食品業界

ロスパンを手ごろな価格で。食品ロス問題に立ち向かう合同会社クアッガとは②

_rebake以外に新しいサービスはなにか考えていらっしゃいますか?

斉藤さん 個人的に、これからは、箱詰めがパン屋さんの負担となっていて捨てられてしまうパンを、僕たちが受け取ってお客さんに届けるということをやりたいですね。あとは、パン以外の廃棄物をなくす取り組みもしたいと思っています。有力候補だと思っているのは、パン屋さんと同じく個人経営が多いケーキ屋さんとかですね。なんで個人経営が良いのかというと、大きい会社になってくると廃棄をあまり外に出したくないからなんです。廃棄を定価以下で売ってしまうと、だれも定価でものを買わなくなってしまう。例えばコンビニで、おにぎりが賞味期限近くて半額になっている商品と定価の同じ商品があれば、みんな半額の方買うと思うんです。だから、半額にしないで捨てた方がましだって考えもある。ようするに、ブランド価値を落とさないために、廃棄を出さないようにする。今の時代、そういう風に考える人がほとんどで、ビジネス的にはそれが正解だっていうのはわかります。だけど僕はそういう経済的活動ではなくて、個人単位でやっているお店で、共感で集められる分野でやっていきたいですね。だから、ケーキ屋などがrebakeの次の候補に適切だと思っています。

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_お金を稼ぐためにこのサービスを提供しているのではないのですね。

斉藤さん そうですね。食品ロスを減らしたいという思いでやっています。だから、そのためにrebakeが存続してもっと広がって、同じようなサービスを提供する同業者も、もっと出てきてほしいな。パンだけじゃなくて、「TABETE」とか「ReduceGo」とかそういうお金以外の目的があるサービスが増えてきてほしいです。僕は、「TABETE」を初めて知ったとき、共感で売るうりだし方で、お客様が商品を買ったときに安く買ったっていう気持ちにならないからすごくいいなとおもったんです。ものの価値って値段で決まることが多いけど、「安いから買う」じゃなくて「余ったから買う」っていう世の中になれば良いなあと思います。

だけど、お金も大事ですけどね。学生時代は、「お金なんてなくてもいい」と思っている部分が少しありましたが、卒業してみてここ1.2年でお金は大事だなとようやくわかってきました。世の中は、資本主義社会の国が多いため、お金のあるところに人が集まりやすいのが事実です。だけど、お金で動かない人達もいるんです。僕は、有機農業とか自然環境とかを専攻にしていたので、東大の大学院時代の仲間のほとんどもNPO的な思考でお金が出なくてもなにかしたいと思っている人がほとんどでした。そういう人達が食いっぱぐれないように、同じような考えを持った人が増えれば良いなあと思いますね。

 

_学生になにかメッセージはありますか?

大岩さん 人の縁を大切にしてほしいですね。それと、バイトなんかで、無意味なことをしているなと思っていても、必ずものごとは最終的に色んなものに繋がってくると思うので、何事も頑張ってほしいですね。私はパン屋さんでずっと働いてたので、今私がクアッガに入ってパソコンを触っているなんて思いもしませんでした。だけど結婚して、パン屋さんと家庭の時間の両立が難しかったのでパンは自宅で作って、パンに関係のある仕事をしているクアッガに入社しました。それで今は事務の仕事をしているんです。最初は、パソコンのことなんて全くわからなかったため、斉藤さんに一から教えてもらって仕事が出来るようになったんですけど、そのパソコンの知識も将来自分がパン屋さんを経営したときに役立つかもしれないと思ったんです。それに、rebakeの活動で出会ったパン屋さんとも良い縁が持てたりして、それも将来役に立つかもしれない。だから、学生の皆さんも、どんなことでもやっていることには無駄がないと思うので是非いろいろなことに前向きに頑張ってほしいです。

 

 

__資本主義の今の時代、私たちは利益を考えて行動をしてしまいがちです。なので、今回の取材で、お金などの利害を超えて人間の“共感”を大切にしようとするクアッガさん達のお話を聞けてとても刺激になりました。今日は、貴重なお話ありがとうございました。

 

 

 

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