気づいたら夏が終わったかのような涼しい日々が続き、短い秋が訪れようとしています。秋といえばスポーツ、食事、紅葉…と沢山ありますが今回は【読書の秋】に注目します!
文学部所属のライターが今だからこそ読みたい、凪良ゆう(なぎら ゆう)さんの小説について解説・紹介していきます!
目次
何故今おすすめなのか?
今回紹介する凪良ゆうさんは2020年に「流浪の月」で本屋大賞を受賞された作家さんで、受賞後も素敵な作品を出版されています。2022年の5月には同作の実写化映画が公開されました。
元はBL小説家としても活動されていた方であり、現在刊行されている小説の多くも「多様性」と言われる今の社会を反映したような様々な人の価値観が描かれています。
「多様性社会」と呼ばれながらも、現実はかなり理想とは程遠く、人によって偏見も感覚も、物の良し悪しも変わっている。そんな中で自分や自分の愛する人を大切に生きようとする人々のお話が綴られています。
今現在大学生or20代の若い人には刺さるポイントや共感するところの多い本だと思います。
今回はその中でも三作を紹介・解説していきます!
「本屋大賞」は、新刊書の書店で働く書店員の投票で決定するものです。過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票します。
「日頃本に一番近くで関わっている全国の書店員さんで一番おすすめしたい本を決めよう!」という趣旨のもとに行われています。詳しくは以下のURLからご覧ください。公式サイトに飛べます。
流浪の月
本屋大賞を受賞した作品であり、実写化もされた作品でもあるこの作品。ライター自身もこの作品から凪良ゆうさんを知りました。両親を失った更紗は親戚に引き取られることになりますが、今までの幸せな日常があっという間に終わりを告げていきます。
色褪せていく日々の中、更紗が出会ったのは、文、その人でした。二人の出会いは決して「普通」ではなくて、それは「誘拐」と呼ばれるような犯罪行為でもありました。やがて時を越え、再び彼らが会った時、彼らのあり方は周りを巻き込むようなものになっていってしまいます。
流浪の月の帯に書かれたキャッチフレーズは「愛ではない。けれどそばにいたい。」です。社会や第三者が見ている視点と自分達の感覚や感情が必ず同じとは限らない。誰かから後ろ指を指され、時には自分達のことをよく知りもしない人から勝手に推測され、批判される。
そのような現状の中でも、本当にそばにいたいと思う人とただ一緒にいることに人生をかけている、そんな人々のお話となっています。
映画化もされているので、映像でもぜひ楽しんでみてください。
わたしの美しい庭
ライター自身が最も好きな凪良ゆうさんの作品です。縁切り神社が屋上にある通称「縁切りマンション」。そこには少し「普通」とは違う家族が住んでいます。
そして、そこには何かとの縁を切りたい人々がやってきて…。
世界は「善意」で溢れているけれど、その善意は時として悪意よりも人の心を壊していく。他者がいくら「善意」として行為を示していても、それが本当に自分のためになるとは限らない。
そんな世界の中で「お節介」としてその縁を切ってもいい、同時に本当に自分がいいと思ったならばその縁を大切にしていくことが美しいのだと思わせてくれるような作品になっています。
汝、星のごとく
隣近所は皆知り合いというような狭い環境、瀬戸内の島に生まれ育った高校生の暁海。母親の恋愛問題により島に転校してきた櫂。二人は恋に落ちますが、様々な変化の中で彼らは一緒にいることが出来なくもなって…。
生き方の形は人それぞれ、人との関わり合いの中で変わっていくものもきっとたくさんあって、そばにいられるいられないもまたその一つだと思います。
時間の流れややらなくてはいけないこと、人との関わりからどうしても一緒にいることが難しくなってしまう事もあります。
そんな中で孤独や愛をどう守っていくのか、その方法は決して一つではないことを教えてくれる本です。
まとめ
今は本を読むのは苦手、文字を追うのは疲れるという人も多いかもしれませんが、本を読むことで自分の価値観や言葉の選択肢を増やすことにも繋がります。加えて、娯楽としても、ストレス解消の手段としても読書は有効だとされているのです。
せっかくの読書の秋、今の社会を見ていくような、複雑で多様な愛のあり方を記した美しい小説を楽しんでみてはいかがでしょう?
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