好きをつなげよう

【好きをつなげよう】映画「レインツリーの国」から考える聴覚障がいとその支援

皆さん、こんにちは。年末になってどんどん寒くなってきました。こたつの中でぬくぬくしながら映画を見るというのが冬の楽しみという方もいるのではないでしょうか。
今回の記事では映画「レインツリーの国」を通して聴覚障がいについて考えていきたいと思います。

レインツリーの国紹介

同名小説を原作とした「レインツリーの国」。玉森裕太さんと逢坂まりやさんが主演で映画が作成されています。玉森さんの関西弁も話題の一つとなりました。公開は2015年。
主人公の「伸」は昔読んだ忘れられない本のタイトルを検索をし、その感想を書いたブログを見つけます。そのブログの名前こそ、タイトルの「レインツリーの国」。そこには「ひとみ」という人の感想があり、「伸」と似た考えを綴りながらも、使う言葉にはどこか違和感と楽しさを覚えさせるのでした。インターネットのブログを通して出会った二人。そこから楽しいやりとりを重ねて、ある日、実際に会う事になります。
しかし、そこで過ごす彼女は違和感のある行動をしていて…。

ヒロインである彼女は難聴という聴覚障がいを患っています。そのことが彼女の行動を変えてしまう原因にもなってしまうことが作中でもわかります。

【映画「レインツリーの国」公式サイト】

 

聴覚障がいについて

聴覚障がいとは身の回りの音や話し言葉が聞こえにくかったり、ほとんど聞こえなかったりする状態を指します。聴覚障がいは生まれつきの場合や事故や病気などの影響で後天的になってしまう場合があります。

また、聴覚障がいには大きく二つのタイプがあります。

 聴覚障がいのタイプ

◆伝音性難聴

伝音性難聴とは、耳介や外耳道、鼓膜、耳小骨といった器官に問題が起こる難聴のことを指します。伝音性難聴は基本的に補聴器での治療・支援が可能です。

◆感音性難聴

感音性難聴とは、内耳や聴神経といった音の判別をする器官、もしくは脳の障がいに問題が起こる難聴のことを指します。感音性難聴は部分的に聞こえない難聴であり、音量の調節をするものとは異なります。複数の音が聞き取れない、高音性の音(高い音)が聞き取りにくいという特徴があるのが特徴です。伝音性難聴に比べて、補聴器での調節・治療が難しいことが挙げられます。

またこれら二つの特徴を併せ持つ「混合難聴」と呼ばれるものもあります。

【参照:Sure Talk  聴覚障がいとは?等級や種類、コミュニケーション時に配慮すべきこと】

物語の中では?

紹介でも語った通りレインツリーの国のヒロイン「ひとみ」は聴覚障がいを患う中途難聴者です。ひとみは事故による感音性難聴にあたります。感音性難聴の特徴としてあることが原因で彼女は女性の声が聞き取りにくかったり、雨の中で「伸」と会話することが難儀だったりしています。
聞こえ方は人それぞれであるためひとみの事例が全てではありませんが、「聞こえない」というトラブルがさらに複数のトラブルに結びついてしまう傾向があることが分かります。

補聴器や手話では不十分?

難聴を助ける、支援する方法として、補聴器を付ける事や手話を使う事が思い浮かぶ方も多くおられるかもしれません。しかしながら障がいの重さなどは人それぞれであり、補聴器が使えるかどうかも実は限られています。また同時に手話を使う事は新しく第二言語を覚える事と同意義であり、私達が新たに英語や韓国語などの言語を覚えるのと同じように習得するには訓練が要ります。

作中でも言われている通り、障がいを持っている彼女にとって一番の苦労は「コミュ」、つまり「コミュニケーション」です。誰かとコミュニケーションを取る事が非常に難しいのです。

具体的な支援

難聴などを支援するサポートとしては様々なものがありますが、大学の中で行われているものとして「ノートテイク」などが挙げられます。聴覚の障がいを持っている学生に対して、授業内容を文章としてパソコンを使って打ち込む、もしくはノートとペンを使って実際にノートに記載していくような授業内容についてわかるようにする活動です。

ガクセイ基地には「ノートテイク」について詳しく解説した記事がありますので、ぜひご覧ください。

【ノートテイクって何?/ガクセイ基地ライターが解説してみた】

まとめ

この映画が上映される際に、日本語字幕を付けて上映されることになりました。「なんで日本の映画にわざわざ日本語字幕?」と思われる方もおられるかもしれません。字幕の理由は、ひとみと同じように聴覚障がいををもっている人も映画を同じように楽しめるようにするため。
作中の中でも映画を見に行った二人が字幕のある映画を見るという場面があります。ひとみにとっては字幕がなければ内容にはついていくことが難しい、だからこそ、映画を見る事に対して強い要望を出す、そんなシーンです。障がいがあっても好きな映画を楽しむ権利、楽しむ時間は必ずある。そんなものを示してくれる支援であると思います。そんな裏側も知った上でぜひ映画を楽しんでみてください。また、聴覚障がい、それにまつわる困難や支援についても重ねて知って頂ければと思います。

ガクセイ基地には他にもたくさんの記事がありますので、ぜひそちらも関連記事の方からご覧になってみてください。

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