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就活が大きく変わる!?採用指針廃止の影響は?(後編)

 日本経済団体連合会(経団連)の中西宏明会長が9月3日、2021年以降の就職活動の日程などを定めた指針を「廃止してもいい」と表明しました。これが実際に廃止されるのなら、現在の大学2年生以降の就職活動に大きな影響が出ると予想されています。どのような影響が出るのか、これから大学生はどうすれば良いのか、紹介します!今回は後編!(前編はこちら

 

目次
どのような影響が出るのか?
本当に廃止されるのか?
・経団連の立場
・大学の立場
・政府の立場
私たち大学生はどうしたら…?

 

どのような影響が出るか?

 実は、過去にも就活ルールが事実上なくなり、野放し状態になった歴史があります。それはまさに今と同じように東京オリンピックの2年前、1962年でした。その時、就職活動はどう変わったかというと、3年生の2〜3月に内定をもらえる学生が続出しました。企業は採用活動をとことん早めたためです。けれども良いことばかりではありませんでした。ルールがなくなると就活が景気に直接影響を受けるので、オイルショックなどで内定取り消しが多発して、混乱を招いたという歴史もあります。

もし廃止されれば、同じようなことが起きるのではないかとの指摘もあります。

 

 企業への影響としては、廃止表明を受けて「新卒一括採用」から「通年採用」にシフトする動きもあります。日経新聞による経団連会員企業への緊急調査によると、約5割の企業が「通年採用を始めている・検討している」と回答しています。企業には、通年採用などの自由な採用活動をしないと優秀な人材を確保できないとの不安があります。欧米などでは通年採用が一般的で、国際的な人材を獲得することも理由の一つです。

ただ、基本的には通年採用の方が費用がかかると考えられていて、企業からも心配の声が挙がっています。全ての企業にまでは言いませんが、通年採用を始める企業が増えると考えられています。

 

本当に廃止されるのか?

  前編では、採用指針は意味を持たなくなったものであると説明しましたが、意味がなかったわけではありません。なぜならこのことで混乱しているのは、大学生だけでなく、企業もそうだからです。もし仮に、企業が採用指針を完全無視して採用しているのならば、廃止されても平気で、むしろ喜ぶはずです。もちろん、実際に完全無視して通年採用に切り替えている企業もあります。しかしながら、ほとんどの企業は混乱状態とも言えます。

その理由は、企業はやはり採用指針を意識していたからです。というのは、企業は「解禁日の少し前に採用をしよう」と考えていたためです。そこで、解禁日の前に面接が集中するようになってから、「それでは、もう少し早く採用しよう」と、少しずつ時期が早まって行ったというわけです。つまりは、一応基準として扱われていたことになります。経団連の会員企業への調査によると、9割の企業は「採用日程は守られていない」と回答しているのにも関わらず、別の調査では「経団連が定める新卒一括採用のスケジュールが必要」と回答したのは過半数以上を占めています。

 

 

採用指針について責任のある3つの団体の立場を紹介していきます。

経団連の立場

 今回の廃止表明はあくまで「中西会長の個人的な意見」として発表されたものでした。ですので、経団連としての意見をまとめるためにも今後、経団連内での話し合いが進められていきます。今のところ、廃止を支持する人が多数ですが、反対する人もいるようで、思うように議論は進んでいないみたいです。経団連の進藤副会長は「(採用日程の)目安はあった方が良い」と中西会長の方針に反対しています。

経団連は幹部で採用指針についての議論を詰めて、政府・大学側と協議する予定です。

 

大学側の立場

 大学は基本的に一貫して、「勉強の妨げになることはやめてほしい」というスタンスです。全国の私立大学の約9割が加盟する日本私立大学団体連合会からは、今年の6月、現在の採用指針のスケジュールを「堅持すべき」という声明が発表されていました。指針がなくなると、就活が長期化や早期化して、勉学に支障が出るからです。

 

政府側の立場

 今回の廃止表明を受けて、安倍首相は「学生の本分である勉強よりも就職活動が早くなるのはおかしいと企業側と話してルールを作った。しっかりと守っていただきたい」と、コメントしています。大学側と同じ立場に立つのかと思いきや、次の日菅官房長官が「(首相の発言の意味は)すでに決まっている2019年度までのルールを守ってほしいという発言だ」と付け加えました。

つまりは政府も、慎重な議論として推し進めていく可能性は十分にあるということです。廃止表明の翌日、閣議後の会見では各大臣で異なる意見を語っていました。

 

 採用指針に関わる3つの主な団体、経団連・大学・政府の中で、大学は意見がはっきりしていますが、経団連と政府内では議論がなかなかまとまらないようです。

さらにこれら以外の経済団体からは、経済同友会の小林代表は中西会長への支持を表明しています。対して、会員企業が125万社の日本商工会議所の三村会頭は「しわ寄せは中小企業に来るだろう」と中西会長に反対する意志を示しています。

政府は10月から、未来投資会議でこの議題を扱う予定です。この会議には、議長が安倍首相、議員には経団連の中西会長もいます。それぞれの団体内での議論と並行して、この会議も重要な役割を担うことになるでしょう。

 

 

大学生はどうしたら…?

私たち大学生はどうしたら良いのか。先の見えない中でもできることがあります!(次ページへ!)

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