、座学だけでなく実践もできるようになりたい」
「大学生活で、留学も課外活動も、普段の勉強も充実させたい」
野心のあるICU生に、ぜひ「国際サービス・ラーニング」を知ってほしいです!
そこで今回は、私のサービス・ラーニング体験を紹介します。
目次
サービス・ラーニングとは?ICUの留学制度一覧
ICUでは留学は任意ですが、約6割の学生が、卒業までに留学を経験しています。
多くの学生が利用する4つの留学プログラムの特徴をまとめました。
プログラム名 | 対象学年 | 留学期間 | 特徴 |
SEAプログラム | 1・2年次 | 6週間 | 英語語学研修 |
夏季留学プログラム | 2年次以上 | 2〜6週間 | 夏休みの短期留学 |
交換留学プログラム | 2年次以上 | 1年間 | 協定校への長期留学 |
国際サービス・ラーニング | 2年次以上 | 30日間 | ボランティア研修 |
様々なプログラムの中で、国際サービス・ラーニング(SL)には5つの特徴があります。
① 一貫したカリキュラム
ボランティア経験をレポートにまとめ、単位を取得します。また、渡航前準備や帰国後の振り返りの授業も通して、学びを深めることができます。
② アジア・アフリカ圏
協定大学・機関は、先進国や英語圏に限らないので、広い視野を養うことができます。
③ 教育・福祉・開発分野でボランティア実習
座学を学びに行くのではなく、ICUで専攻している学問の実践を目的としています。
④ 現地コミュニティに入り込んだ交流・生活
ボランティア活動先(学校、児童保護施設、障がい者施設、カカオ農場など)で、現地の人と生活をすることで、異文化理解につながります。
⑤ グループボランティア
5〜15人程度のグループで海外派遣されるので、現地の人だけでなく、ICU生とも仲良くなれます。
協定大学・機関一覧、プログラム詳細は、大学HPを参照してください。
国際サービス・ラーニング体験談
▲ フィリピン・ドゥマゲテ市の街並み
制度の説明だけではイメージしづらいと思うので、国際サービス・ラーニングを通して、フィリピン・ドゥマゲテへ30日間渡航した体験談を紹介します!
プログラム基本情報
▶︎ 渡航先
フィリピン・ドゥマゲテ
▶︎ 期間
2023年6月25日〜7月25日(ICUでは夏休み前半)
▶︎ 費用
約30万円(航空券・海外旅行保険、交通費、食費込み)
8つの渡航先の中でも、フィリピンの30万円は(南アフリカに次いで)2番目に高額、インドやインドネシアが最安値でした
▶︎ プログラム参加理由
心理学と公共政策を専攻していて、児童保護施設や少年院でのボランティア活動を通して、自治体が定める制度と心の健康との関係を学びたいと思い、フィリピンのプログラムを選択しました
参加体験談
現地では、シリマン大学のサービス・ラーニングを管轄する部署にお世話になりました。
ICU生16人と現地大学生(バディ)8人の計24人の学生が参加し、週単位でプログラム内容が設定されていました。
第1週:到着+オリエンテーション
空港まで迎えの車があり、大学内のゲストハウス(寮)の4人部屋に宿泊しました。
フィリピン文化、第2週から派遣される活動場所の説明などを、講義形式で受けました。
夕方には、現地のバディとスーパーに買い物に行ったり、街探索をしたり、遊ぶ時間もありました。
第2週:ボランティア1週目
事前に提出した興味関心から割り当てられた活動先で、3泊4日過ごします。
第1週のゲストハウスには戻らずに夜を過ごす、ということです。
私は5つの活動先のうち、児童保護施設に行きました。
主なボランティア活動内容は、施設にいる子どもと遊ぶアクティビティを、毎日約7時間分考え、実行することです。
折り紙や塗り絵、ビーズ遊びをして、日本食(手巻き寿司、カレー)を調理しました。
▲ 子どもたちと折った鶴
また、児童保護施設が担当しているケースの当事者を訪ねたり、警察署や裁判所など関連施設を見学したり、公共政策の面でも勉強させてもらいました。
調理師さんの作るご飯を食べ、夜は施設内の部屋で寝ました。
子どもたちとは異なるシャワールームが用意されていましたが、冷水でした(笑)
月曜日から木曜日までを活動先で過ごしたあと、金曜日は大学へ戻り振り返りをしました。
第3週:ボランティア2週目
前週とは異なる活動先で、3泊4日ボランティア活動をしました。
私は心理学と公共政策の両方に興味があると伝えていたので、どちらも学べる児童保護施設(前週と同じ施設)で2週間目も過ごした、特例です。
▲ 見学した市の児童相談所
活動先には、英語を話さない子どもや指導員もいて、現地語(ビサヤ語)で交流する必要もありましたが、バディが通訳してくれます。
ICU生3〜4人と現地学生1〜2人がグループになり、各活動先でボランティアをします。
第4週:ボランティア3週目
前2週とは異なる活動先で、3泊4日ボランティア活動をしました。
私は、台風被害者のコミュニティに行きました。
市が提供した建設資材を使い、NPO法人の支援を受けて自治しているコミュニティで、ゲスト用に空けてある家(写真参照)に寝泊まりしました。
▲ 4週目に寝泊まりした家
昼間は、別の家に住んでいるホストファミリーと過ごし、観光地に行ったり、子どもたちと遊んだりしました。
帰国後には、単位を取得するために、プログラム参加前に監督をお願いしたアドバイザ(科目担当教員とは別に、興味関心のある専攻の教授)に口頭発表をし、レポートを提出します。
国際サービス・ラーニングがオススメな理由
私は交換留学への参加も考えていましたが、2つの理由から国際サービス・ラーニングを選びました。
① 他では経験できない、実践型プログラム
ICUには英語開講の授業がたくさんあるので「英語で授業を受けたいから」というのは、理由として弱いと感じてしまいました。
なぜ海外に行きたいのか、よく考えてみると「異文化を肌で感じ、国際的な視野を持った人になりたいから」という理由にたどりつきました。
社会奉仕をしながら、現地でホームステイをするというのは、渡航先の大学寮に閉じこもっていてはできないことだと思います。
座学をしに留学するのではなく、学んだことを実際に外の世界で活用できることが、国際サービス・ラーニングの魅力です。
② 単位取得型短期プログラムで、他活動と両立できる
ICUでは、留学先で取得した単位を「選択科目」として数えるので、専攻(メジャー)の要件を満たすことに使えません。
言い方を変えると、留学制度によっては、卒業要件を満たすために、ダブルメジャーや長期インターンシップなど他制度・活動との両立が難しくなってしまうものもあります。
一度しかない大学生活で、たくさんの経験をしたかった私は、交換留学で1年も渡航することに躊躇していました。
国際サービス・ラーニングは、夏休みの30日間で3単位取得できるだけでなく、平和研究や開発学メジャーの科目としても数えられます。
大学生のうちに海外を経験したいという挑戦心と、やりたいことをやった上での4年卒業、両方が叶えられます。
ICU受験生、新入生は、ぜひ履修計画に「国際サービス・ラーニング」を検討してみてください!
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