春休み真っ只中の今日この頃。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
私はと言いますと、実家で部屋の大掃除をしています。
本棚を整理していたら、小・中学生時代に使っていた国語の教科書を発見。開いてみたら案の定、落書きだらけでした。(同士は挙手🤚)
久しぶりに懐かしい気持ちになったので、今回は国語の教科書に掲載されていた物語を紹介していきたいと思います。
さあ、少しの間ではありますが、あなたも小・中学生時代の教室に戻ってみましょう。きっと当時の授業風景や共に学んだクラスメイトの顔を思い出すはずです。
※本記事は、筆者が使用していた教科書を元に執筆したため、地域や学校によって学習した学年や内容が多少異なる場合もあります。
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目次
<小学校編>
サラダでげんき/角野 栄子・長 新太
「りっちゃんは、おかあさんがびょうきなので、なにかいいことをしてあげたいとおもいました。」
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=968#modal-content
お母さんのためにサラダを作ることにしたりっちゃん。動物たちがサラダ作りのアドバイスをしにやってくるのはいいのだが、最終的にぞうが飛行機に乗って登場するシーンには当時、小学校低学年ながら笑いが止まらなくなった。この物語に登場するサラダが、学校給食のメニューになったこともあった。
にゃーご/宮西 達也
「いいですか、これがねこです。このかおをみたら、すぐににげなさい。つかまったらさいご、あっというまにたべられてしまいますよ」
https://www.ehonnavi.net/ehon/2079/にゃーご/
先生の注意を聞かなかった3匹のねずみは、天敵である猫に遭遇してしまい…。怖い話かと思いきや、予想外のオチにほのぼのする。音読の宿題がよく出されていた。
夕日がせなかをおしてくる/阪田 寛夫
「夕日がせなかをおしてくる まっかなうででおしてくる」
https://www.amazon.co.jp/夕日がせなかをおしてくる-しのえほん-4-阪田-寛夫/dp/4337003045
歌にもなっている有名な詩。最近これを読み返したら、小学生時代の下校風景を思い出して泣きそうになった。
すいせんのラッパ/工藤 直子
「そうです。今日は、すいせんが、今年はじめてラッパをふく日なのです。」
すいせんのラッパが、春の訪れを知らせてくれる。蛙の跳ねるオノマトペ「どっすん・ぽこ」がお気に入りだった。
ごんぎつね/新美 南吉
「ごん、お前だったのか。いつもくりをくれたのは。」
https://www.crayonhouse.co.jp/shop/g/g9784039632708/
小狐ごんは川にいた兵十にいたずらをして、彼が母親のために獲っていたうなぎを逃してしまう。十数日後、兵十の母がなくなってしまったことを知ったごんは償いの意味も込めて栗や松茸を届けるようになる。兵十とごんのすれ違いが切ない。悲しい結末は、涙なしでは見られない。
かさこじぞう/岩崎 京子
「じいさまは、売りものの かさを じぞうさまに かぶせると、風で とばぬよう、しっかり あごの ところで むすんで あげました。」
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/3010003.html
暮らしは貧しいが、心優しいおじいさんとおばあさん。笠を売りに出かけたおじいさんは、帰り道に売れ残った笠を地蔵の頭にかぶせてあげる。するとその夜、不思議なことが起こり…。良い行いをした人は救われると教えてくれる名作。
注文の多い料理店/宮沢 賢治
「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」
https://www.ehonnavi.net/ehon/11804/注文の多い料理店/
2人の紳士が料理を食べにレストランに入ったら、自分たちが食べられそうになった話。体中にクリームを塗り込めと指示された時点でおかしいことに気付けよ、と毎回ツッコミを入れたくなる。
大造じいさんとガン/椋 鳩十
「おうい。がんのえいゆうよ。おまえみたいなえらぶつを、おれは、ひきょうなやり方でやっつけたかあないぞ。」
https://www.amazon.co.jp/大造じいさんとガン-偕成社文庫3062-椋-鳩十/dp/403650620X
「ガン」のこと、「癌」だと思ってなかった?これは大造じいさんの闘病記ではないぞ。ちなみにガンとは、鳥のことである。
やまなし/宮沢 賢治
「クラムボンは かぷかぷ笑ったよ」
https://www.ehonnavi.net/ehon/22928/宮沢賢治の絵本やまなし/
クラムボンの正体は、永遠の謎。
海のいのち/立松 和平
「おとう、ここにおられたのですか。また会いに来ますから。」
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/3440025.html
青年・太一と、クエの物語。挿絵が美しすぎる。
<中学校編>
野原はうたう/工藤 直子
「おう なつだぜ おれはげんきだぜ」
「たんぽぽはるか」や「かまきりりゅうじ」と聞けば分かる人も多いはず。「おれはかまきり」をはじめとする、春夏秋冬の擬人化の詩だ。中学に入って初めての国語の授業はこれだった。当時、まだ知り合って間もないクラスメイトの前で音読させられたので結構恥ずかしかった。
おとなになれなかった弟たちに…/米倉 斉加年
「僕はひもじかったことと、弟の死は一生忘れません。」
https://www.amazon.co.jp/おとなになれなかった弟たちに…-米倉-斉加年/dp/4039632001
太平洋戦争中の話。「僕」の幼い弟、ヒロユキは病気になり、数日後に栄養失調で死んでしまう。毎年、夏から秋頃にかけての国語の授業では、戦争ものを勉強した記憶がある。
星の花が降るころに/安東 みきえ
「おまえはおれを意外とハンサムだと思ったことがーーあたかもしれない」
https://toidas.net/entry/17877
少年の日の思い出/ヘルマン・ヘッセ
「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな。」
https://www.amazon.co.jp/少年の日の思い出-ヘッセ青春小説集-ヘルマン・ヘッセ/dp/4794217919
こちらも流行語揃い。上記の言葉は、知る人ぞ知るエーミールの名言。何か気に触ることがあった時、やたらとこれを言ってマウントを取ってくる人が結構いた。大の蝶嫌いであった私は、エーミールの宝物、クジャクヤママユ(蛾)のヴィジュアルのせいで、授業中何度も精神を病みかけた。
アイスプラネット/椎名誠
「世界は、楽しいこと、悲しいこと、美しいことで満ち満ちている。」
https://www.amazon.co.jp/アイスプラネット-椎名-誠/dp/4062182335
「僕」の家には母の弟である、ぐうちゃんがいそうろうしていた。ぐうちゃんの話は、ほら話ばかりだけど文句なしに面白いので「僕」はぐうちゃんが大好きだった…。国語の先生が、ぐうちゃんの話に登場する巨大アナコンダの写真を見せてくれたことがあった。一部の生徒が発狂した。
盆土産/三浦 哲郎
「さいなら、と言うつもりで、うっかり、『えんびフライ。』と言ってしまった。」
https://mizukami-minori.tumblr.com/post/183834536098/盆土産-2017年-中学校-国語教科書-さし絵
主人公の父親が、東京土産のえびフライを持って地元に帰ってくる話。「えび」の発音が難しく「えんび」と言ってしまう主人公がかわいい。
走れメロス/太宰 治
「メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。」
https://www.amazon.co.jp/走れメロス-偕成社文庫-太宰-治/dp/4036516108
村の牧人、メロスは妹の結婚式を挙げるため、暴君の王様に親友を人質として差し出した。小学生の時に劇でやったり、パロディギャグ漫画を描いて友達に見せたりしていたので、個人的に非常に思い出深い作品。
故郷/魯迅
「もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。」
https://www.amazon.co.jp/故郷-魯迅-ebook/dp/B009M8NVM0
幼い頃は友達だった「私」とルントウ。大人になって再会した2人は、身分や境遇の違いから隔絶してしまう。みんな大好きコンパス人間のヤンおばさんは、当時の我々に強烈なインパクトを残した。
握手/井上 ひさし
「仕事がうまくいかないときは、この言葉を思い出してください。『困難は分割せよ。』あせってはなりません。」
http://kandakara.blog.jp/archives/1425307.html
この名言を生み出したルロイ修道士は、エーミール、ヤンおばさんに匹敵する中学国語界のエースだと思う。
高瀬舟/森 鴎外
「この舟の中で、罪人とその親類の者とは夜どおし身の上を語り合う。いつもいつも悔やんでも返らぬ繰り言である。」
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0699400
苦しむ弟を安楽死させた兄は正義か、悪か。クラスでひたすら論争になった。
こうして読み返してみると、教科書に載っていた物語は非常に深く、考えさせられるものばかりだったのだなぁとしみじみ思いました。小・中学生向けの教材だとあなどるなかれ。勉強していた当時は分からなかったことも、今になってその意味に気づいたり、新たな発見があったりして面白いです。
以上、1つでも共感していただけた物語があれば幸いです。
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